2022年10月7日金曜日

茶色に恋して


昔々、「オレンジ色の憎いヤツ」というキャッチフレーズのCMがあった。確か夕刊フジのCMだったと思うが、妙に頭に残るフレーズだった。今でもオレンジ色のものを見るとつい口にしたくなる。

 

そんな私がいつもつぶやくのが「茶色の憎いヤツ」である。ウナギだろうが焼鳥だろうがカレーライスだろうがウマいものは茶色だ。サラダなんかの対極にある色合いである。

 


 

外食の際の楽しみは連れの女子の脚線美をこっそり覗き見することだ。いやいやそれはウソである。やはりウマそうな茶色の食べ物を凝視することが楽しい。

 

茶色の総本家みたいな存在が揚げ物である。トンカツを筆頭に男メシに茶色い揚げ物は欠かせない。逆流性食道炎という持病に加え年齢のせいで胸焼けが日常茶飯事の私としては避けた方がいいのだろうが、今も茶色い揚げ物には首ったけである。

 

天ぷらを滅多に食べなくなって久しい。理由は「揚げ物だし胸焼けしやすいから」である。なのにトンカツ的茶色フライから逃れられないのはナゼだろうか。我ながら謎である。

 

もしかすると天ぷらだと茶色の加減が弱いからかもしれない。ちょっと頼りない色合いよりもズバリ茶色のフライのほうが潔い?感じがする。とにかく天ぷらよりトンカツのほうが胸焼けしない。思い込みのせいだろうか。

 




 

東銀座にあるトンカツ「はせ川」のメンチカツと極厚ロースカツ、シャトンブリアンである。画像を見るだけでムホムホする。もはや私にとってはエロ画像よりも興奮できる見た目だ。

 

厚切りロースを上手に揚げたカツのジューシーさが抜群なのは言うまでもない。極上のヒレ肉がしっとりした食感の揚げ加減で出てくるシャトンブリアンは卒倒するレベルだ。そんな主役の陰に隠れるような脇役的存在のメンチのウマさも特筆したいレベルだ。

 

メンチカツはどことなくマイナーな存在である。合成肉であるという出自?のせいもあるが、親戚であるハンバーグに比べて主役になれない哀しさのような雰囲気が漂う。

 

そんなメンチカツも真っ当な洋食屋や真っ当なトンカツ屋だと主役級の美味しさになる。

 

怪しい居酒屋で食べるメンチカツだと「この肉、いったい何の肉か?猫かネズミか?」と心配になるが、一定のクラスの店のメンチは脇役扱いするのが惜しい美味しさだ。

 



 茅場町近くにある洋食の老舗「津々井」のメンチカツだ。ムギュっと締まった食感のハンバーグを出す店だけにメンチカツの肉の凝縮感も独特だ。デミソースで味わう本気な感じ?がまた良い。

 

メンチカツに限らずエビフライの茶色い風情もまた魅力的だ。エビの天ぷらも捨てがたいが、あの上品な風貌とは異なりエビフライは見た目が攻撃的である。おまけにタルタルソースという援軍が加わる。ファンタスティックである。

 


 

タルタルソースだけでなくちょこっとソースも付けて味わうエビフライの美味しさは身震いしたくなるほどだ。いつの日かエビフライだけを10本ぐらい一気に食べてみたいというのが私の秘かな夢だ。

 

時々、タルタルソースが用意されていないエビフライと遭遇する。これが何となく淋しい。タルタルに頼らずエビフライそのものを味わって欲しいという店側の意図かもしれないが、タルタル人を自認する私にとってはツラい。

 

レモンだけ絞って味わうエビフライも確かに美味しいのだが、醤油を付けずに寿司を食べちゃったときのような残念な気持ちになる。

 



 

こちらは人形町にあるトンカツの人気店「かつ好」のエビフライと別格ヒレカツ。これまた麗しき茶色である。この店のトンカツはロースもヒレも最上級クラスを「別格」と名付けている。

 

以前、別格ロースを食べたのだが個人的には脂身が多すぎる印象があったのでこの日は別格ヒレを注文。4千円ぐらいの値付けだったからもちろんマズいはずはない。やはり高級志向のトンカツの場合、ロースよりヒレを注文するのが間違いない。

 

トンカツに関しても5年ぐらい前までは評判の良い店をアチコチ訪ね歩いたが、最近は開拓精神が弱まり知っている店ばかり行くようになってしまった。こういうブログを書いている以上、もっと新店開拓にも励むべきだと感じる。

 

頑張らねば。

 

 

  

 


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