東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2018年7月30日月曜日
地味メシ 茶色い食べ物
インスタ映えの向こうをはって最近では「#地味ごはん」、「#地味メシ」といったジャンルが注目されているそうだ。
ゴージャスでキラキラした?食べ物画像の見せ合いに飽きた若者の間で“渋いメシ”にスポットが当たっているわけだ。
何事もハヤリものには反動が来る。「インスタ萎え」という言葉が定着したのも同じような心理だ。いわば当然の帰結だろう。
さて、地味メシである。中高年のオジサン達にとっては得意分野!である。主戦場だ。
ヒジキやきんぴらゴボウをお供に従えるサバの味噌煮定食なんかが王道である。
モツ煮に焼きトン、冷や奴に枝豆、厚揚げ豆腐、納豆、ゲソ焼き、コロッケにハムカツ等々、言ってみれば居酒屋で定番になっているようなものが地味メシの代表格だろう。
気付いたのだが、地味メシの多くが茶色い。彩りが鮮やかじゃないからこそ地味なんだから、茶色い面々が中心になるのは必然だ。
世の中のオジサン達は茶色いものに魅力を感じているのかも知れない。いわば“茶色グルメ道”である。
揚げ物が茶色だからそう思うのかと思ったが、肉じゃがやチャーシューやカレーや焼きそばや醬油ラーメンだって茶色い。卵料理だって味が濃ければ茶色っぽくなる。
トーストや焼肉やほうじ茶や紅茶、みたらし団子やホットケーキやおいなりさんも茶色い。
更に言えばキャラメルやきなこだって茶色だ。
だんだん強引になってきた・・・・。
先日、銀座のおでん屋さん「おぐ羅」に出かけた。体重調整したいけど、酒はしっかり飲みたいという時に重宝するのがおでんだ。
この日は茶色グルメ道についてボンヤリ考えながら飲んでいたのだが、ふと気付けば目の前にあったのも茶色系である。
ぎんなんは別として、しいたけ、ぜんまいは茶色そのものだ。これぞ“地味メシ”の究極かもしれない。時代の最先端を駆け抜けているような気がした。
銀座のオネエサンから暑中見舞いカードを兼ねて謎の紙細工が届いた。ウナギの蒲焼きである。
ちょちょっと組み立てて完成。デスクに飾ってみたが意味不明である。でもこの茶色が妙にソソる。ついつい眺めてしまう。
私が愛するウナギは茶色グルメ業界における横綱級の存在だ。いや、茶色業界における神と呼んでもいい。
誰もが普段から何気なく茶色い食べ物を口にしている。茶色はウマいという公式に気付かないでいることは残念だ。
もし、ウナギや焼鳥、とんかつや味噌汁といった逸品達が違う色だったと想像するだけで恐怖だ。緑色や紫色だったらちっとも食欲をそそらない。茶色サマサマである。
茶色の偉大さを改めて国民みんなで認識したい。カツ丼の上にグリーンピースを載せたり、ビーフシチューの中にニンジンを投入するといった余計な小細工も禁止したほうがいいと思う。
あれはパッと見の彩りだけが目的だ。いわば、茶色への冒涜である。まあ、これについては野菜嫌いの私の個人的主張です。
最後に紹介するのは究極の茶色だ。昔なつかしの「あんずボー」である。このところ職場に常備して冷凍保存してもらっている。
暑い日の午後、仕事をさぼって会議室でひとり、これをチューチューすするのが私の楽しみである。
茶色スイーツ業界の片隅で昭和の昔からひっそり生き抜いてきた「あんずボー」である。もはや神々しい存在だ。
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