2013年9月6日金曜日

貞子になって救急車を呼んだ夜


救急搬送。なんだか大げさだが、今週初めに人生初の救急車体験をしてきた。

子供の頃、自転車で走行中、バキュームカーにはねられたことがある。よりによってバキュームカーだ。運転していた人は私への見舞いにバキュームカーのミニカーを持ってきた。ビミョーかつシュールな思い出である。

いきなり話がそれた。

バキュームカー事件の際はパトカーで病院に連れて行かれたので、先日の救急車は初めての経験である。ブロガーとして記念に写メを撮りまくりたかったが、実際はそんな余裕はカケラもなく、ただただ七転八倒、のたうちまわっていた。

原因は「石」。尿路だか尿管に迷走中の石があって、ありえないほどの痛みを誘発してドタバタしてしまった。

夜の11時頃から急にお腹の調子がおかしくなり、食あたりか何かかとタカをくくっていたが、そのうち吐き気も強まり、自分の身に何が起きたかしばし悩む。

12時ぐらいから唸り声が出始め、深夜1時ぐらいに、いよいよヤバい感じになり、フラフラしながらネットで症状を調べたら、どうも結石の可能性が高い。

結石経験者に聞いていた話とも似ているし、以前、前の嫁が深夜に「ホラー映画の貞子みたいな状態」でうなっていたのも結石だったから、いよいよ自分もストーンズファミリー?の仲間入りだと確信する。


前の嫁に「うるせーな、どうせ食あたりだからおとなしく寝てろ」と冷たく対応したことを思い出し、因果応報という言葉を思い出す。

それにしても痛い。自分では割と痛みに強い方だと思っていたが、まったくダメである。不思議なもので、ひとり寂しくのたうちまわっていると、ネガティブシンキングの塊になる。

「結石じゃなくて、突発性の重度の難病だったらどうしよう」、「痛みがどんどん強まってショック状態になったら誰が発見してくれるだろう」。おまけに「死んじゃったら部屋にあるヤバいものを隠せない」、「遺言を書いておいて良かった」などと悶々とする。

それでも我慢を続けてみる。吐くと一瞬ラクになったように錯覚するから、そのうち良くなるだろうと解釈する。でも痛みは増すばかり。白目半分みたい状態でゾンビみたいな状態になる。ちょっと我慢しすぎた気がする。我慢は無意味だった。

で、2時過ぎに救急車を呼ぶ。周囲の目も気になるし、それこそ這いつくばりながらマンションの玄関まで出て行く。ほとんど「貞子状態」である。

救急車はさっさと出発してくれずに、しばしあれこれ聞かれる。血圧は200突破。やばいやばい。痛みのせいで過呼吸になって、手足もしびれ始める。どこの病院に行くか、救急隊の人と相談。そんなこと聞かれたって判断できない。

で、東京女子医大病院に運ばれた。私のジイさんやバアさんが最期を迎えた病院である。ちょっとビビる。

看護婦さんにさっさと痛み止めの処置をしてくれと頼んでも、いろいろ調べてからじゃないとダメだと言われる。ほぼ泣く。あちこち叩いたり蹴ったりしてみる。そんなことしても痛みは減らない。過呼吸も加わってボーッとしてくる。

必死にエロいことを考えたり妄想してみたが、ちっとも気は散らない。っていうか、エロ妄想も瞬時に消えていくほど痛くてしょうがない。

エコー検査やレントゲンを撮ったのだが、そのことはほとんど覚えていない。妊婦の呼吸法みたいに「ヒッ、ヒッ、フー」って感じの呼吸を繰り返す。そのあたりでようやく若い看護婦さんが私のお尻の穴に坐薬を挿入してくれた。不思議とその時のことははっきり覚えている。目の可愛らしい女性だった。声も出てしまった。さすが私だ。

坐薬のお陰で少しラクになってきた頃、CT検査もやってもらって、ようやく激痛の原因が石だと確定。大きな病院だと、深夜でも明け方だろうとCTまでやってくれるから大したものだ。

救急対応だから、一応痛みが収まったらおしまいだ。でも、いろいろな検査の結果を丁寧に説明してくれて、原因も判明したので、かなり長い時間拘束されていたのも意味があったと思う。

救急対応の場合、痛み止めとかも薬も1~2日分しか出してくれないらしく、帰宅して一休みしたあと、ヘロヘロになった身体で近場の泌尿器科に行く。坐薬がいっぱい手元にないと不安だ。

結局、大きな石じゃないみたいだから、自然に流れ出るのを待つしか方法がない。お医者さんにかかるといっても、経過をチェックしてもらったり、薬を処方してもらうしか対応策はない。

その泌尿器科でもエコーやレントゲンなどの段取りを踏んで、いっぱい痛み止めの薬を処方してもらった。石が出るまでまだまだ不自由な場面はありそうだが、強力な坐薬や内服の痛み止めもたくさん手に入れた。もう七転八倒しないで済みそうだから気楽に構えるしかない。

まだ不快感や痛みは時々襲ってくる。痛み止めを飲めば何とか収まる感じだが、スッキリするのはいつになるだろう。

基本的に水分を意識して多く取るしか対処法はない。ドクターによると、夏の終わりは、それまでの水分不足のせいで結石で苦しむ人が多いらしい。

「お酒?、旅行?、セックス?どれも別に結石に影響するもんじゃないですよ。急に生活パターン変えたって大して意味はないですよ。気楽にどうぞ」。

ドクターは実に有難い言葉をかけてくれた。

名医だと思う。

でもちょっとシンドイ。自然に排出されないと結構恐ろしい処置が待っているらしい。

頑張らねば。

2 件のコメント:

  1. なにやら怖い話ですね

    自然に石が出てくるまでそのような状態が襲ってくるかもしれないというのは怖いですね

    ありふれた言い方ですがお大事に、

    ところでこんなことを聞くと理不尽かも知れませんが石が出てくるときというのはわかるのものなのでしょうか?

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  2. ゆうさま

    有り難うございます。

    石が出るときは、たいていの人はちゃんと分かるそうです。

    私の場合、さほど敏感?ではないので、わかるかどうか日々気にしております。

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