イクラ丼をむさぼる私である。私が愛する函館のイメージはこの画像の通りだ。かれこれ20回ぐらいは訪ねた街だから、カーナビを頼らずに運転できるぐらいには詳しい。
いつもイクラやウニをかっ込み、温泉に浸かりながら「津軽海峡冬景色」を歌うことが私にとっての函館そのものだった。
そんな私が10年以上前から気にしていた存在が「ラッキーピエロ」である。函館だけに点在する地域密着型のハンバーガーショップ、というかファミレス的な店である。
今や市内に17店舗もある。マクドナルドが6店舗だそうだ。まさに函館市民にとってのソウルフードである。
やたらと派手で賑やかな店造りでも知られる。そのうえ店舗ごとに内装が異なり、メニューにも一部違いがあるらしい。
通称は「ラッピ」である。函館通を自認する私だが、今まで未体験のままでやり過ごしてきた。
どうしたってウニ丼、イクラ丼、寿司、カニ、はたまたラーメンといった定番メシを優先していた。
「函館まで来たのにハンバーガーは無いだろう」という保守的な思い込みのせいである。
今回、そんな思い込みが無意味であったことをつくづく痛感した。今まで損していたと言ってもいい。
今なら声を大にして言える。「ラッキーピエロに行かなきゃ函館に行く意味はない!」。
ずーっと気にしていた店だ。待望の瞬間である。そんな気持ちで食べれば何でもかんでもウマく感じちゃう。そう思って何度も冷静に味わったのだが単純にウマい。
ドカ食いには最適な大学生の娘という相棒がいたので、あれこれと注文できた。
ラッキーピエロの名を一躍有名にしたのが「チャイニーズチキンバーガー」だ。「チャイチキ」である。
甘めのタレに漬け込まれた唐揚げがバンズに挟まれている。マヨ系のソースも相性バッチリで美味しい。日本全国のご当地バーガーコンテストで一位になったらしい。
このチャイチキの唐揚げはオムライスにも焼きそばにもカレーライスにもトッピングメニューに選べるから、まさにラッピの顔役である。
オムライスがまた良かった。ふわっとしたタマゴに意外にあっさりしたチキンライス。キチンと丁寧に作られている印象だった。
バンズ代わりにハンバーグの肉でソースや具材を挟んだヤケッパチみたいなバーガーもただただ肉肉しくて感動した。
若い頃に出会っていたら毎日食べに行ったような気がする。
初訪問の際のテーブルの景色だ。なんとも魅力的である。男の子のなれの果てである私にとっては胸がきゅんとする眺めである。
焼きそばは何の変哲も無い普通の焼きそばなのだが、そこがまた嬉しい。なかなか「普通」に出会う機会はない。
縁日の焼きそばだってマズいヤツは許せないほどマズいし、油がビチャビチャだったり、凝りすぎて意味不明な具材に麺が邪魔されているパターンが意外に多い。
その点、ラッピの焼きそばは正統派そのもの。思った以上にサッパリめで中高年だってドカドカ食べられる。若者だったらチャイチキをトッピングするのも大いにアリだろう。
旅行最終日、東京への飛行機が昼の12時発だったので、旅行最後の食事もラッキーピエロを選んだ。
朝10時から食べたカツ丼も正しくウマかった。味付けが強すぎず、これまた丁寧にキチンと作られている味だった。
2度の訪問ですっかりラッピファンになってしまった。定番メニューのうち、カレーまでは手が回らなかったのが残念である。次回のお楽しみだ。
ついでに言えば、ソフトクリームが物凄く美味しかった。想像だが練乳っぽい成分がキモになっている気がした。
ついでにレトルトや即席ラーメンといったお土産も買い込んでしまった。危うく?マグカップやキーホルダーまで買いそうになった。
というわけで、函館だけに3泊も滞在し、ウニやイクラなどの海鮮や評判の良いラーメンなども食べて“食い疲れ”するほどだったのだが、兎にも角にもラッキーピエロをしっかり体得?出来たことが最大の収穫である。
旅行中、何が一番ウマかったか娘に尋ねたら、帰ってきた答えは「ラッキーピエロのカツ丼」とのこと。4~5千円もするウニ丼も食べさせたのにちょっとビミョーだ。
ちなみに今回の旅で私が一番美味しく感じたのは、ラッキーピエロのオムライスである。
そんなもんである。
函館シリーズも前回は、美しいお嬢さんの映える優雅な風景の写真から始まったと思ったら、今回は風景もほぼない豪快な写真から始まるところが、いつもながらおおらかさを感じます。
返信削除コメントありがとうございます!
返信削除アマノジャク精神のせいで、どうにもスマートには出来ないみたいです。。