2020年1月20日月曜日

親バカとビジネス


この春から一人暮らしを始める娘の住まいが決まった。いわゆる女子学生専用物件である。

親バカである。普通のアパートでいいはずなのに、ついつい過保護になってしまった。

女子学生専用のセキュリティーなどが付いている物件で、当然男子禁制である。父親の私の入館にもあれこれ条件があるらしい。

一人暮らしの若い女性が、帰宅した際に暴漢に侵入され襲われるパターンのアダルト動画を日常的に見ている私である。やはり娘が住むなら男子が立ち入れない物件にしてもらいたい。

男が来ないのは安心といえば安心だが、肝心の娘が男の所に行ってしまえば同じである。まあ心配してもキリがない。

門限もあるようだが、門限を過ぎたからといって入れないわけではない。外泊届けも必要らしいが、具体的な運用がどの程度キッチリしているかは不明だ。

とりあえず、普通の賃貸物件より規則は厳しい。とはいえ寄宿舎のように制約だらけというわけでもない。

子供を心配する親に一応の安心を感じさせる物件というわけだ。いわば、親バカにつけ込んだ、いや、親心にうまく寄り添った仕組みの物件である。

賃料自体は近隣の賃貸物件とさほど変わらないが、管理費が妙に高く、礼金代わりの入館料や敷金代わりの保証料などもかなり高い。

契約内容も普通の賃貸物件より貸す側にかなり有利な内容だ。一般の賃貸物件であんな契約内容だったら、まず契約する気は起きない。

でも契約しちゃった。それが親バカというものである。娘が未成年のうちはそんな物件に入れた方が間違いないと思い込んでしまう。親にとって一種の自己満足なのかも知れない。



わが社も以前から副業的に賃貸物件を持っているが、過去には学生専用物件の運営を検討したこともある。

立地次第ではあるが、防音機能があれば音大生を筆頭に入居者が途切れないという話もある。

学生限定、とくに女子学生限定なら、スポンサーである親がとりあえず安心する材料になる。供給過剰のワンルーム物件の賃貸経営にとって、この部分だけでもアドバンテージだろう。

保証金の金額や退去期間の制限なども厳しく設定しやすいし、何よりある程度余裕のある親が契約者になってくれるわけだから、賃料滞納リスクも抑えられる。

なかなかウマいビジネスだと思う。

まあ、そんなことより娘の独り立ちが近づいているから、甘甘父ちゃんとしては出費がかさむばかりだ。

こういう流れになると分かっていたら、昨年の引越しの際に、娘と同居できる規模の物件にしておけば良かったと後悔している。

娘と同居なら私のフザけた日常も軌道修正されるだろうし、その分、寿命も伸びたかもしれない。

今の物件だとさすがに狭い。遠からず次の住まいのことも考えないといけない。来年には中古マンション価格が暴落するらしいから、真面目にあれこれ検討しようと思う。



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