東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2013年11月29日金曜日
偽装バンザイ
週が明ければ12月である。カレンダーも残り1枚である。オッタマゲである。
肝臓や胃腸が頑張る季節である。夜の予定もそこそこ埋まってきた。しじみエキスや数々の機能強化サプリのおかげで準備は万端である。
仕事に絡んだ付き合い酒も増える季節だ。エラい人のダジャレをおかしそうに笑ったり、エラくない人からオベンチャラを聞かされたり、アノ手の時間は非生産的である。それも浮き世の努めだ。
気の置けない友人とワイワイ飲んだり、さもなくば一人気ままに酔っ払うほうが楽しい。毎日がそっちだったら寿命も延びると思う。
さて、12月といえば、銀座あたりのクラブ活動が面倒な季節でもある。ワケの分からない「パーティー」とやらの誘いがアチコチから届く。
正直、あれが苦手だ。何のパーティーだか意味不明である。普通は「開店10周年」とか一応の大義名分があるが、あの世界のパーティーにはそんなものはない。まあ、かき入れ時だから理由なんて何でもいいのだろう。
四の五の言わずに付き合うのがイキな客なのかもしれないが、混んでるし、騒々しい。パーティー期間だと知らずに訪ねて、その盛況ぶりにビックリすることもある。
「みんなで世の中を盛り上げまっせ」という空気がわざとらしくて苦手だ。さりげなくないことは嫌いだ。
こういう感覚が私のアマノジャッキー的ダメな部分でもある。
実際、これからの時期はどこの店も繁盛するわけだから、わざわざ行かないでもいい気がする。
もっと暇そうな時にふらっと覗いたほうが店も助かるだろうし、こっちも落ち着く。
そうはいっても、普段いろいろお世話になっているオネエサマがたに少しは貢献しないといけない。そんな呪縛のような感覚で少しは顔を出すことになるのだろう。
あの世界は世の中の潤滑油みたいなものだ。難しく考えずに気が向いたらフラフラ行けばいいのかもしれない。
食品をめぐる偽装や虚偽表示が問題になっているが、夜の世界の偽装は大いに歓迎である。どんどんエスカレートすればいい。
ブラックタイガーちゃんは車エビさんになればいいし、とび子ちゃんもキャビアさんに化ければよろしい。
夜の世界の偽装は、巧妙であればあるほど賞賛に値する。一生懸命さが伝われば魅力的に映る。
「錦糸町のスナックで偽装の努力もしないでダラダラしている美女」よりも「それなりの銀座の店で偽装に努力するヘチャムクレ」のほうが魅力的である。
そんなものだ。
髪型、化粧、衣装、そして、寄せて上げる胸元とか、すべてが客を「オ・モ・テ・ナ・シ」するための虚偽表示みたいなものであり、客も素直にケナゲな偽装に拍手喝采すればいい。
個人的に仲良くなってムフフな事態に進展したときに「違っとるやないけ!」と怒るのはアホである。
偽装されたパーツにホレるのではく、偽装する心意気にホレなければならない。
うん。名言である。
最近は昔と違って、トーテムポールみたいな髪型の女性がいなくなったが、あれはあれで非日常を演出するには効果的だから、ぜひ復権して欲しいと思う。
考えてみれば、客だって偽装しているようなものだ。ひと皮むけば皆さん疲れたオッサンである。家庭に戻れば単なる粗大ゴミだったりする。
家に帰ればヅラを外し、ステテコで転がって屁こきジジイとして過ごしているのに、夜の世界に赴くときはビシッとナイスミドルに化けたりしている。
そういう偽装自体がオッサン達のエネルギー源になっている部分もあるのだろう。夜の止まり木に立ち寄って、ノンビリとくつろぐことも結構だが、時にはキザになってカッコつけることも大事だ。
「まだまだオレだって現役だぜ」と錯覚することは、社会の活性化にとって必要な要素だと真剣に思う。オネエサマがたには大いに世の男性どもを錯覚させて欲しい。
オネエサマがたも一皮むけば淋しい女性が大半である。結構わびしい一人者生活に追われている。
つまるところ、「疲れたオッサン」と「淋しいオネエチャン」が一生懸命に「変身」して浮き世の艶を作りあげているわけだ。
そんな突っ張り合いみたいな世界だから奥深いし、面白いのだと思う。
さて、懲りずに12月も絡め取られに行くとしよう。
2013年11月27日水曜日
嬉しかったこと
楽しいことないかな~と時々つぶやく。
よく考えたら贅沢な発言である。
仕事もあって、健康で、よく眠れる。孤立死だの餓死だの壮絶なニュースを見ていたら自分の状況は幸福極まりないと思う。
天災で突然すべてを奪われる人も大勢いることを思えば、何気ない日常を送れていることは有り難いことだ。
