冬の定番になったダウンコート。今ではすっかり軽量化も進み利便性が向上した。コンサバな私はなんとなく昔ながらのごっついダウンしか持っていない。コンサバというか単に時代遅れなんだろう。
時々、オネエサンがたの洒落たダウンをハンガーにかけようとしてあまりの軽さにビックリする。その都度自分のコートの重さがマヌケに感じる。
コートは重くてナンボじゃい!などと心の中でつぶやく私の感覚は昭和のままで思考停止しているようだ。そりゃあ軽くて暖かいならそれに勝るものはない。
しかし、しかしである。いまだに寒い季節はキチンとスリーピースのスーツにネクタイを締めているコンサバな私は普段着の場面以外ではコートも重厚感のあるものを選びたくなる。
近頃はスーツ姿の男性陣もお尻が隠れる程度のショートコートばかりのようだが、私の場合、スーツの時にはロングコートしか着ない。一応オレ流である。長年そのスタイルを貫いている。
グレー、キャメル、黒のロングコートを基本にしているが一番のお気に入りが黒のカシミアである。10年、20年経っても飽きないものを作ろうとだいぶ前にフルオーダーで注文した。
このブログを遡って調べたら15年近く前のことだった。カシミア生地でトレンチ仕様のコートを作ってくれる業者が意外に見つからずにちょっと厄介だった覚えがある。
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2010/12/blog-post_15.html
長さは膝下までにした。時おり階段で引っかかりそうになる。タクシーに乗り込んでも閉まるドアに挟まりやすいのが難点だが、それがまた愛着に繋がっている。
アマノジャクを美徳だと考える私としては、扱いにくいコートをまとうことが「オレってこだわりの男なんだぜ」と粋がっているようで悪くない。ご苦労なことである。
そのコートを作る時にはコスト度外視で生地を選んだので必然的に重くなった。普段ウルトラライトダウンを愛用している人に着せてみたらおそらく肩こりバリバリになるような気がする。
作ってから10年近くになるかとは思っていたが、もう15年にもなるという現実にビックリした。毎年寒い時期にはよく着用しているのにちっともヨレてきた感じはない。
実用性も高い。トレンチだから内側のポケットも巨大で女性のハンドバックと同じぐらいの容量は余裕で確保されている。タバコを4〜5箱入れたぐらいでは余裕のよっちゃんである。生地の厚みもあるせいで変に膨らんで見えることもない。
オーダーする際、テーラーさんが手抜きしないように「一生モノにしたいから丁寧によろしく!」と気安く伝えた。その時はとくに10年先のことすら考えていたわけではないのだが気付けば15年だ。どうやら本当に長い長い付き合いになりそうである。
15年以上同じ服を着られるのは体型を維持してるということなので、その点でも素晴らしいです。
返信削除さすがにコートのサイズまでは変わりませんが着実に脂肪は増えた気がします
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