2018年6月13日水曜日

バカを自覚する


バカを自覚することは大事だ。自覚しているバカと自覚していないバカでは、同じバカでも雲泥の差だ。

恥ずかしながら私自身も30歳ぐらいまではバカを自覚していなかった。若気の至りだ。今はちゃんとバカの自覚があるから大丈夫!?である。

なにが大丈夫なんだろう・・・。

仕事の上でも問題だらけだ。相手の言うことを深読みできない単純さしかり、固定観念に縛られて効率性をおろそかにする鈍感さしかり、勢いにのって突っ切るべき場面で、慎重なフリしてコトを停滞させる優柔不断さもそうだ。

「バカだなあ~」。心の中でしょっちゅうつぶやく。自己嫌悪に陥るが、年の功で割とすぐに忘れてしまう。それもまたバカだ。

人様の前で「バカですいません」と自虐的に頭を下げられるのは若いうちだろう。50ヅラ下げてそんな態度はなかなか取りづらい。

そんな気取った姿勢もバカにとっての悪循環の一つかもしれない。

ここで言うバカとは勉学におけるそれではない。「先が見通せない」「空気が読めない」「想像力や創造力がない」という意味でのバカさ加減を書いているつもりだ。

先日、とある飲み屋のカウンターで店主相手にイヤな感じで絡み始めたオッサンがいた。普段はそんなものは気にしないのだが、段々と声が大きくなって周りに対して聞こえよがしな感じになってきた。

さすがの私もイラついてきた。とりあえず、やんわり間に入ろうと座る姿勢を変えて向き合ったのだが、それを察した店主が視線で私を制止してきた。

店主のアイコンタクトの必死さのせいで、しばし静観。ほどなくオッサンは店を出て行った。店主いわく、いつものことらしい。瞬間湯沸かし器のように一騒ぎしてサッと帰る客なんだとか。

おまけに店にとってかなりの太客を大勢紹介してくれた恩人だという。私がヘタに絡んだら面倒な話になったから知らん顔がベストなんだとか。

なんだか腑に落ちない気もしたが、確かに店主とオッサンの関係性を知らずにエエカッコしいに走ろうとした私はバカである。ちょっと想像力を働かせば余計なことは考えなかったはずだ。

別な日、とある女性からデートに誘われた。ウッシッシな話である。夜の店を辞めて現在無職の女性である。「時間を気にしなくていいの」などと男心を揺さぶる。

下心がチョモランマ状態で小洒落たレストランでディナー。その後の展開を勝手に妄想していたのだが、「これから行きたいところがあるの」と切り出された。

余裕のあるオジサマを演じていた私は「うん、どこだって付き合うよ」などとダンディーなふりをして微笑む。

「来月から勤めることになったお店に顔を出したいんだけど付き合ってくださる?」。

ドッヒャー!である。言ってみれば形を変えた同伴じゃあーりませんか。まんまと策略に引っかかってしまったわけだ。

これをバカと呼ばずして何と呼ぶ。仕方ないから連行された高級クラブで、そのコを無視してハシャぎまくって帰宅した。完全敗北である。

バカが経済を回している。それはそれで真実だと思う。

私の残念な話ばかりでは哀しいので、最近の気になるバカをいくつか書きたい。

「〇×通りを左折する形を取らせていただきます」。タクシーの運転手さんの言葉である。いったいどんな形なんだろう。意味不明だ。左折だから直角か。

「大きい方が3千円になります」。1万円札で7千円分を払った際の店員の言葉だ。言うまでもなくお釣りは千円札が3枚だけである。大きい小さいウンヌンはもちろん「なります」という日本語もヘンテコだ。

「〇月×日は私の生誕祭なんです~」。キミはいったい何者なんだ?と聞きたくなる。生誕という言葉は、既に亡くなった偉人の生誕100年記念みたい場面で使うのが普通だ。

だんだんイジワルジジイみたいな書きぶりになってきたが、まだ続ける。

30歳を過ぎたようないい年したオトナが「見守ってくれたお父さんに感謝します」「私のお母さんは厳しかったので」などとメディアの前で語っている姿も好きではない。

「父」「母」という言い回しが出来ないのは小学生レベルだろう。感動のインタビューみたいな場面でもその一点が気になってしまう。

「解禁」という言葉の乱発も気持ち悪い。
「コンサートツアーの日程が解禁になりました」「新しいCMが解禁になりました」等々、テレビを見ていると頻繁に聞こえてくる。

なんで「公開」と言わないのだろう。それを見せられる人にとって「禁が解かれた」感覚などない。見てもらう側が「禁を解く」感覚だとしたら随分と高飛車な話だ。上から目線かつ“大きなお世話感”に溢れた言い回しだと思う。

なんだか話の流れが、単なる私のウップン話に変わってしまった。ブレまくりである。

やはりバカなんだろう。

2 件のコメント:

  1. 残念ながら、良く解ります。小生も多々思い当たります。
    でも、きっと馬鹿は死ぬまで治らないのでしょう。(ため息

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  2. ポテ珍3号さま

    思い当たることがあることこそが大事だと思います!
    気付かないのが一番切ないです。

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