書きながら自分に言い聞かせているようなものだが、煩悩の塊として生きているのが私である。ちょっとした嬉しいこと、楽しいことをすぐに求めたくなってしまう。
ということで、最近の嬉しかったことを列挙してみる。あくまで、ここに書ける範囲ではあるが…。
といって、大した話があるわけではない。小さいことばかりだ。
複数の知り合いに立て続けに言われた「髪の毛増えた?」というセリフが一番嬉しかったぐらいだから実に小さい。
まずは「吉野家の牛重」を食べたことである。ニュースで見てから気になっていた。若い頃は肉体の3割ぐらいが牛丼によって生成されていた私だ。老舗・吉野家が限定販売している和牛のお重である。オッサンとなった今、これを食べないことには私の青春は終わらない。
吉野家が国会議事堂の敷地内に出店した店舗での限定販売である。出入りが規制されている場所にある店だから、そんなところに限定メニューを用意するのは何だかイヤらしい話である。意味不明だ。
国会店といってもカウンターがあるだけで特に豪華な内装の店舗ではない。なのに1200円もする牛重はここにしか用意されていない。
まあ、話題作りが目的なんだろう。ブツクサ言っても始まらない。
ということで、国会周辺がフリーパスになる記者バッヂと記者証を携行して出かけてきた。一応、牛重のためだけに出かけたわけではないと弁明しておく・・・。
食べてみた。普通に美味しい。いつもの牛丼のようなぺらぺらのバラ肉ではなく、厚みのある肉肉した感じの牛肉である。
すき焼き風の甘めの味付け、後味にいつもの牛丼の風味がかすかに残るところがニクい。
でも1200円という値付けは微妙である。デパ地下に行けば、かなり美味しいすき焼き重とかステーキ重とかがゴロゴロある。そう考えたら「別に」って感じだろう。
ガラッと話は変わってコスプレカラオケ大会である。仕事で付き合いのある知り合いを接待するというか、ただ慰労する目的でワイワイ騒いできた。20代から40代までのオネエサン達がいろいろすごいカッコを取っ替えひっかえして弾けていた。
私の名誉?のために強調するが、コスプレカラオケ大会が嬉しかったのではない。招待した相手が思った以上に「浮かれポンチ」になっていたことが嬉しかった。「お・も・て・な・し」である。
それにしても我が社の営業幹部の手配師ぶりは大したものである。普通に仕事に励んでいたら女性陣をあんなに集めるのは無理なはずだ。ちょっと微妙だ。
続いては香箱ガニである。セコガニとも呼ばれるズワイのメスだ。この時期ならではの味覚である。
何が嬉しかったというと、これを食べる直前に毛ガニを一杯しっかり食べていたから、短時間でのカニ攻めが非常に嬉しかったわけだ。
いつもの「鮨源」である。なかなかお寿司屋さんに行く時間が取れず、恋しさに喉をふるわせて出かけた夜のことだった。
今シーズンは魚卵、肝などの珍味系を摂取する機会が少ない。自分の身体がデトックスしまくったはずだと確信して、コレステロールだのプリン体を気にせず楽しんだ。
おまけにミソたっぷりの毛ガニを堪能した後にアンキモまでペロペロ食べてから香箱ガニに突入した。
このうえない幸せを感じた。
それ以外にも嬉しかったことはいくつもある。
セブンイレブンのくじ引きで、引いたクジが全部大容量の飲み物の当たり券だったこととか、タンスの隙間から千円札を2枚発券したこととか、ここ半月ほど睡眠導入剤のお世話になっていないとか、落とした体重を維持できているとか、結構いろいろある。
カーオーディオの音質向上も大いに嬉しかった。最近クルマを変えたのだが、そのクルマのオーディオは最高品質の音響だとか謳われていた割に、iPod経由での音質が大いに不満でストレスになっていた。
ところが、iPod本体の設定メニューからイコライザー機能を活かしてみたら問題が解決して俄然快適になった。目からウロコだった。
どうでもいい話ばかり書いてしまった(いつもそうだが…)。
でも「嬉しい」と感じた時の脳の活性化はすこぶる精神衛生に良いはずだから、こういう小さいことでも大げさに喜ぼうと思う。
なんだかんだ言っても、先日、夜中に一度もトイレに起きずに8時間ぶっ通しで寝続けたことが最も感動的だった。
書き連ねてみて、改めてダイナミックではない自分の暮らしぶりを感じる。石油を掘り当てるとか、途上国に学校を建設するとか、私専用のハーレムとか大奥が完成するとか、張本さんといっしょに野球をやるとか、そういう大きな喜びに向けてもっと奮闘することにしよう。
2013年11月25日月曜日
結婚 離婚
