夜遊びとご無沙汰気味のせいで自炊っぽいことをする機会が増えた。近所での外食やウーバーが多い日常だが、たまに自ら調理の真似事をするのも悪くない。
私のモットーは包丁とまな板を使わないことである。必死に料理に励むと何かに負けたような気がするからあくまで安直に仕上げるのが基本だ。
米を炊いて豚肉を焼くという定番のお手軽メシの他に、最近しょっちゅう作るのがソーメン炒めと炊き込み飯である。いずれも包丁もまな板も不要である。
ソーメン炒めは沖縄チックなものではない。味付けもいつもテキトーだ。具を入れずに塩胡椒だけで炒めてウスターソースをかけて食べるヘンテコなパターンの他、缶詰のコンビーフやツナ缶を具材にして適当なタレをまぶして炒めるパターンなどさまざまだ。
後片付けも簡単、洗い物も少なく簡単便利の極みである。味のほうは絶品というほどではないが充分に美味しい、ソーメンが部分的に焦げちゃっているのも程良いアクセントだ。
ソーメンはクセが無いから失敗しようがないのが嬉しい。ソース味、そばつゆ味、はたまた適当な肉料理用のタレを使ってもそれなりに味がまとまる。具材もちゃんとした肉でも入れれば一応はご馳走的な雰囲気にもなる。
缶詰だって一缶1000円超えの高級コンビーフを使えば一気に気分がアガるし応用の幅が広いから楽しい。エンゲル係数を無視してシングルライフを長年楽しんできた私の得意料理?である。
お次は炊き込みご飯である。なぜかこの頃はタケノコご飯にハマっている。凝り性な性分のせいか、この2週間ぐらいで5回ぐらいは作っている。
ただ、市販品はほぼ間違いなく味が薄い。料亭の味といえば聞こえが良いがボンヤリした冴えない味のものが多い。それが本来の炊き込みご飯なのかも知れないが私の好みではない。
子どもの頃、実家で食べていた炊き込みご飯は黒に近い茶色で味もしっかり強めだった。まさに東京下町的な濃い味の逸品だった。タケノコご飯だって焦げ茶色でどことなく甘めの味付けだった。
おかずが不要なぐらいしっかりした味付けが私が目指すタケノコご飯である。だから市販品の味付けに追加で醤油やみりんを足して味を濃くするのがいつものパターンだ。
市販品の場合、具材のタケノコの量がシャバダバである。なんであんなにケチケチするのだろう。値上げして構わないからタケノコ特盛りバージョンがあってもいいと思う。
というわけで追加のタケノコがわが家では必需品だ。包丁もまな板も使わないポリシーだからこれまた市販品のタケノコ土佐煮などをハサミで適度なサイズにちょん切って加える。
上の画像は市販品だけでそのまま炊きあげた場合と別盛りタケノコを足した場合の完成状態の比較である。タケノコご飯は具材が多ければ多いほどウマい。
タケノコご飯の素にタケノコを追加投入するだけでなく、別の炊き込みご飯の素にタケノコを乱入させるのもオススメだ。松茸ご飯の素やシメジご飯の素などタケノコと相性が良さそうなものなら何でも構わない。
上が松茸ご飯の素、下がシメジご飯の素にタケノコを乱入させて炊きあげた画像だ。どこをどう探しても松茸が見当たらないミミっちい松茸ご飯の素は論外だったが、2合用で800円ぐらいだったシメジご飯の素はなかなか良かった。
追加タケノコを加えた市販品の炊き込みご飯の素をお釜に入れてスイッチ一つで完成するわけだけだから実に安直な自炊モノである。私は日本酒をチョロっと入れて醤油を2~3回し分ぐらい足して、みりんをドバっと投入するから水加減には神経を使う。
炊き込みご飯のコメが柔らかかったら一口食べて残りは全部捨てたくなる。大きな声では言えないが実際に捨てたこともある。
うまい具合の硬さに仕上がった時は飛び上がるほど嬉しい。幸せの絶頂だ。しかし、3回に1回は硬すぎて失敗する。ボリボリ飯である。
残念無念な気分でリベンジを誓うわけだが、どんなにボリボリに硬くても結局すべて食べちゃう。ヤワ飯よりは百倍マシだ。「ウ~ン、アルデンテだぜ!」などとつぶやきながら負けを認めずに食べ続けている。
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