東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2017年8月23日水曜日
モンクストラップ
靴好きを自認する私にとっては「日本人にヒモ靴は合わない」という真理?は悩ましい問題である。
正統派のコンサバ靴といえば、当然ヒモ靴である。よく分からないがそれが常識である。
ところが、日本人の日常は家の中はもちろん、外でも靴を脱ぐ場面が多い。料理屋さんやお座敷スナックだって靴を脱いで上がる。
外食分野に限らず、たとえば街のお医者さんに行っても靴を脱いでスリッパというパターンは珍しくない。
当然、いちいちヒモをほどいたり結んだりしないスリッポンの靴の方が合理的である。
でも、ダンディーぶって生きている私としては痩せ我慢して正統派のヒモ靴を愛用している。好きで履いているクセに時々「なんだかな~」とタメ息をついてしまう。
靴を脱いで座敷に上がってしこたま飲み食いしたとする。帰り際、立ったまま上半身を折り曲げて靴ヒモを結ぼうとするとコケそうになる。おまけに姿勢を戻すとクラクラする。
ドカっと腰をおろして紐を結ぼうとしても、ふくらんだ腹が圧迫されてウゲっとなる。そういう時に限って老眼が邪魔をして何度もヒモを結び直すからウゲウゲである。
スーツにスリッポンという組み合わせに何となく抵抗感があるので仕方がない。だからモンクストラップの靴を履くと少しホッとする。
バックル付きの靴であるモンクストラップの語源は教会の修道士(monk)の靴に由来する。信心深い私にもうってつけである。
もちろん、モンクストラップだって、しっかりとバックルを締める作業は紐を結ぶのとたいして変わらない。
ただ、ズルしてバックルベルトを締めなければスルッと足が入る。反則ワザの極みだが、時々そういうズボラな靴の履きかたをしている。
上の画像はスペイン靴の「ヤンコ」のモンクストラップだ。ヤンコの靴は造りもしっかりして人気だが、個人的には色気?が足りないような気がする。
この靴もそんな意味不明な理由によって我が家のシューズクロークでは“3軍”に降格した。誰にも会う予定が無い日とか、真っ直ぐ帰宅する日に限って履くことが多い。
バックルの位置が上の方にあるので、だらしなくベルトを外しても、座っている時以外はズボンの裾がそのヘタレた姿を隠してくれる。
不思議とそういうだらしない履きかたをすると1日中気合いが入らない。やはり外に出たら7人の敵がいる男としては、足元がキリッとしていないとダメである。
でも、お疲れ気味の中高年生活をしているとグダグダした感じで過ごしたい時もある。そういう時はモンクストラップをだらしなく履いてしまう。
そういうカッチョ悪いことは内緒にすればいいのに、最近このブログのネタが枯渇しているので、ついつい恥をさらしている・・・。
さてさて、黒い靴もバーガンディーの靴もモンクストラップは揃えているが、伊達男を気取りたい私としては、ベルトが二つある「ダブルモンク」がお気に入りだ。
ベルトなんて1カ所あれば充分なのに、あえて2カ所だ。ムダこそが美徳である。このムダのおかげで「足元にちゃんと意識を向けている男」という自意識が成立するような気がする。
ダブルモンクでも座敷飲みの後、酔っ払って上に位置する方のバックルを外しただらしない状態で履いてしまうことがある。その靴がお気に入りの靴だったりすると心の中で葛藤が生まれる。
「酔っ払っても足元はシュっとしてろ!」、「てやんでい、エドワードグリーンの靴がナンボのもんじゃい!」という「真面目」と「ヘタレ」が脳の中でせめぎ合う。
そういう時、やはり“1軍”に在籍している大事な靴であれば、「真面目」が「ヘタレ」を制圧して、フラフラしていてもバックルをしっかり締める。
2軍、3軍の靴だと扱いがぞんざいになってしまう。バックルを外したままのダメオヤジ状態を受け入れてしまう。
身につけるモノで気持ちの入り方が変わるのは老若男女をとわず一つの真理だと思う。高い安いに関係なく自分が愛着を感じているモノを身につけることは気分をアゲておくためには必要だろう。
中高年になると放っておけばズボラ全開状態でもヘッチャラになる。鈍感力も結構だが程度問題だ。若い時ほど身だしなみに敏感になる必要はないが、ズボラ過ぎるのも情けない。
少しぐらい自意識過剰と言われようともそれなりに自意識を持つことを忘れてはダメだと思う。
モンクストラップのベルトは、いつも私にそんなことを思い起こさせてくれる。
とかいいながら、最近はズボラ状態が増えた。もっともっと1軍入りするような靴を新調すべきなんだろうか・・・。
靴は大事です。以前、接客の店員をしていた事があります。
返信削除つい、無意識に足元を見てしまいます。顔をガン見するのは失礼だから、目線を落とします。
手入れされた靴の顧客は例外なく上客です。
次は頭。ボサボサ頭はNGです。余裕の無さが出ます。精神的にも、経済的にも。
マメに靴は手入れし、床屋にいきませう。
富豪記者様のように高価な靴は買えませんが、そこそこのお金を出す必要はあります。
チープな靴は手入れをしてもダメです。輝きません。色に深みが出ません。
スーツも同様です。
ポテ珍3号サマ
返信削除確かにいろいろな場所で何気なく足元をチェックされていることは感じます。
なぜかアセります。
かくいう私も、ついつい相手の靴元には目が行きますね。
男女問わず結構汚れた靴を平気で履いている人が思った以上に多いですね。