久しぶりに結婚パーティーに行ってきた。最近はお悔やみの方が多くなったので、めでたい場に呼ばれるのは素直に嬉しい。こっちまで良い気分になる。
この日の主役は中学・高校の2学年下の後輩だ。いまや中年バリバリ、昔だったら隠居する年齢だが初婚である。
わが母校はさほど規模が大きくなく、エスカレーター式でずっと過ごした関係で、独特の連帯感みたいな空気がある。
年の近い先輩、後輩とは卒業してからウン十年経っても付き合いがあったりする。部活が一緒だったわけでもないのにつながり続けているケースも多い。
この日の新郎と私ともそんな関係だ。高校生だった私が中学生だった彼にバレンタインデーにチョコレートをあげたこともある。
四半世紀以上も前のことだ。その日、彼の教室にはコワモテの私の友人が「名代」として乗り込んだ。後輩は何事かとビビッたらしいが、チョコを渡されてズッコけたらしい。
その後、大人になって、とある後輩の結婚式で久しぶりに再会して、それ以来なんだかんだと飲みに行ったりする関係だ。
今の世の中、晩婚はごく普通のことになった。40代になってから初婚というケースも珍しくない。
こういう場合、結婚パーティーも実にメデタイ空気に包まれる。お祝いに集まる友人達も当然中年である。人間40年以上生きていれば、そこそこ「歴史」も積み上がっている。
歴史を共有する人間達が集まって、旧友の遅ればせながらのハレの日を祝うのだから、ただただ素直に祝福する。そのせいか底抜けに陽気な空気に包まれる。
この日、それこそ30年ぶりぐらいに顔を合わせた後輩達とも楽しく歓談した。Facebookで「友達」になっている面々もいたから、そんな時間の経過を感じないほど馴染ませてもらった。
便利な世の中になったものである。
ちなみに、この日の主役である新郎と社会人になってから再会するきっかけとなった別の後輩は、いま離婚調停のまっ只中である。
最近その件で何度か相談にやってきたのだが、あれはあれで大変である。
私としても強欲な敵側の弁護士のブラフに負けないよう叱咤激励しているのだが、なんとも頼りない感じだ。
離婚条件なんてものは、要求する側、される側それぞれの思惑があって水掛け論に終始する。要求する側に弁護士がついている場合、戦術としてアホみたいに高い金額をふっかけてくる。
あんなものは東南アジアの露天商みたいなもので、ふっかけてくる方だって言い値が通用するとは思っていない。真に受けるほうがバカである。
子どもの養育費など、イマドキは裁判でも活用される「相場表」が存在するし、あくまでその水準をベースに着地点を探るのが普通である。
離婚問題に直面している当事者でも、そんな相場表があることを意外に知らないケースが多い。
交渉事は情報力の有無が結果を左右するから不勉強は禁物である。
まあ、そうはいっても、普通は離婚交渉の経験なんて無いからグダグダとスッタモンダは長引く。
相手側の弁護士にもっともなことを言われると、催眠術にかかったかのように相手方のペースに巻き込まれる人も多い。
「弁護士」と聞いただけでオタオタしちゃう人もいるが、通常のケースなら弁護士が出てきた方が、かえって交渉がしやすくなるはずである。
弁護士なら相場とか世間一般の常識を着地点として理解しているから、要求段階で強気に出てきたところで気にすることは無い。
自分も弁護士を雇わねばと慌てる人も多いが、家庭裁判所を活用すれば、たいていは「相場」が落としどころになる。
そんなものである。
まあ、全部吐き出してすっからかんになるぐらいの覚悟があれば、ことはさほど難しくないのも一面の真実である。
何だかさも自分の経験を元にしているような書きぶりだが、私自身、個人的な問題で弁護士を雇ったり、家庭裁判所を使ったことは無い。
ただ、会社の業務の関係では何度も裁判を経験しているので、交渉事のツボみたいなものは見てきたつもりだ。
と、エラそうに書いたみたが、個々の案件ごとに厄介なしがらみもあるだろうから当事者は大変だろう。
いずれにしても、交渉事に必要なのは現実的な落としどころの見極めと平常心と達観、そして関連情報をどれだけ集められるかだと思う。
さてさて、何の話を書いていたのだろうか。そうだ、中年の結婚というメデタイ話だった。
最近自分の周りを見ていて思うのは、未婚の人は結婚に憧れ、既婚の人は離婚に憧れるヘンテコな循環?だ。
「隣の芝生」の例えもあるように、世の中そんなもんなのだろう。
レストランで隣の席の人が食べている料理がウマそうに見えてしまう心理と似ている。
週刊現代を買ったあとに週刊ポストにすれば良かったと思うようなものである。
