2024年6月14日金曜日

ワイン問題


このブログでしょっちゅう酒を飲んでいるような話を書いているが、実はそんなに酒好きというわけではない。一週間ぐらい一滴も飲まないこともある。タバコか酒のどちらかをヤメなきゃならなかったら迷わず私は酒をヤメる。その程度である。

 

そうはいってもいっぱしの大人だから酒にはそれなりにこだわりもある。何よりも食べ物との組み合わせにはうるさいほうかもしれない。逆に言えば食べ物と合わない酒を選ぶ人を見るとゾワゾワした気持ちになる。

 

何を食べて何を飲もうが人様の勝手だが、例えば寿司に紹興酒を合わせている人がいたら、きっと私はその人の生き様が気になって眠れなくなるはず。さすがにそんな人はいないか。

 

以前からひっかかっているのがこの国におけるワインの位置付けだ。ウン十年前のワインがまだ手に入りにくかった時代ならともかく、いまだにワインについては何か特別でワンランク上のたいそうな酒という“呪縛”みたいな空気感が強いように思う。

 

もちろん、奥の深い世界だし、マーケット的にも全世界が相手だし高尚なウンチクが山ほどあるのは理解している。凄い一品は凄いのだろう。とはいえ、一般の日本人が普通に接しているワインの大半はそんなに凄い銘柄ではないだろう。

 

なかには安酒としか言えないようなものも珍しくないが、そんなものまでひっくるめて“ご立派な酒を飲んでます”みたいな様子でいる人を見ると、やはりゾワゾワした気持ちになる。

 

まあ、確かにシャレたイメージが根強いのは確かだろう。ワイングラスのデザインも素敵だし、何よりも「響き」がカッチョよく聞こえる。

 

カベルネ・ソーヴィニヨンだ、ピノ・ノワールだ、シャルドネだなどと言われると何だか黙ってうなずかなきゃいけないような気分(笑)になる。

 

日本酒ならこれが山田錦や五百万石、美山錦になるし、芋焼酎だったら金時芋や黄金千貫である。響きに関していえばどことなくお相撲さんの名前みたいである。オシャレ対決?では勝ち目がない。

 



先日、つきあいで神楽坂のシャレた焼鳥屋さんに行った。あえて店名は伏せるが「ウチはワインがウリで料理もワインに合わせた味付けです」と得意げに語られてしまった。間違っても自分では選ばない店である。

 

普段なら「いやいや、焼鳥でしょ?酒か焼酎ください」と言ってしまうところだが、この日はさすがに我慢して店の言いなりになってみた。ちゃんとワインもアレコレ3種類ぐらいは飲んだ。

 





普通に美味しい焼鳥と普通に美味しいワインだった。ワイン好きな人にとってはなかなか魅力的な店だと思う。私としてはちょっと消化不良である。どこか物足りない。やはりウマい焼鳥なら違う酒で味わいたかったという保守ゴリゴリの感想しか出てこない。

 

焼鳥のタレもちょっと独特であくまでワインを相手にする前提での味付けだった。画像にはないがチーズの串焼きが出てきたが、それはさすがにワインにバッチリだった。

 

世の中にワインが大好きな人がいるのは理解しているが、個人的にいつも思うのは、和食との組み合わせを一生懸命考えるなら普通に西洋料理を食べたほうがいいという単純な事実だ。私だってベシャメルソースには白ワインを合わせたくなる。でも和食に合わせたくはならない。

 

ウナギに合うワインとか蕎麦に合わせるワインはこれだ、みたいな読み物を目にすると「何じゃそれは?」とつぶやいてしまう。物事は進化するものだし、時代も変わっていくものだが、ことワイン問題?に関してはどうなんだろう。

 

お寿司屋さんの中にもワインを前面に押し出してくるような店があるが、あれも私に言わせればビミョーだ。もちろん、私の個人的意見である。人の好みをウダウダいってはいけないが「寿司とワイン」には昔から個人的に違和感がある。

 

そりゃあ白ワインとの相性が悪くないネタはいっぱいある。でも私に言わせれば「強いていえば合う」という感覚だ。日本酒や焼酎との相性に比べれば、わざわざ合わせている感じとでも言おうか。どうもシックリこない。好きな人には不快な書き方になってごめんなさい。

 

大げさに言えば、多くの日本人の心の片隅に“ワイン崇拝主義”みたいなヘンテコな思い込みが染み込んでいるような気がする。これも広くいえば島国根性の一種なのだろうか。

 

ちなみに、その昔、前の奥さんとワインをめぐって言い合いになったことがある。ソムリエ資格を持っていた元嫁さんだから当然ワインには詳しかった。

 

なめし革がどうの、枯れ葉が焦げたような等々、ワインを表現する用語は独特である。そんな言葉を連発されたせいで「今までなめし革や枯れ葉を食って生きてきたのか?」と言い返してイヤ~な空気になってしまったことがある。

 

私もつくづくイヤミな男である。そんなトラウマもあって私はワインをついついナナメ目線で見てしまうのかもしれない。

 

ワインファンの皆様にはちっとも楽しくない話でスイマセンでした!

 

 

 


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