子どもの頃に衝撃を受けたものの一つがピーナッツバターの美味しさである。
フィレオフィッシュのタルタルソースも初めて食べたときは感動したが、ピーナッツバターはそれ以上だった。
子どもだから知らなかったこともあるが、40年以上前はさすがに今ほど食べ物がバラエティーに富んでなかった。
マックシェイクにもビックリしたし、カルピスソーダの登場にも驚いたほどだった。マウンテンデューもウマかった。
話がそれた。
甘いパンといえばクリームパン、あんパンが中心だったが、まるで異次元の味わいがピーナッツバターだった。
親に頼んで買ってもらっても、異様な量を塗りたくって怒られた。そのことがまたピーナッツバターの尊さを“増し増し”にした。
あんパンやクリームパン、メロンパンと違って、あれは自分で塗らないとならない。そのメンドーな感じも悪くなかった。
今ではランチパックシリーズのせいで普通にそのまま食べられるようになったのは便利だ。
熱く語っている割には、オトナになってからはすっかりピーナッツバターとご無沙汰していた。
ところが、最近、Amazonプライムビデオで映画「三度目の殺人」を観たことで、がぜん私の中のピーナッツバター熱が高まってしまった。
役所広司が演じた男が拘置所だったか留置所にピーナッツバターを差し入れてもらうと喜ぶ設定だった。
映画のストーリーには無関係なのだが、役所広司がコッペパンにピーナッツバターを塗って美味しそうに食べる姿が妙に印象的だった。
おかげで一気に私の熱が高まったわけだ。
当然のようにまとめて数種類購入して楽しんでいる。日頃、パンを食べる習慣がないので、酔っ払って帰宅した深夜にスプーンでゴソっとすくってピーナッツバターだけを食べることもある。
つくづくパンと一緒に食べたほうが美味しいことを実感するのだが、つい手が伸びてしまう。
最近は「ピーナッツクリーム」という商品のほうが主流みたいだ。製法が違うらしい。
昔の人間としては、あくまでピーナッツバターと呼びたいが、実際に食べ比べてみるとピーナッツクリームのほうがイヤらしい感じで、甘さも官能的でウマいからシャクである。
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