ちょっと違うか。。。
私もお寿司屋さんのカウンターで、隣に座る見知らぬ紳士が注文したネタが物凄く気になる時がある。
逆に、私が注文したネタをマネして注文する紳士もいるから、みんな同じような気分を味わっているのだろう。
古今東西、世の中の仕組みって意外とそんな単純な空気が支配しているのかもしれない。
実にテキトーな結論である。われながら呆れる。
まあいいか。
とにもかくにも、新婚の後輩には心からの祝福と末永い幸せを祈りたい。波風たたずに進むのが一番である。
ついでと言っちゃあ悪いが、離婚調停中の後輩には心からの同情と一刻も早い決着を祈っておこう。
そういえば、同級生の友人にも離婚裁判がいつまでも終わらない男がいた。「交際」ならぬ「高裁」まで行っちゃったそうである。お気の毒だ。
家裁や地裁の判断を受け入れないんだから、相手は相当なタマなんだろう。高裁でひっくり返ることなんて考えられないから、友人はただただ焦らずに凌げばいいと思う。
本人の心が平穏になれるなら、未婚、離婚、結婚、大いにケッコーなことだと思う。
2013年11月22日金曜日
望年ライブ
夏からせっせと練習に励んできたオヤジバンドのライブまで1ヶ月を切った。幾度となく練習を重ねて仕上がりは順調である。
汗と涙と老廃物と加齢臭の結晶が美しい旋律につながっている。
昨年のライブ開催時は手薄だったコーラスアレンジなんかも盛り込んで、いっぱしの気分である。
難航した会場選びも何とかメドがついた。都内中心部のまあまあ利便性の良い場所が確保できた。
12月15日、日曜日の夜。1時間半ほどのステージを予定している。クリスマスシーズンだから、歌詞にそれっぽいフレーズが出てくる曲もわざわざ演目に加えた。
「ステージを予定している」と自分で書いているくせに何だか小っ恥ずかしい。さすが素人である。でも、やるからにはミュージシャンのフリを徹底しないとなるまい。
そもそも昨年のバンド結成時にギタリスト二人から誘われて「歌う係」として参加した。
日頃から楽器をいじっているミュージシャンではないので、「バンドやってます」とか「今度ライブやります」とか、そんな言葉の数々が何となくおこがましく感じる。
まあ、そんな殊勝なことを言っても始まらない。MC担当という重要任務もある。MCも立派なバンドのパートだろう。いっぱしのMC兼歌唱担当として頑張ろうと思う。
ひょんなことから始めたバンド活動だが、誘われた時に深く考えずにノリだけで参加したことは正解だった。
いっぱしのオトナになってから何か新しいことを始める機会は中々無いのが現実だ。
♪「忙しい」 「興味ない」 言い訳になっていた♪
ライブで演奏する曲目にそんな歌詞がある。まったくその通りだと思う。
若い頃と違って億劫な顔をすることばかり得意になり、随分いろいろと損をしてきた気がする。
ついつい「忙しいからまた今度」とか「そんなもん興味ねえよ」とか、幾度となく様々なチャンスを逃してきた。
ああもったいない。
今思えば、かつて誘われた合コンなんかもガツガツ参加すれば良かったと思う。いまではそんな機会すらない。下半身いまや、いや、後悔先に立たずである。
バンド活動のおかげで日常生活とは違う空気に触れることが出来た。予定調和ではない焦りとか高揚感とか、かなり面白い体験である。
人様の前で歌うのは、さすがにビビる。変な汗も噴き出す。胃薬も欠かせない。でも、カラオケだってイメージ通りに歌えたら気持ちいいのだから、バンドがそこそこ上手くいったときの快感はかなり大きい。
こんな機会を与えてくれた友人には感謝あるのみである。
楽器を演奏する二人は大変である。練習後の飲み屋探しだって、彼らはギター片手にエッチラオッチラだ。私はいつも手ぶらである。
重い、かさばるだけでなく、ライブのために付随する機材を買ったり、ステージでの調整などそれなりに苦労はある。私は何も買う必要は無い。気楽なものである。
手ぶらでお気軽な私だが、メンバーの二人がギターケース片手に歩く姿にはチョット憧れる。
わがバンドメンバーは紛れもなく「そこらのオッサン」なのだが、ギターケース一つ手にしただけで、俄然ミュージシャンの雰囲気が漂い始める。
飲み屋の入口では「楽器あるんで、広い席じゃないと困るっす」などと洒落たセリフもすっと出る。ちょっとウラヤマシイ。
私もギターケースだけ購入しようかとアホなことを考えてしまう。中味は重いからケースだけをそれっぽく持ちながらライブ会場に向かうのも一興かもしれない。
