私のお宝グッズである。ハマショー師匠だ。コンサートトラックのミニカーと熱唱する師匠のキーホルダーである。
「浜田省吾」を知ったのは中学2年の頃。もう40年以上前のことである。当時、広島出身の大学生が家庭教師として週に一度わが家に来ていたのだが、彼が同郷のハマショーを私に勧めてきたのがきっかけ。
家庭教師と一緒に彼が持ってきたカセットテープを聴きながら「いいですね~」「最高ですね~」などと必死に気に入ったふりをした。勉強の時間を少しでも減らしたかったから調子を合わせたわけだ。
そのうち何となく耳に残るようになり、率先して聴きこむようになった。以来、40年以上にわたって私の人生を側面支援?してくれているのがハマショー師匠の楽曲である。
ハマショー師匠といえば、その昔、ダウンタウンがネタにしていたことで知る人ぞ知る。「ハマショーだらけの野球大会」は傑作だった。残念ながら著作権の関係か今では音声がカットされて興ざめだが、「ハマショー積載事件」のほうはしっかり見られるので嬉しい。
ハマショー積載事件
https://www.youtube.com/watch?v=Q3tZPFVLr1U
ハマショーだらけの野球大会
https://www.youtube.com/watch?v=AEXTbVRaHvE
中学生の頃は師匠のデビュー曲である「路地裏の少年」や「反抗期」「独立記念日」「壁に向かって」といった鬱屈青春モノにシビれた。
路地裏の少年
https://www.youtube.com/watch?v=yeFEzyYoq0A&list=RDbGSCUbvgU8M&index=13
その後、フォークとニューミュージックのどっちつかずみたいな迷走時代も飽きずに聴き続けた。カップヌードルのCМソングでちょっと世間に名が知られるようになったのが今から40年ほど前である。
風を感じて
https://www.youtube.com/watch?v=WCtBw_1zjVQ
他にも「もうひとつの土曜日」「悲しみは雪のように」など良く知られているムーディー?な曲なども聴き込んだ。
バブルの頃、テカテカしたオヤジが得意になって「もうひとつの土曜日」をオネエチャン相手に熱唱しているのが物凄く不快だった切ない思い出もある。
その後、師匠はロック調の路線を固めるようになり、経済成長ニッポンを象徴するように「終わりなき疾走」という曲のレコーディングではギターにあのスティーブ・ルカサーを起用したこともあった。
終わりなき疾走
https://www.youtube.com/watch?v=YS5v_DAXTzw
社会人になって数年が過ぎ、諸々の葛藤があった頃の私に刺さったのが名曲「J・BOY」である。学生気分が抜けきらなかった私の鬱屈を振り払ってくれたような曲だ。
ここに貼り付けたライブ動画はハマショー師匠がほぼ還暦ぐらいの頃だ。エネルギッシュさに感服する。
J.BOY
https://www.youtube.com/watch?v=7dUfaCD5Y0A
その後、オトナ生活を歩む私はさまざまなシガラミに混乱したり、個人的にシンドイ思いに沈んでいくこともあった。そんな時には「家路」という曲に勇気をもらった。いろんな意味で背中を押してもらった一曲である。オヤジバンドを作って初めて人様の前で歌った際にもこの曲を選ばないわけにはいかなかった。
ちなみにここに貼った「家路」の動画は、ミスチルの桜井和寿とチャリティー系のフェスで共演した際のもの。演奏終了後、桜井&小林武史と挨拶を交わすハマショー師匠がカッチョよくてシビれる。
ハマショー師匠がステージを後にした直後、次の演奏で桜井クンが感激のあまり泣いちゃったのは知る人ぞ知る話。
家路
https://www.youtube.com/watch?v=12rOfYTPuhs
わがオジサマバンドの楽曲選びでは、ついついハマショー師匠のカバーをやりたくなるが、コピーバンドっぽくなるのもイヤなので、あえて避けるようにしている。とはいえ、5~6年前に私が突然ギターを買ってギター教室に通い、初めて人様の前でギターをかきならしながら歌った曲は師匠の「Walking in the rain」である。
軽快な感じの楽曲だが、歌詞の内容は暗い。私向き!である。居場所が見つからない男が、結局は一人きりなんだなあと達観している感じである。
♪ 時々誰かのぬくもり
慰められて泣きたくなるけれど
But I`m walking in the rain
I`m just walking in the rain
ひとりきりさ いつだって I`m just walking in the rain ♪
ちなみにギターコードは非常に簡単だ。器用な人なら初めてギターを手にしてから2か月もあれば弾けると思う。
Walking In The Rain
https://www.youtube.com/watch?v=0JnG_mDnknU
そして中年時代を迎え、こんな私ですら大げさに言えば生きているのが辛く感じた場面があった。過ぎてしまえば何でもないことだったようにも思えるが、渦中にある時はキツい時間に押しつぶされそうになったが、やはりハマショー師匠の「日はまた昇る」という曲が前進を手助けしてくれた。
♪ 荒野にひとり君は立ってる
行く道はいくつもある
だけどたどりつくべき場所は
きっとただひとつだけ
どの道を歩いていこうと
君は君のその人生を受け入れて楽しむ他ない
最後には笑えるように ♪
文字にしてしまえばそのまんまでがあるが、とても心に刺さって大いに勇気づけられた。
すべての中高年に刺さる歌だ。若者の音楽だった邦楽ロックが年月を重ねて熟成し、大人のロックとして結実した一種の完成形だと思う。
下に貼った動画は歌詞も流れてくるので、ぜひじっくり聴き込んで欲しい名曲だ。
日はまた昇る
https://www.youtube.com/watch?v=Ud3zB29pbg4
他にも離婚しちゃった中年男の切なさを歌にした「花火」や、それに対する一種のアンサーソングのような「五月の絵画」など私の心を揺さぶる歌はたくさんある。
なんだかキリがなくなってきたが、最近はYouTubeでも気軽に師匠のライブ動画を見られるので実に便利である。
今でも月に2,3回息子としっかり遊ぶ日には、直訳すれば「私は父だ」という曲の動画を見てから気合を入れて出かける。映画のようなこのビデオの時任三郎がなんとも味わい深くて好きだ。吹越満もなかなか渋い。
I am a father
https://www.youtube.com/watch?v=IIqi3YVC-Bg
思えば40年以上にわたって一人のミュージションの楽曲に自分の歩んできた年月を重ね合わせられるのは幸せな事だ。
少年時代の葛藤から大人時代の葛藤、そして中高年になっての達観まで、時系列でさまざまな曲が当てはまる。中学時代のあの家庭教師には感謝しかない。
あいみょんも聴く、YOASOBIも聴く。でもやはり私のベースにはハマショー師匠の音楽がデンと真ん中に居座っている。
最近のお気に入りが、師匠を師匠たらしめている一曲だ。愛だの恋だのだけではなく、戦争や災害を踏まえた硬質なメッセージソングをしっかり作ってくれるところが長く第一線を走り続けている隠れた理由であることは確かだ。
アジアの風 青空 祈り part-2 青空
https://www.youtube.com/watch?v=k2ddP_T87yM
我々が10代の頃、
返信削除Don’t trust over 30!(確か元ネタは洋楽)
とライブで言ってたハマショー師匠も今や68歳。
感無量でございます。
館長さま
返信削除「とうとうオレも30になっちまった」ってやつはですね。あれから40年近く経つわけだから、そりゃあこっちも歳取りますよね!