東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2019年3月4日月曜日
飯田橋「川勢」 鰻バンザイ
面倒なことはイヤだ。歳を重ねるうちにそんな思いは強くなる。これも加齢の特徴だろう。
飲食店の新規開拓をちっともしていない。10年ぐらい前は積極的にあちらこちらを探索したが、ここ数年は知った店ばかりに出かける。
気に入った店があれば、わざわざ新規開拓の必要はないのだろうが、それでも好奇心みたいな気持ちは大事だ。
自分の世界を狭くしないためにも、暖かくなったら頑張って行動を開始しようと思う。
そんな意識もあって、先日、前から気になっていた鰻屋さんに行ってみた。飯田橋にある「川勢」という店だ。
あの界隈でウナギといえば、神楽坂下の「志満金」に行くことが多かった。そのせいで賑やかな神楽坂から反対にあたるこちらには足を向けたことがなかった。
ここ数年ですっかり高値になってしまったのがウナギである。とはいえ、私にとって一番の大好物だから、安さをウリにされても逆に怖い。
高値でも我慢して食べたい。ヘンテコな安ウナギに手を出すほうが、よほどムダ遣いだと思う。
東京にウマい鰻屋さんはいくつもあるが、個人的にはウナギ以外にもニクいツマミを揃えてある店に惹かれる。
天ぷらもしゃぶしゃぶも出すような何でも屋みたいな店は論外だが、かといって、ツマミも無しにただただウナギが焼き上がるのをひたすら待たされる店も苦手だ。
名店と呼ばれる店に結構そういう路線は多い。通を気取る人ほど、そんな殺風景みたいな鰻屋こそホンモノだと言い張るが、決してそんなことはない。
客目線からすれば、ニクいツマミが用意されている店のほうが親切である。単純にそれ自体がキチンとしたサービスだろう。
私の場合、ウナギは夜しか食べないのでそんな思いが強い。酒抜きのウナギディナーはあり得ないから重視するポイントである。
この「川勢」もウナギ料理に相当のこだわりを持っているようだが、上の画像のように季節を感じる肴もしっかり用意されている。
鯛の昆布ジメやあん肝などを食べてみた。素直に美味しい。手抜かりはない。日本酒の品揃えも豊富で楽しみながらウナギ様を待っていられる。
白焼きもしっかり丁寧に仕上がっていた。ちゃんとした専門店がちゃんと料理した白焼きは、蒲焼き以上にウナギ本来の滋味を堪能できる。
私の頭の中で開催されている「冷酒に合うツマミコンテスト」では、ここ30年ほど毎年1位の座に輝いているのが白焼きだ。
ワザビ醤油をちょろっとつけて口に放り込む。繊細な香りと上質な脂が口の中で官能的に広がる。ニンマリしながら飲み込んだ瞬間にキリっとした冷酒をあおる。
その瞬間が私にとっての至福の時である。多分死ぬまでコンテスト1位の座は変わらないと思う。
シメの鰻重サマである。白焼きがどんなに好きでも、やはり蒲焼きが出て来ないことにはウナギモードは完結しない。
こちらも至極丁寧に仕上がっていた。タレは少なめで、タレに頼り過ぎない正しい味付けが嬉しい。
全体に「丁寧」を感じさせるお店だった。近いうちにまた行きたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