さてさて、12月以降はスタジオ練習を何度か実施する予定だ。生音練習で完璧だと感じても、音響機器を通した時の加減は微妙に異なる。ここからが大事な仕上げ段階である。いよいよあとは腹をくくる段階だ。
12月の中旬と言えば、忘年会シーズンである。年を忘れるというより、新しい年に希望を託す「望年ライブ」と気取ってみようと思う。
曲目構成も固まった。暗い歌詞の曲が多いことに気付いて、今になって一応ラブラブっぽい歌も加えた。来てくれる方の中にはラブラブモードの人もいるだろうから、クリスマスシーズンの気配りである。
ライブハウスは詰め込んでも70名入るかどうかの規模。下見してきたメンバーによるとお客さんとの距離は「すぐそこ」だとか。
緊張しそうである。また変な汗とか、得体の知れない“汁”が身体から吹き出すのだろう。
★ヒマでしょうがないから行ってもいいぞ、というかたがいらっしゃいましたら、当ブログのコメント欄にその旨お知らせください。追って詳細をお知らせします。でも、あくまで素人演芸ですのでその点はご理解ください。
2013年11月20日水曜日
ついでのフランクフルトなど
今回の旅行では、ANAのマイルが結構貯まっていたので、主要な航路は無料航空券を使ってみた。
JALのマイルよりANAのほうが使い勝手がいい。スターアライアンス加盟の航空会社が全部対象になるわけだからすこぶる便利だ。
ルフトハンザでフランクフルト経由でボローニャに飛んだ往路のチケットとバルセロナからフランクフルト経由で成田に戻るチケットをタダで予約した。
帰国の際は、せっかくなのでフランクフルトでストップオーバーして1泊だけ滞在してみた。イタリア、スペインとはまた違う空気に触れることが出来た。
とても良かったのがホテルだ。Rocco Forte Villa Kennedyという洒落た宿。ここもボローニャのホテル同様、LHW(The Leading Hotels of the WorldD)加盟のホテルだったため、なんちゃらメンバーの特典として、部屋のアップグレードとか朝食無料の特典がついていた。
お城のようなシックな外観だが、室内はモダンな作り。最新設備で整えられ水回りも言うことなし。
無料の飲料水もあったが、それ以外に冷蔵庫に用意されていた大きめサイズのミネラルウォーターが日本円で1200円ぐらいだったのでたじろぐ。高級ホテルはこういう点がイラつく。我慢してここでもレッドブルを飲む。
でも、高級ホテルならではの優雅さは捨てがたい。中庭のテラスがまたカッチョ良く、スペインと違ってかなり寒かったのに調子に乗ってスパスパ煙草ばかり吸っていたから風邪をひいた。
部屋以外のパブリックスペースも絵になる感じで、1泊だけでは実にもったいないホテルだと思った。
ちなみにこのホテルの朝食ビュッフェも良かった。ハム類が充実していたし、ポトフ風のハーブソーセージや蜂の巣ごと用意されている蜂蜜もあって、朝から食べ過ぎた。
さて、フランクフルトの隠れた名所である「スーパーエロサウナ」には諸般の事情で行かずじまいで、代わりにヨーロッパでも評価の高い「シュテーデル美術館」に出かけた。
このホテルのゲストだと日本円で2千円近い美術館の入場料が無料になるサービスがあったのでムフフな気分になる。
かなり大きな規模の美術館で見応えたっぷり。以前から見たかったフェルメールの名画を目指す。そのほか、日本人好みの印象派の絵を眺めてしばしそれっぽい気分に浸る。それ以外は宗教画が多くて疲れた。
大聖堂も見に行ったが、イタリア、スペインでいくつも壮麗な聖堂を見てきた身としては何だかピンと来ない。
で、ドイツだからビールを飲むぜ!と居酒屋風の店に出かける。地元の人で大賑わいのナントカいう名前の店だった。
来店した有名人の写真がたくさん飾ってあったが、目についたのは「ライオネル・リッチー」である。
ボローニャのホテルにも「ライオネル・リッチー」が来たときの写真が貼ってあった。どうやら私の行動パターンは「ライオネル・リッチー」だということが判明する。
さて、ライオネル・リチオとして訪ねた店で勢いよくビールを注文したのだが、「ウチにはビールは置いてないぜ」と非情な答えが返ってきた。
セイユー・セイミー!?である。(わかんない人、ゴメンナサイ)。きっとあの瞬間の私の顔つきはライオネル・リッチー並みに爆発していたと思う。
この居酒屋は、地元の名物「アップルワイン」の専門店だったようで、ドイツなのにビールがない。仕方なくアップルワインを飲む。
それなりに悪くない。安酒の極みみたいな雰囲気だが、適度な酸味があって、日本の居酒屋で飲む果実系サワー的な味わい。
