2017年10月4日水曜日

ホテル 本音と建前


東京には五つ星ホテルが絶対的に足りない。以前、何かで読んだ話の受け売りだが、外国人観光客誘致の盲点になっているそうだ。

日本を訪れる外国人旅行者は激増中。国が音頭を取った観光立国宣言は順調に推移している。

ただ、バックパッカーや安い民泊を泊まり歩くような観光客が中心層では、お金を落としてもらうという点では厳しいのが現実だ。

東京の繁華街を見回しても、世界に冠たる経済大国の割には確かに高級ホテルが少ない。実際に五つ星ホテルはメキシコの3割、タイの4分の1しか無いそうだ。


いわれてみれば、タイのバンコクなど観光で人気の国の首都に行けば豪華ホテルが乱立している。競争原理が働いて格安で泊まれるし、ホテル選びも旅の楽しみになっている。

日本で高級ホテルを選ぶ外国人旅行者は、間違いなく落としてくれるおカネもバックパッカーとはケタ違いだろう。

富裕層ひとりで倹約指向の若者10~20人分の消費をしてくれるなら観光収入という点では効率的。そういう階層を呼び込む努力は必要だ。

秋の京都では、五つ星クラスのホテルが予約できないという理由だけで旅行自体をあきらめるアッパー層も少なくないという。みすみすインバウンド消費を逃してしまうわけだ。

中長期的に考えたら国策レベルで対策を考えた方がいいと思う。

さて、都心部の高級ホテルといえば帝国ホテルを筆頭にいくつかがパッと頭に浮かぶ。でも、パッと浮かぶ程度にしか数が無いのも事実だろう。


東京に住んでいる私は都会の高級ホテルに泊まる機会は少ない。それでも待ち合わせに使ったり、お茶や食事に行ったり、時には、諸々の事情?で部屋を取ったりする。

経済大国の1300万都市という視点で考えれば、確かに選択肢は少ない。エセ富豪?の私がそう感じるのだから海外のマトモなお金持ちから見れば、実に寒々しい状況だと思う。

日本人的感覚で一流と思われているホテルでも、ヘタをすると部屋の冷蔵庫に無料のミネラルウォーターが2本だけとか、海外の高級ホテルから見れば二線級のレベルだと思う。


まっとうな高級ホテルならバスタブの他にシャワーブースもあって、それなりに快適に過ごせる。でも、圧倒的多数派の中途半端なシティホテルは、客目線での快適さなど二の次。

シャワーを浴びるにしても狭いバスタブの中でカーテン引っ張って窮屈な姿勢を強いられる。一応、ビジネスホテルとは違う高級シティホテルを名乗る以上は数段階上の進化が必要だと思う。

以前、某都市で泊まったその街有数の高級ホテルのレベルの低さに驚いたことがある。日本の航空会社直営のホテルである。要は二つのうちの一つだ。

客の荷物は運ばない、ルームサービスはやっていない。それでは半値以下で泊まれるビジネスホテルと同じである。

それでもトップクラスの高級ホテルのような顔をしているのだから、ある意味、日本のお寒いホテル事情を垣間見た気がした。

大浴場付のビジネスホテルが人気を集めるのも当然の話。中途半端なシティホテルとやらに泊まるなら屋上に露天風呂があるような大浴場付ビジネスホテルのほうがマシだ。

「本音と建前」みたいな感覚で無理やり名前ばかりのシティホテルを選ぶのは不自然な話だと思う。

まあ、そう言ってしまうと、快適なビジネスホテルよりももっと居心地がいいラブホテル推奨論についつい発展しちゃう。

滅多に行くわけではないが、高級路線のラブホテルの快適さにはビックリする。イメージや心理的なことを取っ払って純粋に占有空間の快適さだけだったら名だたる高級ホテルよりも優秀かもしれない。

数々のサービスが有るだけでなく、ジャグジーはもちろん、サウナや露天風呂まであって唖然とする。

まあ、ホテルなんてものはイメージや心理的な要素が居心地に影響するから、あくまで「ラブホテルにいる」という現実が気になっちゃう人にはダメだろう。

有名人や野球選手だったらラブホテルを使っただけでディスられまくるが、そういう恐れがない一般人は堂々と使えばいいと思う。今更ながら「二岡選手」がチョット気の毒である。

「本音と建前」が厄介なことはイマドキのラブホテルの快適さが世間で大々的に話題にならないことが端的に表しているのかもしれない。

なんだかラブホ論を熱く語ってしまった・・・。まあ、いいか。

あくまでラブホテル的な見せ方をせずにビジネスホテルの延長線上のような位置付けを装って、システムや設備は高級ラブホ並みという新ジャンルのホテルが出てきたらウケると思う。

なんだか話が大幅にそれてしまった。


今日の主題は、東京に五つ星ホテルがもっともっと増えて欲しいという話である。都心にあと20カ所ぐらいそういうクラスのホテルが登場したら凄く面白いと思う。

サービス面だけでなく、価格面でも競争になるだろうから消費者側には良い話である。まあ、一朝一夕には無理だ。私が生きている間に実現するのは難しいと思う。

3 件のコメント:

  1. 富豪記者様には釈迦に説法ですが、金持ちを作らない税制と関係あるのではと。清貧に美を見出す国民性も。
    そこそこのレベル以上になると、嫉妬、足の引っ張りに見舞われるので、日本の富裕層は国内では慎ましく、目立たず、海外では豪華に、の生活。
    現在、日経朝刊に連載中の林真理子氏の小説にも現れていると思います。

    外国のリッチパーソンが日本に来て困るのは入国審査でのプライオリティが無い事、空港での入国からリムジンまでのアクセスの悪さ。東京駅も同様で、有料でも良いからスムースなアクセスが欲しいようです。新幹線のグリーン車もプアな印象。
    プライベートジェットの発着枠が少ないので、一般エアーラインを使用せざる得なく、日本からアジア地域への移動が不便なようです。

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  2. 連投です。

    京都駅の外国人の多さは異常。銀座の比ではありません。京都は宿泊施設が少なすぎ、5つ星はほんの少し。バスに乗ると日本人が少数の時があり、京都の友人が激おこです。
    タクシー運転手氏によると、乗るのは中国、台湾、韓国の人。日本人は少ないとの事。
    白人は自転車で観光とか。

    ルイヴィトンが春に滋賀県ミホミュージアムでのイベントで使ったお金が8億円とか。祇園新橋辺りのお店を全部(全軒です)貸切る散財振りとか。
    また、ホテルが足らなくて、神戸から名古屋まで押さえたそうです。

    もっと、もっと、金持ちにお金を使わせる工夫が必要ですね。

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  3. ポテ珍3号サマ

    ご指摘の通りですね。金持ち性悪説、ヘンテコな横並び至上主義の弊害が出ているのだと思います。

    「金持ち優遇」。いまハヤりの“リベラル”系の人々を中心にここ何十年もの間、徹底的にバッシングされ、まさに蛇蝎の如く忌み嫌われていますが、冷静に考えれば、金持ち優遇の環境を上手に整えて、持っている人々がバンバンお金を使うような循環につなげることは大事な経済原則だと思います。

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