2011年11月4日金曜日

酒の思い出

お酒を飲み始めてどのぐらいになるのだろう。もう30年以上にはなる。たいして飲めないが、まったく飲めないほどでもない。

このぐらいがちょうど良いのだろう。身体を壊す心配もない。アホみたいな失敗談もそんなには無い、ような気がする。

初めて酔っぱらう経験をしたのが、中学2年の時。自宅で祖父が私のコーラにいたずらをした。オールドパーをコーラにちょろちょろ入れはじめ、しまいにはドバドバ投入。

甘くて飲みやすいし、調子に乗って何杯も飲んでいたら、立ち上がった時に足に来た。まさにガクン。あの時から「酔っぱらうことは幸せだ」を人生のモットーに生きてきた気がする。

本心から酒をウマいなあと実感したのはいつごろだろうか。30歳以降だろう。30代前半ぐらいまでは、お酒が無くても平気だった気がする。

今では、アルコールを週に1日抜くのにも難儀している。つくづく、大酒飲み体質じゃなくて良かったと思う。

若い頃の酒の思い出といえば、気持ち悪さに尽きる。たいていは嘔吐小僧になっていた。そうなるのが分かっているのに毎度のようにゲロゲロ。あれが若さだったんだろう。

高校生の頃はもちろん、大学生になっても「しっかり飲んだ日はしっかり吐く」のが基本パターンだった。

安いバーボンが生意気盛りの小僧の定番。そりゃすぐに気持ち悪くなる。若い男ならバーボンだ!みたいな変な思い込みがあった。アホそのものだ。

ウマいと思わない飲み物をよくもあんなに飲めたものだ。だから、その後、怪しげなトロピカルドリンクとやらに飛びついたりした。

あの頃、サントリーの戦略だったかで、トロピカルドリンクという呼び名の怪しいシロモノが若者の間で流行していた。変に甘くて、変にカラフルで飲みやすい。ただし、何杯も飲めば気持ち悪くなること間違いなし。

吐いている時ですら甘ったるい感じがして、気持ち悪さに拍車がかかった。

品のない話でスイマセン。

二十歳の頃ぐらいから、私を可愛がってくれた年上の友人が、六本木のクラブ活動に頻繁に連れ回してくれた。いつも明け方までアフターのお供。常に気持ち悪かった記憶がある。

この頃はブランデーの水割りばっかり飲んでいた。だいぶ出世?したが、相変わらずウマいなあと思うことは無かった。ただ流し込んでいた。ああもったいない。

店がはねた後だし、オネエサン方も同年代の私を可愛がってくれたのだが、こっちは気持ち悪くて仕方がない。今ではまるで考えられないが、据え膳は何度も手付かずだった。

自慢でも何でもないが、スケベ行動に出ないことで女性から叱られたこともある。ただただ気持ち悪かっただけで、決して格好つけていたとか、奥手だったわけではない。

モッタイナイ運動の原点のような話だ。

若い時は旅先でも嘔吐小僧だった。大学生の頃、一人であちこち旅行したのだが、夜のスナックで、地元の怪獣のようなオバサン達に飲まされて苦悶したことも何度かある。

旅先の飲み屋さんでマスターと話が弾んじゃえば、それこそ際限なく飲んじゃって、夜中から翌日の昼まで吐きっぱなしなんてこともあった。

今思えば、どうしてロクに飲めなかったのに、おまけに酒をウマイと思ってなかったくせに、スナックとか、渋い飲み屋に侵入していたのだろうか。

酒場好きの習性があったのだろうか。

オカルトのジャンルの常識では、酒場に寄りつく地縛霊がいるらしいが、そういうのが取り憑いているのだろうか。

前にも書いたことがあるが、小学生の時、バニーガールがプリプリ歩き回っている店に連れて行かれた。ファミリー向けイベントだったのだが、その光景にぶったまげたことが現在の性癖や嗜好に影響している。

ついでに言えば、中学3年生の分際で、悪ふざけが高じて悪友と渋谷のパブに出かけて「ボトルキープ」にトライした時の印象も今の行動に影響している。

薄暗い照明のなか、スリットの入ったロングドレスの女性が働いている姿。今でも鮮明に思い出す。

この二つの経験が私の現在の行動パターンに多分に影響しているのかもしれない。だとしたら随分安直に人間形成してしまったみたいで、ちょっとイヤだ。

一時期通った銀座7丁目の某クラブ。ホステスさんとは別にお運びさんがバニーちゃんだったという一点だけでその店が気に入った。照明も妙に薄暗くて、子供心に思い描いた「オトナの怪しい場所」そのものだった。

照明が薄暗い、スリットの入ったドレス、バニーちゃんもチラホラ。そんな感じで何を頼んでも280円均一みたいな店があったら、ぜひ教えてもらいたい。

あるわけないか。

酒の席での失敗を書くつもりが、ずいぶん話がそれてしまった。

海外でも時に嘔吐小僧に変身してきた。

メキシコでスイカぐらいの大きさのグラスに入った妙に濃いマルガリータを飲まされた。しばらくはラテン気質が憑依してひゅーひゅー騒いでいた。その後、正気になって宿に戻ってゲーーー。

イタリアに行って、柄にもなくトスカーナのワイナリーめぐりをした時も飲みすぎた。好きでもないのにワインをグビグビ試飲、まけにワイナリーで食事する際にも大量にグビグビを続けた。

帰路、チャーターしたタクシーを道端に待たせて、高原の隅っこでゲーーー。

なんかキリがないし、美しい話ではないので、この辺でやめる。

今後は嘔吐評論家とでも名乗ることにしょう。

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