地元のおばさん二人連れとか、不良ギャルっぽい女子チーム、勤め人の宴会組など騒々しい店内で意味不明の酒を飲むのも悪くない。これも旅情だ。
フランクフルトである。ソーセージは欠かせない。その他に豚だか牛のすね肉の豪快焼きみたいな食べ物を注文した。
ドイツ人といえば芋ばかり食べるイメージがあったが、付け合わせのマッシュポテトとかフライドポテトがさすがにウマかった。
ということで、先週から書いてきた旅行記もおしまいである。
ここから先は旅全体を通しての雑感を少し。
今回の滞在先となったボローニャ、バルセロナ、グラナダ、フランクフルトに共通していたのが、空港から中心地への近さである。
成田空港という都民をバカにしたような立地の空港を使わされている身としては、中心地と空港が近いというのは大いに嬉しい。
成田からの航空券を手配する際にミュンヘン便も空いていたのだが、ここだと空港から市内が遠いらしく、それを理由にやめておいた。イタリアでもボローニャからミラノに行くことも考えたが、ミラノも空港が不便なところにあるようで、それを理由に予定から外した。
モノグサ太郎として空港の立地をひとつの基準にして目的地を組み合わせたわけだが、結果的にこれは正解だった。気軽にタクシーで15分~20分程度でホテルと空港間を移動できるのは、意外にストレス軽減効果があった。
そのほか、どうでもいい雑感として「マックの値段」にも触れておきたい。
このブログでは食べ物の値段の例えとして「マックのハンバーガーだったら50個分」みたいな表現をしているが、スペインで目撃したマックの価格表を見て、日本のデフレ?ぶりに驚いた。
ビックマック、フィレオフィッシュ、マックナゲットともに今のレートで換算すると900円オーバーである。この3つを頼んだら3千円近い出費になる。まさに富豪級のファストフードだ。
100円でフィレオフィッシュを食べられる国に住んでいることは何と幸せなことだろう。バンザイである。
もちろん、スペインの物価のすべてがこんんなに高いわけではない。スーパーで売っているコーラや水の値段は日本と変わらないし、ちょっとしたレストランで食事する場合は日本より安いぐらいだ。
マック恐るべしである。
日本がデフレというより、日本のマクドナルドの企業努力が立派だと考えた方がいいのだろう。
最後にもう一点、甘いものの話。
上から順にボローニャで食べたマスカルポーネチーズのドルチェ、バルセロナで食べたクリームブリュレ、グラナダで食べたライスプリン、そしてアチコチでバカのひとつ覚えのように食べたピスタチオのアイスクリームである。
酒も飲むが、甘いものも好きな私としては、旅行中、疲れると糖分補給にも精を出した。
散策中、バテバテになるとカフェに立ち寄り、カプチーノをダブルで頼んで砂糖をトリプルぐらい入れてズズズっと飲んでいた。オトナだか子供だかわかんない味になるのだが、これがまたタバコと妙に相性が良い。
私にとって極上デザートだったわけだが、それと同様にハマったのがピスタチオのアイスだ。
どこの街角のアイス屋さんでもポピュラーな存在として売られていた。ピスタチオのあの風味がクリーミーな装飾をまとっているのだからマズいわけがない。
なぜか日本ではあまり見かけないが、いつの日か、ブームが来るのではないかと期待している。
東京でピスタチオアイスのウマい店があったらゼヒ教えて欲しいです。
ということで、4回にわたってダラダラと旅行記を書いてしまった。
旅は五感を刺激するし、色々な知識も吸収できる。身体が元気なうちは少しぐらい無理してもアチコチ出かけようと改めて思った。
元気でいるように日々精進しようと思う。
JALのマイルよりANAのほうが使い勝手がいい。スターアライアンス加盟の航空会社が全部対象になるわけだからすこぶる便利だ。
ルフトハンザでフランクフルト経由でボローニャに飛んだ往路のチケットとバルセロナからフランクフルト経由で成田に戻るチケットをタダで予約した。
帰国の際は、せっかくなのでフランクフルトでストップオーバーして1泊だけ滞在してみた。イタリア、スペインとはまた違う空気に触れることが出来た。
とても良かったのがホテルだ。Rocco Forte Villa Kennedyという洒落た宿。ここもボローニャのホテル同様、LHW(The Leading Hotels of the WorldD)加盟のホテルだったため、なんちゃらメンバーの特典として、部屋のアップグレードとか朝食無料の特典がついていた。
無料の飲料水もあったが、それ以外に冷蔵庫に用意されていた大きめサイズのミネラルウォーターが日本円で1200円ぐらいだったのでたじろぐ。高級ホテルはこういう点がイラつく。我慢してここでもレッドブルを飲む。
