2011年9月30日金曜日

文句ばかり言うオッサン

来週、誕生日を迎える。また年齢が一つ増えるわけだが、中年道を突っ走るいま、自分の中で中年らしさが顕著に現れているのが「ブツクサ文句を言うこと」だ。

どうも最近、いろんなことにブツクサ言っている気がする。もちろん、道行く人にいきなり大声で文句言ったり、知り合いにガミガミ言っているわけではない。

ひとりでブツブツ文句を言ったり、不平不満が脳裏をよぎる場面が増えてきた。

近頃では絶滅してしまったが、昭和の頃には「文句ばかり言ってるウザいオッサン」がそこら中にいた。電車で騒いでいる連中に「コラッ」と怒鳴るようなオッサンだ。

どうも自分がそんなウザいオッサン化している気がしてならない。

やたらと「常識」とか「道徳」とか「ルール」、「マナー」の押しつけが気に障る。

文句も言わずにおとなしく去勢されているから、世の中のマナーだの常識だのが日増しに窮屈になっているように思う。

ゴミの分別なんて最たるものだろう。アホらしい。いつのまにか、あり得ないほど細かい作業を強いられる。お構いなしにテキトーにゴミ捨てしている事実を堂々と書くわけにもいかないので、その辺は内緒だが、ほんの20年の間で大きく事情は変わった。

エコとやらが何でもかんでも大義名分としてシャシャリ出てきたことも一因だろう。実にうさん臭い。

いつの間にか節電ファッショもすっかり定着し、猛暑がすっかり終わったのにバカのひとつ覚えのようにアチコチで「節電中」を謳っている。

夜の繁華街なんか暗いまんまだ。あれじゃあ、世の中のマインドが上がるわけない。

節電に象徴されるように、世の中、端的に言って「思考停止」なんだろう。誰のために何の目的で何を考慮して、という当たり前の判断をまるでしないから、いつまで経っても「節電」に夢中になる。

エコカーもそう。エコエコ自慢したいなら、そもそもクルマなんか乗らなきゃいい。ちょっと考えればアホでも分かる。

製造者責任法が出来たあたりからだったろうか、あちこちに間抜けな注意書きがやたらと増えた。カップ麺のふたにはヤケドに注意と大書きしてある。どう見ても食べられない乾燥剤にも、食べられませんと大書きしてある。

飛行機に乗れば、背もたれを倒す際には後ろの人に気をつけましょうとか、くだらない注意書きが用意されていたり、世の中総出で国民の幼稚化に手を貸している感じだ。

一昔前には単なる当たり前だったことすら、手取り足取りお節介に御指導が繰り返される。だからみんなが思考停止。

通勤電車を例にとっても、ムシャムシャ食事する、平然と化粧する、騒ぐ子どもを叱らないでマンガを読んでいる親、等々、なんだか変。

テレビはくだらない内輪ノリの話を垂れ流し、タレントの低脳さを笑う野暮な番組が人気になる。

いかんいかん、文句が延々と続いてしまった。

文句オヤジの出来上がりだ。うるさいオヤジは嫌われると分かっているのだが、ついつい文句があふれてしまう。

道を知らないタクシーの運転手が多いのも問題だ。おまけに道を知らないことをプロとして恥と思わず、平気な顔をしている。道を熟知しているプロの運転手の名誉のためにも問題だ。

その手のタクシーにあたっちゃったら、面倒でもとっとと降りることにしている。一応、誰かと同乗する時は我慢するが、一人の際には迷わず降りる。

飲食店でも、たかだか1,2品の注文にも「ご注文繰り返します」と復唱が始まる。文句オヤジとしては、ついつい「繰り返さなくていいから」とやんわりお断りすることもある。

文句ばかり言っても仕方がない。逆手にとって何かできないだろうか。思考停止の世の中だから、やっぱり宗教とか占いとか、そっち系で商売でも考えたほうがいいのだろうか。

先日も夜の銀座の路上で、うさんくさそうな手相占いオバサン相手に、初老の紳士が熱く人生を語っていた。いかがなもんだろう。

占いと言えば、先日、わが家の鬼嫁様が、結構な値段をふっかける占い師に見てもらってきたそうだ。その占い師いわく「あなた結婚してるんですか?ご主人の影が見えません」だとか。なんともトンデモナイ占い師だ。いや、ある意味、的確に見抜かれたのだろうか!?

