東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2017年8月14日月曜日
銀座のざわめき
武井咲ちゃん主演のドラマ「黒革の手帳」が好評らしい。過去に何度もドラマ化された松本清張モノである。銀座のママさんが丁々発止するストーリーだ。
私も毎週録画して観ている。先月、このブログで、主演が若すぎるし悪者感に乏しいと書いたが、決してそんなことはなかった。かなり堂に入った悪女ぶりである。
長年に渡ってシタリ顔であの街で飲んできた目で見れば、ツッコミどころは多いが、そんなことに関係なく全体的に面白い。ストーリーを知っていても次回を観るのが待ち遠しい。
武井咲ママの店が入っているビルは8丁目の某ビル。私も時々訪ねる建物だが、ドラマでは外観だけを使っている。あのビルにあんなに若くて美人のママはいない。
まあ、そんなことはどうでもいい。数え切れないほどのクラブがひしめくあの街で私が覗いたことがある店は限られている。
最近はすっかり新店開拓もサボっているので最新事情などは知らない。飲みに出る頻度も以前より減ってしまった。
先日も「同伴しなくていいから食事だけ付き合って~」と囁かれて、結局まんまと店まで連行された。そんなのばっかりである。
私を手玉に取るのはアノ街のオネエサンにとっては超簡単だろう。男気っぽい部分をくすぐられたらイチコロである。自分の単純さにいつも呆れる。
まっすぐ帰宅して引きこもっていれば、少しは老後資金を貯められるのにマヌケな話である。
最近はこっちが歳をとったせいで、銀座で飲む時の「背伸びした感じ」から縁遠くなっている。
適度な緊張感というか快適なアウェイ感は、あの街で飲む時には程よいスパイスなのだが、それを感じにくくなっている。
ここ20年ぐらい、割とちょくちょく出かける時期と足が遠のく時期が周期的に入れ替わっていたから、今の状況もいつ激変するか分かったものではない。
さて、ご多分に漏れず、夜の銀座にも確実にカジュアル化の波は押し寄せている。善し悪しはさておき、今の時代ならではの特徴だろう。
ホステスさん達も昔見かけたような異次元チックな人が少なくなった。「普通っぽい」というパターンがいつのまにか主流派になっているように見える。
トーテムポールみたいな髪型で物凄く着飾った“ヘビ女ゴーゴン”みたいな女性を見る機会がなくなったのがちょっと残念である。
私の場合、どちらかといえば、銀座には「非日常的なモノ」を求めているので、普通っぽい路線だとあまり嬉しくない。
ドッヒャ~と言いたくなるような見た目の女性に相手してもらう方が意外に落ち着く。純情な私は普通っぽい女性が出てくると逆にドキドキして困る。
カジュアル化の流れを受けて、銀座のクラブにも重厚感あふれる老舗と、とっつきやすい雰囲気の新興店という二極化が進んでいるような気がする。
支持する客層によって店の路線も変わるのだろうが、個人的には重厚感のある老舗についつい惹かれる。
もともと、モダンでスタイリッシュとやらが好きではないから、旧態依然とした雰囲気が漂う店に行くと妙にホッとする。
「派手さ」とはちょっと違う「華」がある感じとでも言おうか。そういう店には長年そこで働いてきた重鎮の黒服やバーテンさんがいて、独自の雰囲気を醸し出している。
笑い方に例えるなら「ギャハハハ」ではなく「ムフフフ」といった感じだ。意味不明でスイマセン。
働いている側だけでなく、そこに集う客もそうした雰囲気作りに一役買っている。ムフフフ的空間が好きな客が集まるわけだから、必然的に空気感も決まってくる。
こうなると、ざわめきやグラスの響きなどがうまく混ざり合って心地良いBGMになる。
付け焼き刃的に高級感を演出しようとしても無理が出る。やはり老舗に漂う雰囲気は簡単にマネできるものではない。
夜の世界に限らず、どんなジャンルでも同じだろう。簡単にマネできないのが長年に渡って培われた「気配」や「空気感」だ。
形には見えないそんなものに価値を見出す人が多いことも、老舗を老舗として成り立たせている理由だろう。
なんだか堅苦しい言い回しになってしまった・・・。
何だかんだ言っても、上手に私を手玉に取ってくれる魅力的な女性が一人でもいる店だったら、老舗だろうが新店だろうが、お化け屋敷だろうが、いそいそと通ってしまう。
それもまた現実だ。
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