でも、高級ホテルならではの優雅さは捨てがたい。中庭のテラスがまたカッチョ良く、スペインと違ってかなり寒かったのに調子に乗ってスパスパ煙草ばかり吸っていたから風邪をひいた。
ちなみにこのホテルの朝食ビュッフェも良かった。ハム類が充実していたし、ポトフ風のハーブソーセージや蜂の巣ごと用意されている蜂蜜もあって、朝から食べ過ぎた。
さて、フランクフルトの隠れた名所である「スーパーエロサウナ」には諸般の事情で行かずじまいで、代わりにヨーロッパでも評価の高い「シュテーデル美術館」に出かけた。
このホテルのゲストだと日本円で2千円近い美術館の入場料が無料になるサービスがあったのでムフフな気分になる。
かなり大きな規模の美術館で見応えたっぷり。以前から見たかったフェルメールの名画を目指す。そのほか、日本人好みの印象派の絵を眺めてしばしそれっぽい気分に浸る。それ以外は宗教画が多くて疲れた。
大聖堂も見に行ったが、イタリア、スペインでいくつも壮麗な聖堂を見てきた身としては何だかピンと来ない。
で、ドイツだからビールを飲むぜ!と居酒屋風の店に出かける。地元の人で大賑わいのナントカいう名前の店だった。
来店した有名人の写真がたくさん飾ってあったが、目についたのは「ライオネル・リッチー」である。
ボローニャのホテルにも「ライオネル・リッチー」が来たときの写真が貼ってあった。どうやら私の行動パターンは「ライオネル・リッチー」だということが判明する。
さて、ライオネル・リチオとして訪ねた店で勢いよくビールを注文したのだが、「ウチにはビールは置いてないぜ」と非情な答えが返ってきた。
セイユー・セイミー!?である。(わかんない人、ゴメンナサイ)。きっとあの瞬間の私の顔つきはライオネル・リッチー並みに爆発していたと思う。
この居酒屋は、地元の名物「アップルワイン」の専門店だったようで、ドイツなのにビールがない。仕方なくアップルワインを飲む。
それなりに悪くない。安酒の極みみたいな雰囲気だが、適度な酸味があって、日本の居酒屋で飲む果実系サワー的な味わい。
地元のおばさん二人連れとか、不良ギャルっぽい女子チーム、勤め人の宴会組など騒々しい店内で意味不明の酒を飲むのも悪くない。これも旅情だ。
ドイツ人といえば芋ばかり食べるイメージがあったが、付け合わせのマッシュポテトとかフライドポテトがさすがにウマかった。
ということで、先週から書いてきた旅行記もおしまいである。
ここから先は旅全体を通しての雑感を少し。
今回の滞在先となったボローニャ、バルセロナ、グラナダ、フランクフルトに共通していたのが、空港から中心地への近さである。
成田空港という都民をバカにしたような立地の空港を使わされている身としては、中心地と空港が近いというのは大いに嬉しい。
成田からの航空券を手配する際にミュンヘン便も空いていたのだが、ここだと空港から市内が遠いらしく、それを理由にやめておいた。イタリアでもボローニャからミラノに行くことも考えたが、ミラノも空港が不便なところにあるようで、それを理由に予定から外した。
モノグサ太郎として空港の立地をひとつの基準にして目的地を組み合わせたわけだが、結果的にこれは正解だった。気軽にタクシーで15分~20分程度でホテルと空港間を移動できるのは、意外にストレス軽減効果があった。
そのほか、どうでもいい雑感として「マックの値段」にも触れておきたい。
このブログでは食べ物の値段の例えとして「マックのハンバーガーだったら50個分」みたいな表現をしているが、スペインで目撃したマックの価格表を見て、日本のデフレ?ぶりに驚いた。
ビックマック、フィレオフィッシュ、マックナゲットともに今のレートで換算すると900円オーバーである。この3つを頼んだら3千円近い出費になる。まさに富豪級のファストフードだ。
100円でフィレオフィッシュを食べられる国に住んでいることは何と幸せなことだろう。バンザイである。
もちろん、スペインの物価のすべてがこんんなに高いわけではない。スーパーで売っているコーラや水の値段は日本と変わらないし、ちょっとしたレストランで食事する場合は日本より安いぐらいだ。
マック恐るべしである。
日本がデフレというより、日本のマクドナルドの企業努力が立派だと考えた方がいいのだろう。
最後にもう一点、甘いものの話。
酒も飲むが、甘いものも好きな私としては、旅行中、疲れると糖分補給にも精を出した。
