2009年3月3日火曜日

書類審査

ひと昔前に比べて時代の世知辛さを感じるのが、人材募集に応募してくる人々の数だ。
先日、比較的中高年層の人材募集をハローワークに登録したら、あっと言う間に物凄い数の応募書類が会社に届いた。今までないほどの数にちょっと驚く。

応募が少なければ求人誌や求人サイトも考えていたのだが、そこまで手が回らない。履歴書や職務経歴書の山を前に、私も書類審査を行った。

こちらが思い描いている経歴や職務経験に一定の基準があるため、そこから外れている人は、さすがに書類を吟味できない。それでも一通りの内容はチェックさせてもらう。

私が見たのは約70人分の書類。こちらがチェックしたいポイントがどのあたりに記載されているか分からないので、いざ書類を手に取ると結構時間をかけて読み解くことになる。

自分と同年代の男性応募者については、ついつい職務経歴とか家族構成が気になる。

今回は、それこそ「いい年した大人」からの応募ばかりなのだが、応募書類の記載内容などを見ていると結構、“こりゃダメだ”的な人も少なくない。

いくらなんでも汚すぎる文字は、どうしても人間性を疑う。汚い字だから即アウトというわけではないが、汚い字でも丁寧に書かれたものかどうかはすぐ分かる。さすがに乱暴すぎる字を書く人は少数派。

意外に多いのが、熱心さが感じられない応募者。応募書類の挨拶状から始まってすべてがマニュアル的。志望動機も、時候の挨拶みたいにどこの会社宛だろうと一字一句代えずに済むような決まり文句だけ。こういう人に限って自己PRなどは一切ない。

失業給付金をもらうためだけに応募書類を送ってくる輩もいるから仕方ないのかもしれない。就職活動をしているという証拠作りのためだけの応募だったら、その会社に気に入られたら困るだろう。わざと失格を狙ってる人もいるだろう。迷惑な話。

履歴書の顔写真が“アチャチャ”な人もごくわずかだが存在する。適当なスナップ写真を適当にカットして貼り付けるぐらいならまだマシで、ひどいのになると普通紙に白黒コピーしたものを貼り付けてくるケースもある。

もっともらしい証明用写真であっても、どこからどうみても悪人顔というか、恐ろしい表情に写った写真が使われていることも結構多い。

本人がホントにそういう人相なら仕方ないが、そうでもなさそうだ。つまり、たまたま悪い人相に写ってしまったような写真だ。どうして平気なんだろう。書類上の第一印象が大事だという自覚がないのだろうか。

記載内容にも“アレレレ”が結構多い。若造ならいざ知らず、中高年男性なら最低限の物事の書き方ってあると思う。

転職歴が多い人の場合、書類上に転職ごとの理由を書いてくることが多い。何も書いてこない人より誠実とも言えるが、毎度毎度「社風に合わなかったため」とか書かれているとビビる。どんなに偉大な人なんだろう。

自分が在職していた会社といかに闘ってきたかを得意げに書く“武闘派”もいる。こんな場面でそんな自慢をして誰が喜ぶのだろう。

誠実さ、熱心さ、本気度ぐらいは、ある一定レベルまでは書類審査段階で見えてしまうもの。応募してくる人はそれぞれ自分の書類のことしか考えていないのだろうが、何十人分もまとめて見させてもらうと、その差は歴然。

私個人の価値判断が絶対だとは思わないが、こっちだって長年にわたって数え切れないほどの応募書類を見てきた。それなりに正しい感覚はあるだろうし、あながち的外れではないと思う。

まあ、偉そうなことを書いているが、求職中の中高年の姿は、同じく中年の私からは切なくもある。
自分自身が、応募書類一式を書く状況にならないように頑張らないといけない・・・。

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