もんじゃ焼き。謎めいた食べ物である。東京名物らしいが、根っからの東京人である私にとって無縁の食べ物である。
もんじゃ焼きが好きだと熱く語る人は私のまわりに一人もいない。世代の問題かと思って娘に尋ねてみたが、もんじゃが大好きという若者もいないらしい。
観光客のためのものなのだろうか。謎だ。一応、もんじゃファンもいるだろうから滅多なことは言えないが、誰がターゲットなのか昔から不思議だった。
今の住まいは、もんじゃの本場・月島から程近い距離だ。電車だったら隣の駅である。謎のもんじゃへの興味は募るばかりだったので、某日、娘に頼んで連れていってもらった。
一人で行こうとは思わない。だいたい注文の仕方も作り方も食べ方も不明だ。若者に頼るしかない。
黙々と食べてみた。人生初のもんじゃ体験である。人生で初めてという事実に感動した。でも残りの人生で食べる機会はなさそうだ。
昔の駄菓子屋にあったおやつが原型らしい。おやつだか食事だか分からないところが不思議だ。ファストフードの極みみたいなものだろう。
驚いたのは、店が混んでいると何から何まで客が自分で作らないといけないという点だ。
もんじゃやお好み焼きなら分からなくはないが、焼きそばやチャーハンまでセルフでやれと言われてたじろいだ。
凄い商売である。もんじゃは娘に任せたものの、焼きそばとチャーハンは私がせっせと作った。
店は材料を提供するだけだ。バーベキューの材料を用意するキャンプ場みたいな話である。
正直、ファミレスに行ったほうが間違いはないし快適だ。まあ比べる話では無いのかも知れないが・・・。
ファミレスに話を移す。ファミレスといえばロイヤルホストの美味しさには驚かされる。いつも同じようなメニューしか選ばないのだが、パスタなんかの味付けも本格的で満足出来る。
ファミレスの中では高級路線を歩んでいるようだが、多少値段は高くてもちゃんとしたレベルの料理が出てくるなら納得である。
日本に来る外国人旅行者はヘタな飲食店を探し歩くより毎日毎食ロイヤルホストに通ったほうが間違いないと思う。メニューは豊富で和食もある。
高級ファミレスといえば「肉の万世」に時々出かける。高級ファミレスというよりステーキレストランというジャンルかもしれない。肉料理全般のメニューが豊富だ。
ファミレスと比べると値段はやや高いが、赤身肉のステーキはかなり美味しいし、食べ応えのあるロブスターもあるし、粗挽きハンバーグなども肉肉しくて他では味わえない路線だ。
牛すじ煮、スペアリブ、コロッケなんかもあって酒のツマミにも事欠かない。昔ながらのベタなナポリタンにパーコーが載っかっているパコリタンというジャンクメニューが私のお気に入りだ。
カツサンドも当然作りたてで出てくる。ムホムホ言いながら頬張りたくなる味だ。こういうラインナップは子連れの時ならではの楽しみである。
気取った店でダンディーぶって過ごしている時には、ついつい渋いメニューを選びがちだが、男はいくつになっても子供っぽい食べ物が気になって仕方ないのも事実だ。
システマチックに一定水準以上の味をしっかり提供してくれるチェーン店の底力は侮れない。
そう思うと、チャーハンまで客に作らせるもんじゃ焼屋が繁盛していることが不思議でならない。謎は深まるばかりである。
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