2018年2月7日水曜日

悪友連合 女は強し


先日、旧友達と飲む機会があった。集まったのは7人ほど。場所は六本木の老舗串焼き屋の「南蛮亭」。ここの創業家ジュニアが悪友仲間なのでアルコール持ち込みで騒がせてもらった。

気付けば全員50歳を超え、次から次に出てくる名物の串焼きも後半にはキツくなり、野菜スティックをかじって酒ばかり飲むようになった。

この日のメンバーは、いわば悪友連合である。高校時代は飲酒喫煙不純異性交遊の罪!?で長い停学処分をくらったり、大人になってからも草野球チームを作って、試合後の宴会のために頻繁に集まった仲である。

小学生の頃からの付き合いだ。それぞれの親も知っている。旅行にも行ったし、お互いの結婚式にも招き招かれた関係だ。なぜか私は
そのほとんどでスピーチをしている。

中には二度も呼んでくれたヤツもいる。

幸いにして?この日は禿げ上がったメンバーこそいなかったが、白髪率やお腹周りの膨張率は結構な水準。例外的に格闘技にハマって鍛え抜いている男もいるが、おおむねお疲れ気味のオジサマである。

この顔ぶれで飲む時は、いつもそれぞれの仕事の話がまったく出ないのが特徴だろう。これって結構幸せなことかもしれない。

この歳になって仕事絡みの話題を100%抜きにして延々とバカ話に没頭できるのは有難い。利害関係も無いし、童心に返るというより純粋にリラックスした時間が過ごせる。

友人の一人が赤坂あたりで焼鳥屋さんを開業しようと計画しており、その詳細を聞くことがこの日のメインテーマだった。

ところが、とくに進展が無かったとのことで、結局はいつもの脈略なきゲス話でワイワイガヤガヤ。

それぞれの近況やその場に来られなかった友人の噂話、誰々が離婚しただの、誰々が転職しただの、とりあえずどうでもいい話に尾ヒレをつけて盛り上がる。

その日のメンバーが持ち寄ったトピックスもさまざまだ。

嫁さんにスマホの角で頭を殴られている男、出会い系の酒場で大枚はたいて何もいいことがなかった男、そいつを横目にさっさと彼女を作った男・・・等々。

ほかにも、毎日のように歩いているだけで職質を受ける男、アッチが元気になる薬を試しても常に副作用に苦しんで困っている男など、まさに人生いろいろである。

この日、遅れてやってきた男がうら若き女性を連れてきた。男子校出身者である我々は、そんな一輪の花が登場するだけで、がぜん盛り上がる。

その男によると、三度目の結婚を考えている相手だとか。まだ20代の女性である。二回りほど年下だ。

良いとか悪いとか、ひがむひがまないの問題ではない。その勇気が大したものである。枯れかけている?我々にとって、まだまだ老け込んではいけないという暗示のような話である。

だいたい、この日の顔ぶれを考えたら、大事な女性を連れて来ることは英断である。当然のように私を筆頭に悪友連合総出でヤツの失敗談などを遠慮会釈なくぶちまけ始める。

最初の結婚式や二度目の結婚式の顛末、その際の引き出物だった夫婦の写真入りマグカップに笑った話なども平気で繰り出す。

若き日にヤツが女性とネンゴロになるために使っていた究極の必殺ワザ「土下座」のエピソードなど下ネタもバンバン投下。

ヤツともう3年ぐらい付き合っているというその女性は、悪友連合のメタメタな話に動じることなく、ずっと楽しそうにニコニコしていた。実にエラいと思う。

酒も入ってオッサン丸出しの我々に笑顔で対応し続けるのは立派だ。幼稚園の時から親しかったヤツには「三度目の正直」を願うばかりだ。

いや、「二度あることは三度ある」ということわざもある・・・。

まあ、それはそれで退屈な人生を過ごすよりは有意義だろうから奮闘してもらいたいものだ。

ちなみに、この日集まった悪友連合には、ちょっとした共通点がある。全員、父親はとっくに死んでいるというのがそれだ。

それぞれの母親はご健在。みなさん元気で過ごしているらしい。

女は強し。

つくづくそんなことを感じた夜だった。

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