銀座5丁目にある「虎武士」というお寿司屋さんに行ってみた。「こぶし」と読む。暗くなると濃厚な空気が漂う7~8丁目方面に向かって4丁目側から歩いている際に目にしていた店だ。たまには新店開拓とばかりに突撃。
店の中に「鮭鮫鱈鯉」という威勢の良い文字で染め抜かれた暖簾がある。「さけ、さめたら、こい」と読む。なかなか洒落ている。
暖簾とは裏腹に、“酒よりも寿司道を極める”みたいな気むずかしい感じはまったくない。酒飲みには嬉しい雰囲気の店だった。
カウンターだけの小ぶりの店だが、全体にゆったりとした作りで窮屈感はない。凛としすぎず、かといって雑然とした感じもない。すんなり店の空気に入り込める。
こういう空気感って結局は、店主のタイプというか、人柄みたいなもので決まってくる。こちらの大将は、キリッとしながらも物腰柔らかで客に安心感を与えるタイプだろう。押し出しが強すぎず、適度な距離感を保ちながらきちんと客を楽しませようと注意を払っている。
ここまで観察?させてもらえば、マズいものを出す店ではないことは充分推察できる。実際、旨い魚をアレコレ堪能した。際だった特徴があるというわけではないが、随所に大将のこだわりが感じられて快適にまっとうなお寿司にありつける。
初訪問の翌週にもフラっと訪ねてみた。一度来ただけの客にもかなり気を使っくれて恐縮する。旬の旨いものはしっかり揃っているし、飲むペースに合わせて的確な目配りをしてくれる。
大将は東京出身で私とさほど変わらない年齢だ。合間に出されたおひたしなんかもセンスの良い味付け。生モノ意外にも、アレコレ旨いものを食べさせてもらえそうなので、マメに顔を出そうと決意する。
写真は撮っていないので、食べたものの話は割愛しちゃうが、端的に言って気持ちの良い店だった。一人でも、おしのびでも、男同士でも違和感のない雰囲気。
お値段は想像していた範囲。値ごろ感があるほどではないが、異常な値段の寿司屋が多い銀座のなかでは、なんとか許容範囲だと思う。
すいぶんと誉めまくってしまった。なんか店の回し者みたいだからこの辺にしておく。
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