そういう意味不明な占い師に大枚をはたく神経が不思議だ。そのくせ、1点か2点たまたま核心を突いたことを言われただけで、見てもらった人はそれに引きずられている。アホみたいだ。

ちなみにその占い師を紹介してくれた人は、民主党政権中枢の某大物議員の奥様だ。ぞっこん心酔しているらしい。アチャチャって感じだ。

別な話だが、以前、私自身が紹介された怪しい占い師に会いに行ったことがある。いやはやインチキ極まれり。詐欺師根性丸出しな感じのオバサンで、辟易とした。紹介してくれた人は某一部上場企業のオーナー一族で、これまたみんなでそのオバサンに心酔している。

その後、そのオバサンは、天罰が下ったのか、体調をおかしくして引っ込んだそうだが、そのオーナー一族はいまだに術中にはまってるらしい。おかしな話だ。

いやあ、ここまで書いた内容を読み返してみたのだが、実に感じが悪い。われながらイヤミオヤジぶりにビックリだ。

なんか悪性のストレスでも貯め込んでいるのだろうか。

もっと明るく爽やかに健全に日々を過ごさないといけない。

それにしても、世の中の根拠なき常識やルールって気にし始めると気になって仕方ない。

なんで毎日ネクタイしてるのだろう。なんで禁煙しようとしてるのだろう。なんで野菜を食べなきゃいけないんだろう。なんでたくさん靴を買うと怒られるのだろう。なんでスマホを買わないといけないのだろう。

なんで男は男っぽくしていないとダメなんだろ。なんで忙しくもない日まで会社に居ないといけないのだろう。なんで近所の住人と喧嘩しちゃいけないのだろう。

なんでトンカツを我慢してるのだろう。なんで毎月一人で旅行しちゃいけないんだろう。なんで昼間から酔っぱらっちゃいけないんだろう。

なんでエロDVDを隠れて見るんだろう。なんで自分の性癖を内緒にするんだろう。なんで婚外恋愛は世間に認められないのだろう。

全部ナゾだ。

ダメだ。今日はウツウツしたまま書き殴ってしまった。

しょうがない。働こう。

2 件のコメント:

  1. 富豪記者様

    ちょっと早いですが、お誕生日おめでとうございます。今回のブログには大変共鳴致しました。私も日々増えていく小さな怒りとため息にオバサン化しているのか自問自答しておりました。ただ感じるのはすべては表裏一体で外国人などに尊ばれる日本人の優しさ・几帳面さは、一方では日本人特有の優柔不断・依存心の高さなどにつながり、こういうものは結局切っても切り離せないものなのかと、最近は無理やり自分を納得させようと試みている次第です。ただ、東京という場所もちょっと特別かと思います。某雑誌からの引用ですが、アメリカの作家ポール・セローはかつて、東京があまりに効率的なのに感服して「これは都会じゃない、機械だ」と評したことがあるそうです。先日九州に一人ふらり旅をしてきましたが、かなりカルチャーショックを受けました。熊本などは基本的に本音ビジネスらしく、最初に本音を言って通じなければ、そこで初めて建前を言うそうです。実際にそんな場面にも出くわしました。まさか日本国内で本来の人間感覚を取り戻せると思ってもみませんでしたが、たくさんの収穫を得ることができました。日本全国津々浦々ご覧になられてきた富豪記者様だとは存じますが、東京の空気に疲れたら遠い地方の空気を吸われることお勧めします☆

    たま

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  2. たまさま

    深いお話、まことに有難うございます。
    東京機械論、頷かされる見方ですね。たしかに、東京に存在する異質な空気は、本来の日本的なものとは別個な感じですね。

    地方の空気を吸いに行く時間を意識して作りたいものです。

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