2024年9月2日月曜日

飲んだ後のシメ


酒を飲んだ後にラーメン。これって戦後ニッポンのオヤジ達にとって一種の決まり事みたいなところがある。アルコールで疲れた肝臓は脳に糖質を補充するよう指令を出すらしいから「シメのラーメン」は理にかなった話だとか。

 

私の場合、シメのラーメンならぬシメの牛丼を食べてしまいがちだ。麺も好きだがコメのほうがもっと好きだから牛丼の頭の大盛りに加えて牛皿まで別注するようなスットコドッコイ的な食べ方もしてしまう。

 



食後に必ず後悔の念に襲われるのだが、酒に酔うと正常な判断が出来ないから仕方がない。いつも正常な判断ばかりしようと奮闘努力している真面目一本槍の私?だから時にはこういう脱線もしたくなるのだろう。

 

もちろん、シメに麺類を選ぶこともある。先日はかなり満腹だったにも関わらず冷たい麺が無性に食べたくなった。銀座の外れにいたのだが、通りすがりの「紫龍」という店に吸い込まれて冷やしつけ麺を注文。

 

満腹なのにナゼか大盛りを頼んでしまうのが私の悪いクセだ。どんなジャンルにおいても「並」を頼むことは私にとって敗北である。牛丼にしても特盛を基本に最低でも頭の大盛りを注文する。「並」を頼むようになったら男がすたるとさえ感じている。バカである。

 

 


 

キンキンに冷えた麺が心地よかった。つけ麺というジャンルに違和感を持ち続けている偏屈な私だが、冷たい麺に冷たいつけ汁だったら素直に美味しいと思う。ソーメンやもりそばと同じ系統である。

 

別な日、バンド練習の飲み会の後に怪しげなつけ麺にトライしてみた。赤坂の「ホルモンらーめん8910」という店だ。熱々の付け汁の中にブヨブヨのマルチョウみたいなギトギト系ホルモンが何個も入っていた。

 

中途半端な辛さのつけ汁に冷めた麺である。私が苦手なパターンだったのだが、麺自体は美味しかったので、つけ汁に麺をちょっとだけつけるように食べた。ホルモンはギトギトだったから残した。

 


 

これで1300円である。なんともビミョーな値付けだと思う。一緒にいた友人が頼んだ普通のホルモンラーメンは990円。つけ麺スタイルにしただけで3割アップである。つけ麺はラーメンより高い値付けにすることがそっち業界では定番になっているのだろうか。

 

飲んだ後の麺というとナゼか蕎麦やうどんを選ばない。我ながら不思議だ。きっと「油っぽい」という要素を求めてしまう不良性感度みたいな心理が影響しているのだろう。もりそばがシメだと何だか優等生みたいである。無頼漢になれないくせに無頼を目指すような感覚か。

 

もちろん、最初から蕎麦屋で過ごしていれば蕎麦をとことん食べてオシマイである。その後に別な店でシメの麺類を食べる気にはならない。当たり前か。

 

昨年から日本橋に住み始めたせいで界隈にいくつもある蕎麦の老舗や人気店をあれこれ訪ねてみた。どこもそれぞれ美味しいのだが、いまだに以前住んでいた場所の近くにある蕎麦屋までわざわざ出かけてしまう。築地の外れにある「さらしなの里」である。

 

とくに風情のある店ではない。悪くいえばどうってことのない造りでごく普通の街場の蕎麦屋といった構えの店である。でも何となく落ち着くし、一品料理メニューが豊富で天ぷらもウマい。肝心の蕎麦も安定の美味しさだ。

 

蕎麦の人気店の中には一人前の量が異常に少ないところが少なくない。冗談かと思うようなこともある。それに比べてこの店は真っ当な量で出てくるのが良い。一品料理をアレコレ食べた後に蕎麦を2種類注文したらちょっと苦しくなるぐらいだ。

 



 

この日は天ぷら、そばがきの他に鴨焼き、だし巻き卵などを注文。だし巻き卵はほんのり甘めの味付けが嬉しい。東京の卵焼きは甘くないと正しくない。これは大事なポイントだ。

 


季節の変わり蕎麦も楽しい。今の時期はさらしな蕎麦に紫蘇が混ざった紫蘇蕎麦だった。連れが頼んだので一口もらったが定番化してほしいぐらいウマかった。

 


 

蕎麦の種類も豊富でいろいろ頼んでみたい気持ちはあるのだが、いつも定番で済ませてしまう。十割蕎麦と二八蕎麦である。つゆは辛口で濃い。正統派の東京の蕎麦だ。蕎麦で腹がパンパンになるのは結構幸せなことだ。

 

シメのラーメンをあれこれ語ろうと思ったのに結局は蕎麦讃歌になってしまった。


ちなみに冷たい麺ではないが、期間限定で「やけくそチャーシューラーメン」が復活するという通知が届いた。


喜多方らーめん「坂内」の幸福の極み麺?である。前回のキャンペーンの際はインスタの画面を見せないと注文できないようだったので、わざわざ友達登録して職場の近くの店舗でトライしてみた。




友達登録のおかげで今回の通知が来たわけだから食べに行かないわけには行かない。いつまで経ってもチャーシューが無くならない幸せを味わいに行こうと思う。さすがにこればかりは飲んだ後のシメには無理だ。キチンとしたディナーとして攻めに行くうもりだ。











 

 

 

 

 

 

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