愛人・詐欺

こんなこと書いたらホントはいけないのは分かっているが、あえて書いてみる。この人って極悪人だろうか。。。

以下、一昨日のニュースを貼り付けてみる。


【・・・インターネットで愛人契約を呼びかけ、応募した女性から現金をだまし取ったとして詐欺罪で起訴された長野県松本市○○、無職○×被告（３１）（公判中）が、さらに東京都など１都９県の２６人をだましていた疑いが浮上していることが捜査関係者の話で分かった。

　捜査関係者によると、横川被告は２００７年頃から、複数の出会い系サイトの掲示板に「会社役員　年収４５００万　会社２つ経営　月５０万で愛人に」などと書き込み、連絡してきた女性と面会。「会社の金で払う。経理が怪しむから、最初は投資してほしい」などとうそを言い、現金などを詐取した疑い。

　被害額は一人当たり１０～３００万円で、消費者金融から金を借り、だまし取られた被害者もいるという。・・・】



確かに悪い。立派な犯罪だ。その部分を正当化するわけではないが、被害者達ってどのツラさげて被害届を出すんだろう。

判断力が鈍っているお年寄りが騙される振り込め詐欺とは違って、この被害者達に同情の余地ってあるのだろうか。

いくら売春が世界最古の職業とはいえ、こういうマヌケな人達に同情は出来ない。古い表現をすればまさしく噴飯モノだ。

愛人として金をもらうことを夢見て、サラ金から借りてまで300万円の金を詐欺師に渡す精神構造って異常としか言えない。

まあ、この犯人も31歳のクセしてなかなかクセモノだ。「会社の金で支払う」とか「経理が怪しむ」とか、実にリアルでもっともらしい。

税金の世界で仕事をしていると、オーナー経営者が愛人のお手当を社員給料に見せかけて会社名義で処理している話はよく聞く。

経理担当部門を奥さんが握っている中小零細企業は多い。なかには、愛人の存在が奥さんにばれてから、経理の実権を握られるケースも少なくないらしい。

税務署にばれるより奥さんにばれる方が恐いと真顔で話す社長さんもいる。ファニーな話だ。

社員給料のフリして愛人のお手当をまかなっているようなケースは、税務調査で簡単に発覚する。タイムカードを照合されたり、社内座席表とか内線番号表とかがチェックされれば、簡単に怪しい存在が浮かび上がるわけだ。

バレにくい方法とかを書くわけにはいかないが、「社長・愛人・会社のカネ」という連携は大昔から税金問題とは切っても切れないテーマ。

オーナー経営者向け専門紙『納税通信』でも頻繁にビミョーな話を取り上げている。
お心当たり、ご心労のある人はゼヒ参考にしていただきたい。

話がそれた。冒頭で紹介したバカとマヌケの詐欺話について、関連する税金ネタを紹介したい。

いま確定申告まっさかりの時期だが、この時期、申告する人の関心事は各種の控除に集中する。医療費控除とか扶養控除とかアレコレ用意されているアレだ。

控除のなかに「雑損控除」がある。文字通り、損失をこうむった場合に税金面で少しは救済しようという制度だ。

災害、盗難、横領によって損失を受けた場合が対象になる。泥棒被害にあったら少しでも救済になるわけだ。

この雑損控除、実は詐欺にあった被害は対象にならない。盗難や横領は認められて詐欺だとダメというルールは一見、不公平にも見えるが、その理由はただひとつ。

「詐欺に遭うのは被害者にも落ち度があるから」。

他にも「詐欺に遭うのはヤマっ気があったから救済は不要」という話も聞いたことがある。そんなこと言われるとイマドキの振り込め詐欺被害は気の毒ではある。

極端な話、泥棒に入られても仕方がないほどの不注意のもとで被害にあっても雑損控除の対象。一方、巧妙かつ高度な詐欺の被害は対象外なんだから、なんともビミョーな話。

とはいえ、インターネット上で愛人を志願して31歳の若造にコロッと騙されたマヌケな女性達の詐欺被害のバカっぷりを考えると、雑損控除から詐欺を対象外にしている税法の考え方が分かる気もする。