東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2018年2月9日金曜日
寿司の変化球
昔より食が細くなったせいで、ダラダラ酒を飲んでいると肝心の食事にたどり着かないことが増えた。由々しき事態である。
お寿司屋さんのカウンターで調子よく飲んで、握りを一つも食べずに帰るのはヤボの極みだろう。
仕方なく2~3貫は食べるが、“仕方なく”ではもったいない。私にとってもお店にとっても不幸である。
というわけで、最近はツマミの合間に握りをもらうようにしている。おかげで、何だかんだと8貫ぐらいは食べるようになった。
今更ながら寿司飯バンザイである。
この頃はすっかり出不精になって、ワガママが言える店ばかりに足が向く。オーソドックスな握りの他に、ついつい“変化球”を求めてしまう。
「ウニぎり」である。ウニを酢飯と混ぜ合わせてから軽く焼おにぎりにしてもらった一品。画像は崩した状態だ。
そりゃあウマいに決まっている。ただ混ぜ合わせるより火を通すことで香ばしい風味に変身する。目白の「鮨おざき」での一品。
こちらは赤酢の寿司飯を使っている銀座の「さ久ら」のウニの握り。画像では分かりにくいが、やはり寿司飯が焼おにぎり状態になっている。香ばしさがウニの甘さを引き立てる。
ウニやイクラの握りが出てくると、他のネタの時よりもワクワクするが、そのワクワク感をより強めたい時は小鉢でドンブリ風に出してもらう。
軍艦巻きでチョロンと乗っかったウニやイクラを大事に味わうのもオツだが、こうすることで「かっ込む」という別次元の嬉しさがある。
続いては先ほどの「ウニぎり」のタラコバージョンである。私はこれが一番好きだ。世界中に専門店を出したいぐらい美味しいと思う。この画像を見るだけで身震いするほど興奮する。
「寿司飯邪道会」の中核メンバーである私のお気に入りは他にもある。ホッキ貝をバター炒めにしてもらって堪能した後に残り汁をベースに作ってもらう「寿司飯のリゾット風」である。
残り汁というか、バターの味がしっかり残ったソースである。だいたいお寿司屋さんでホッキバターを注文すること自体が邪道だが、このリゾットのためだけについ注文してしまう。最近はバルサミコをちょこっと混ぜたり進化を続けている。時にはトリュフまで散らしてもらう。邪道には邪道の喜びがある。
さて、酒を飲みながらシャリも食べるとなると、つい巻き物を頼みたくなる。たいていはハーフサイズにしてもらうが、ハーフでも普通の一貫分よりは量がある。
ということで、巻き物として食べがちな梅キュウ、おぼろカンピョウなどを軍艦にしてもらうこともある。
ワガママといえばワガママだが、カウンターであれこれやり取り出来るのがお寿司屋さんの本来の姿だ。極端に脱線した話ではないだろう。
御勘定はブラックボックス!?だし、「お好み」という食べ方がある以上、極端にヘンテコなリクエストでなければ何も問題はない。 と思っている。
冬の寒さの中、暖かいお寿司を食べるのも幸せだ。蒸し寿司といえば関西の定番だが、銀座の「さ久ら」で常時頼めるのが、あんかけ蒸し寿司である。
それぞれ金目鯛、アサリ、ハマグリの蒸し寿司である。握った状態のシャリとネタを蒸して餡をかけて味わう。アッチッチな寿司も独特な美味しさがある。
魚貝のウマみと酢飯の酸味と餡のダシがミックスされて、日本の料理が世界で一番だと叫びたくなる。
大げさかもしれないが、私にとって、この国に生まれて良かったことの一つが、寿司の母国だということ。
ホロ酔いになりながら、いつもそんなことを考えて帰路につく。
ついでに言えば、焼鳥屋や鰻屋に行っても実は同じである。いつも「この国に生まれて良かったことといえば・・・」と独りごちている。
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