2021年1月27日水曜日

冬の喜び 日本橋 かに福

先日、初めて訪れたカニ料理屋さんが日本橋の「かに福」。コレド室町に入っている支店に行ってみた。

 

頭の中がカニでいっぱいの気分だったのに、いつもの「かに道楽」が満席だったのでネットで調べて行ってみた。

 

私が一番好きな毛ガニは用意されていないのだが、カニ気分を満足させるメニューが揃っていて充分堪能できた。

 



 

カニ料理というと妙に大袈裟で値段も高い店が多いが、こちらは実にカジュアルで店の造りも素っ気ないぐらいだ。

 

気軽にカニを楽しむには使い勝手が良い店だと思う。ウリはほぐしたカニ身をドッサリ載せた「御かにめし」。

 

出汁をかけて食べるのがオススメらしいが、そのまま食べても美味しかった。カニ身がふんだんに使われていて嬉しい。

 

私の場合、カニは食事というよりも酒の相棒という認識なので、かに飯以外の一品料理もアレコレ注文した。

 





 

タラバの刺身、ズワイの刺身、カニ味噌甲羅焼きなど肴にまったり燗酒を飲む。冬ならではの幸せを感じる。

 

写真は撮りそびれたが、焼きタラバ、かにしゃぶも注文してカニ三昧の時間を過ごした。

 

メニューをじっくり吟味していたら「つめ酒」がオススメされていた。焼いたカニツメが燗酒に投入されている。

 

ヒレ酒みたいなノリだ。香りを楽しむ麗しの飲み方である。迷わず注文。素直にウマかった。

 



 

もう15年ぐらい前になるだろうか。北陸までカニを堪能しに出かけた際、橋立漁港近くの料理屋さんで出されたスペシャルなカニ酒を思い出した。

 

そこのカニ酒は、ジョッキぐらいの大きさ容器に食べ終わったばかりの焼きガニの脚の殻を3本、4本、5本とぎゅうぎゅう詰めにして熱々の酒を投入するワイルドなものだった。

 

注がれた酒は琥珀色に悩ましく変化し、カニの香りが官能的に際立つ極上の味わいだった。

 

この日の「つめ酒」はホンノリとカニ風味が漂うぐらいだったが、まあこれはこれで上品な趣で充分美味しかった。

 

意外だったのがカニクリームコロッケだ。このブログでも何度も書いてきたが、私はいわゆるニッポンの洋食の大ファンである。あちらこちらでウマいクリームコロッケを食べているが、この店の一品は洋食の名店もビックリの美味しさだった。

 



 

かにの身もしっかり入っていたし、揚げ加減が絶妙。やや大きいので若者向けだが、丁寧に作られている印象で感激した。

 

思えばその昔、カニに詳しいオジサンになりたいと一念発起してカニ研究に励んだ時期があった。もう20年近く前のことだ。

 

毛ガニだズワイだタラバだ、はたまた越前ガニ、松葉ガニ、香箱ガニだなんだとアレコレ言われてもサッパリ分かっていないことが悔しくて、それこそ全国各地に出かけてカニを食べまくった。

 

一応、基本的な知識も身につけ、自分の好みも確立したが、気付けば以前ほど強いこだわりは無くなった。良い意味で歳を重ねたことで大らかになったのだろう。

 

今の私は相変わらずウンチクをグダグダ言いたがるが、そこそこマトモなカニならウダウダ言わずに喜んで食べる。

 

カニ攻めにおいても肩の力が抜けてきたわけだ。良いことだ。そのほうが自分自身、気が楽である。

 

以前ならこの店のことも「毛ガニが置いてないなんて話にならんぜよ」などと思っただろうが、かに飯とクリームコロッケにすっかりKOされた。近いうちにまた行く気満々である。

 

カニの刺身を味わい、カニ味噌に悩殺されながらカニ酒に酔い、カニクリームコロッケで“味変”して、カニしゃぶを頬張り、カニ飯で締める。

 

なんともハッピーな日本の冬の楽しみ方だと思う。

2 件のコメント:

  1. カニクリームコロッケサンドイッチの大ファンですが、邪道でしょうか?

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  2. コメントありがとうございます。

    クリームコロッケサンド、いいですね!

    食べたことはないですが、メンチカツサンドのようにソース必須だと凄くうまそうです。

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