東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2019年3月18日月曜日
ハーフサイズの誘惑
先日、上野の近くで用事を済ませた後、ひとりで夕飯に出かけた。何が食べたいか自問自答したら、久しぶりにニッポンの洋食が頭に浮かんだ。
上野御徒町湯島あたりは、とんかつや洋食の名店が揃っているエリアだ。しばし悩む。
「ベシャメルソース!!」。私の中の私が叫んだので、とんかつはパス。洋食に決定。
一人メシである。アレコレと頼めないのはストレスだ。ハーフサイズのメニューがある店が有難い。
で、不忍池の近くにある「黒船亭」に足を運ぶ。多くのメニューが「ハーフサイズ」で頼める有難い店だ。
湯島側にある超絶的にウマい店「厳選洋食さくらい」もハーフサイズ対応をしているが、黒船亭のほうが近かったのでこの日はそちらに行く。
注文は全部ハーフサイズだ。まずはカニクリームコロッケ。生ビールを片手に心の中でベシャメルソース万歳と叫ぶ。
本格的な洋食屋さんのベシャメルソースは「濃い」のが特徴だ。濃いという表現が正しいかは不明だが、サラッとし過ぎていないのが嬉しい。官能的である。平たくいえばエロい味だ。
グラスの白ワインにチェンジして、次に向き合ったのが海老グラタンである。グラタンといってもマカロニは少々でコキールに近い。その分、ベシャメルざんまいだから嬉しい。
ワインは基本的には好きではないが、さすがに日本酒や芋焼酎と合わせる気にはならない。調子に乗って白ワインをグビグビ。至福の時間だ。
たとえ私が一人で無人島に流されたとしても、ベシャメルソースとタルタルソースがあれば幸福に生きていける自信がある。
タンシチューがやってきた。赤ワインを注文する。ビーフシチューを頼みたい気分だったのだが、あっちはニンジンやブロッコリーがソースの味を台無し?にする。
滅多に飲まないワインも上等な洋食とともに味わうと妙に美味しい。大きめのワイングラスに景気よく注がれているから、ドシドシ飲んでいるうちにホロ酔いだ。
ホロ酔いほど怖いものはない。ハーフサイズといっても、ちょこっとしたサイズではない。既にそこそこ腹は満たされている。
でも、もっと食べたい欲求が湧き出る。ホロ酔い効果おそるべし。食い意地丸出し。
オムライスかハヤシライスのハーフを注文するつもりだったのだが、メニューを眺めながら迷走する。
「ベシャメルソース!!」。また私の中の私が叫んだ。いや、守護霊のお告げかもしれない。
さきほどの海老グラタンがウマかったので、帆立グラタンを追加注文。具が違うだけで味は同じである。それが嬉しい。ベシャメル万歳である。
また白ワインに戻してグビグビ。おひとりさまディナーが淋しいなんて絶対にウソである。これぞワガママざんまい、これぞ“エゴめし”である。
口直し?にハヤシライスのハーフを頼みたかったが、さすがに苦しくなってきた。でも白ワインをお代わりしたから、ツマミになるものが欲しい。
懲りずにメニューを眺める。エビフライは1本から頼めるみたいだ。タルタルも楽しめるからそうしようと思った矢先に、衝撃のメニューを見つけた。
「一口ハヤシライス」である。標準、ハーフの他に「一口」までラインナップされていた。実にニクい。素晴らしい商売っ気である。
気付いたら目の前に一口ハヤシライスが鎮座していた。満腹である。でもこれはデザートだから別腹である。
ハッピーな時間だった。
よくこの程度のデブで済んでいると思う。
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