2020年1月15日水曜日

高いから嬉しい!?銀座みかわや


年明け早々からサッポロ一番について熱く語っているようでは、富豪を目指す者として問題だから、今日はちょっと高いモノの話を書く。

食べ物に関しては、「高価イコール美味しい」という感覚がつきまとう。先日も千疋屋フルーツパーラーで2千円以上もするパフェを食べたのだが、案の定ウマいなあと喜んでしまった。

実際に美味しかったのだが、「千疋屋だから」「2千円だから」という高級な気分フィルターが一種の調味料になっていたような気もする。

高くてもマズいものはある。高いのにごく普通のものもいっぱいある。残念ながらそれが実態だ。あえて高値だから人気を集めるという現象だってある。

ウダウダ書いたが、高くてウマいものは、その値段を払ってまで食べたんだぜという喜びもスパイスになるのは確かだろう。

ニッポンの洋食というジャンルは外食のジャンルの中でも値段の判断が厄介だと思う。

ハンバーグ、エビフライ、クリームコロッケをはじめ、オムライス、ハヤシライス、ビーフシチューといった面々である。

街の定食屋でも普通に食べられる。その反面、老舗高級ホテルのカフェラウンジや銀座の資生堂パーラーみたいな高級店も存在する。

3千円ぐらいのピラフやカレー、5千円ぐらいのシチューやハンバーグも珍しくない。街の定食屋さんの750円のA定食に入っているものと同じでもまるで様相は違う。

個人的に「高い洋食」はとても魅力的だ。日本橋たいめいけんに行く際も、わざわざ値段の高い2階席に行きたがる。


ハヤシライスにウン千円払ったぜ、クリームコロッケがウン千円もしたぜ、という敗北感にも似た気分が一種の高揚感につながる。

一種のMである。700円ぐらい出せばウマいオムライスは食べられるのに2500円のオムライスに興奮してしまう。Mであり変態だ。

でも、オムライスにそこまで予算を投入できるほど、オレって食い物にはこだわりがあるんだぜ的なヘンテコな自己陶酔感も味わえる。

なんだか前振りが長くなったが、銀座にある老舗洋食店「みかわや」に久しぶりに出かけて、変態Mオヤジとしてハッピーな時間を過ごした。

銀座っぽい店の代表格だろう。この店、タンシチューは5千円オーバーだし、帆立のクリーム煮は4千円ぐらいする。洋食なのに気軽には行けない感じがM心をくすぐる。





グラタンにカニクリームコロッケ、ハンバーグである。どれも子供の頃に家で母親が作ってくれたものである。

ごくごく一般的な料理を高い値段を払ってまでムホムホ食べる。贅沢と言ってしまえばそれまでだが、これこそが高級洋食屋さんの醍醐味だ。

実際、味のほうも抜群だ。誰だって笑顔にしてしまう魔力がある。プロが本気で作る伝統の味である。ウットリした。



ハヤシライスも味のバランスが絶妙で、毎日でも食べたいと思えるほど。前菜の盛り合わせもすべて丁寧に仕上げられていたし、タルタルソースもさすがの美味しさだった。

安くてウマいのことは絶対的な正義ではあるが、高くたって構わないと思わせてくれる食べ物は大人の心の安寧に必要だと思う。

なんだか大げさだ・・・。



ちなみに、こういう老舗洋食屋さんのメニューで見かける昔ながらの変な料理表記も楽しい。

メニューを見てコロッケをクロケット、シチューをシチウなどと書かれているのを見ると、洋食ファンである私の気分はアガる。

「みかわや」の場合、ステーキがステーク、サラダがサラドだった。注文する際に口にするのが恥ずかしいから、その二つは頼まなかった。

サラド・・・、言えない。

2 件のコメント:

  1. 今年もよろしくお願いいたします。
    みかわや、前は通るものの、この頃はとんと行かなくなりました。
    資生堂にしても三笠会館にしても、変わらないモノがあるんですよね。なんか、それを確かめに行っているのではないかと、この頃思うようになってきました。
    コロッケやエビフライ、あの前菜盛り合わせなんて、呑まない子供のころでも楽しめましたもん。味と雰囲気、団欒がミックスされて思い出になっているんでしょうね。
    久し振りに、行ってみようという気になってきました。千疋屋もいかないなあ。

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  2. 佃在住さま

    今年もよろしくお願いいたします!

    変わらないものを確かめに行く感覚。。まさにそれなんでしょうね。

    サッポロ一番に夢中になってしまうのも似たような感覚かもしれません(笑)。

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