東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2018年10月17日水曜日
子どもに学ぶ 油そば
この歳になると食べたことがないモノが減ってくる。食い意地が張っているほうだから結構いろんなモノを食べてきた。逆にいえば、未知の食べ物はほとんどが「食べたくないもの」である。
「油そば」という看板をよく見かける。凄い名前だ。若い頃ならいざしらず、今はちょっとゴメンだ。名前が無気味すぎる。
でも、食べてみた。「東京油組」というコワい名前の店に行った。泥酔していたからではない。娘に無理やり連れて行かれた。
高校生の娘は時々食べるらしい。「そんなもんウマいはずないだろ!」という父の意見は抹殺され、仕方なくノレンをくぐった。
恐る恐る食べた。悪くない。いや、悔しいけど美味しい。結構モリモリ食べてしまった。名前ほどには油っぽくなかった。アッサリと言ってもいい。
こっちがグチャグチャかき回した後。見た目はともかく実際の味はちっともゲテモノっぽくはなかった。普通の汁なし麺である。
香港や中国で食べる麺といえば、日本人が思っている以上に汁なし麺が多い。店によっては汁麺のほうが少数派だったりする。
麺の味と食感がメインで、乗っけたおかずとともに味わうパターンである。考えてみればそういう食べ方は日本ではあまりポピュラーではない。
こちらの画像は香港のファストフード的な麺屋での一コマ。私自身、こんな感じの汁なし麺が大好きだから、油そばにすんなり馴染めたのかも知れない。
よく考えてみれば、うどんや蕎麦だって必ずしも汁に浸っているわけではない。釜揚げうどんなどは“汁なし業界”ではしっかりした地位を築いている。
ラーメンの場合、汁なしみたいな路線はつけ麺のほうにシフトしている感じだ。汁と麺をあえるようなスタイル、すなわち「あえ麺」というジャンルがもっと広まってもいい。
汁なし担々麺は割とよく目にするが、普通のラーメンの汁なしバージョンはあまり見かけない。ちょっと不思議だ。
そういうパターンはすべて「油そば」というヘンテコな名前で統一されているのだろうか。だとしたら人気が広がることはないような気がする。
「油そば」という名前だと、私のイメージではギトギトしたベトベト麺である。勝手な思い込みだが、中年以上の人なら馴染みがないからそう思う人は結構いるはずだ。
「あえ麺」といわれればピンと来るのだが、「あえ」という語呂が悪いのだろうか、漢字で「和え」だと読みにくいからだろうか。
今度、友人のラーメンブロガーに解説してもらおうと思う。
いずれにせよ、高校生の娘のおかげで縁のなかった初体験の食べ物にありつけたわけだ。“大人ブレーキ”のせいで未体験のモノを敬遠しちゃうのは正しくないと痛感した。
油そば。正直また食べたい。でも、その店は若者客しかいなかったから一人で訪ねるのも気がひける。また、娘に渋々連れられてきたフリをして行こうと思う。
別な日、娘と息子を連れて回転寿司に出かけた。子ども達が住む家から割と近い場所にある「がってん寿司」である。
お寿司自体は大好物だが、回転寿司に行く機会はなかなかない。子連れの時だけだ。イマドキの回転寿司はサイドメニューもやたらと豊富でビックリする。居酒屋とファミレスが融合したような感じだ。
回転寿司の楽しみは「邪道系握り」に尽きるだろう。普通のお寿司屋さんでは口に出すのもはばかられるような個性的メニューが揃っていて興奮する。
エビフライ巻き、ローストビーフ握り、舞茸天ぷら握りなどと聞くと、ドッヒャ~!と思う一方でワクワクする。
白身照りマヨ炙り握りなんてメニューもある。頭の中で現物がイメージできないスペクタルな感じが素敵である。
これはサーモンにアボカドとネギにマヨソースがかかっていた一品。邪道中の邪道である。でも単純明快にウマかった。
お寿司屋さんではいつも旬がどうだ、シャリがどうだなどとウザいことを言いたがる私だが、回転寿司に来てこういう未来寿司?を食べると気分がアガる。
子どものために注文したような顔をして自分でバクバク食べちゃう。追加する時だって「これもあれも頼んでやったからな」と恩着せがましく言いながら自分の興味本位でヘンテコな握りをオーダーする。
ハッピーである。離れて暮らす子ども達と食事していることを喜ばなければいけないのに、ジャンクな握りをムシャムシャ食べることに妙な幸せを感じた。
子どもっぽい食べ物が大好きなのに、カッコつけて我慢しちゃう場面は多い。子連れなら、子どものせいにしてバクバク食べることが可能だ。
ジャンクフードと私をつなぐという意味で、やはり「子はかすがい」である。
呼んだ?
返信削除個人的には「油そば」というのは「まぜそば」「汁無し麺」「あえそば」などと呼ばれる“汁の無いラーメンメニュー”の一種と考えております。
ラーメンのスープと麺を別にしたのが「つけ麺」、スープを無くして濃口の少量のタレで味付けしたものが「まぜそば」という感じです。
「まぜそば」という大きなくくりの中で、「油そば」は東京発祥、「台湾まぜそば」は名古屋発祥、「じゃじゃ麺」は盛岡発祥、「ジャージャー麺」は中国発祥、「汁無し坦々麺」は坦々麺のスープなし、、、というように地域や具材の差で呼び名が異なるのは、ラーメンに「豚骨ラーメン」「醤油ラーメン」というようなスープの種類による分類があったり、「喜多方ラーメン」「熊本ラーメン」というような地域による分類(味付けの違いも含む)があるのと同じでしょう。
「油そば」というネーミングは富豪記者様がおっしゃるように、アブラという単語自体ににあまり良いイメージがないので(あぶらむし、あぶらぎってる等)、もう少し考えてほしかった部分もあります。
その点、東京油組に関しては「如何に油そばがヘルシーか」を店内で一生懸命解説しているところに企業努力は感じております。
長くなるのでとりあえずこのへんで。
館長ドノ
返信削除ムダな解説ありがとうございます!
単に「まぜ麺」として「ラーメン」「つけ麺みたいにひとくくりにすればいいと思う。