散策中、バテバテになるとカフェに立ち寄り、カプチーノをダブルで頼んで砂糖をトリプルぐらい入れてズズズっと飲んでいた。オトナだか子供だかわかんない味になるのだが、これがまたタバコと妙に相性が良い。
私にとって極上デザートだったわけだが、それと同様にハマったのがピスタチオのアイスだ。
どこの街角のアイス屋さんでもポピュラーな存在として売られていた。ピスタチオのあの風味がクリーミーな装飾をまとっているのだからマズいわけがない。
なぜか日本ではあまり見かけないが、いつの日か、ブームが来るのではないかと期待している。
東京でピスタチオアイスのウマい店があったらゼヒ教えて欲しいです。
ということで、4回にわたってダラダラと旅行記を書いてしまった。
旅は五感を刺激するし、色々な知識も吸収できる。身体が元気なうちは少しぐらい無理してもアチコチ出かけようと改めて思った。
元気でいるように日々精進しようと思う。
2013年11月18日月曜日
バルセロナの夜
先週から書いている旅行記。今日はバルセロナ編です。
高校生になって間もない頃、佐野元春の「バルセロナの夜」という曲をよく聴いていた。ロマンチックなサックスの音色にシビれながら見知らぬ異国の地を勝手に想像していたことが懐かしい。
高校生になって間もない頃、佐野元春の「バルセロナの夜」という曲をよく聴いていた。ロマンチックなサックスの音色にシビれながら見知らぬ異国の地を勝手に想像していたことが懐かしい。
肛門屁の出口、いや光陰矢の如しで、あれから30年以上が過ぎた。太田胃散が欠かせないオッサンとなった今になってバルセロナを初めて訪れた。
元々、今回の旅行は漠然とバルセロナに行きたいと思ったことがきっかけだった。理由も根拠もない。なんとなく、バルセロナで酒を飲みたいと思ったわけだ。
その後、旅の計画を練るうちに、どうせスペインに行くならアルハンブラ宮殿は欠かせないぞ、とか、イタリアにも寄って靴を買うぞ、などと選択肢は広がり、バルセロナは中継地みたいな感じになってしまった。
グラナダ滞在を挟んでバルセロナには計4泊したのだが、もっとじっくりあの街を散策したかったと強く感じる。
どことなく陽気な雰囲気が漂う一方で、カタルーニャ地方の気概みたいな力強さも感じられる奥深い街だった。
想像以上に街は綺麗だったし、地下鉄もタクシーも快適、飲食店の物価も手頃だし、整備された海岸エリアの近くに中世にタイムスリップしたようなゴシック地区もある。あてもなく散策するには楽しい場所だった。
バルセロナといえばガウディの建築物が有名だ。個人的にヘンテコ趣味にしか思えないので、4~5日もいたくせにサグラダファミリアを目にする機会はなかった。
上の2枚の画像はホテルの近くをさまよい歩いていたときに遭遇したガウディの代表作だ。やはりヘンテコである。何が良いのかピンと来ない。
ゴシック地区の古めかしい荘厳な感じの建築物の方に惹かれたので、ガウディさんには申し訳ないが、大聖堂やいくつかの教会は熱心に見学しに行った。
★画像クリックで拡大表示されます。
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さすがに世界的な観光都市だけあって教会も夜9時ぐらいまで開放されている。ライトアップされたゴシック地区の雰囲気は何ともムーディーだった。
知らない街を散策すると、連日簡単に一万歩以上歩くので実に健康的だ。疲れたらカフェに逃れて砂糖をたっぷり入れたエスプレッソで一休み。
私はコーヒーが嫌いなのだが、さすがにあちらの食事を続けていると、毎日何度もカプチーノやらエスプレッソが飲みたくなった。実際にがぶがぶ飲みまくったが、帰国してからは一切飲みたくならないのだから不思議なものだ。
街歩きをしながらちょこちょこ気になった風景を撮影したり、実に気ままな時間を過ごした。
市場に行っては1ユーロで楽しめるフレッシュジュースをグビグビ飲んで水分補給。ついでにスナップ撮影に励む。イマドキの小型デジカメの性能は昔を知る人間には有り難い限り。
イタリア・ボローニャに続いて靴屋も見て歩く。スペインも靴好きにとっては魅力的な国である。
2年前にパリに靴買い旅行に出かけたときも、スペインの名門紳士靴「CARMINA」の直営店を見つけ、セールに乗じてアレコレ買ってしまった思い出がある。
バルセロナでも直営店を覗いたが、運良く?気にいった靴に出会わずに済んだ。
とはいえ、なかなかニクい品揃えの紳士靴のセレクトショップを見つけて、「YANKO」、「MAGNANNI」をいくつか購入してしまった。スペイン靴は日本のデパート価格に比べるとかなり割安だったのでそこそこ納得である。
ホテルは「Avenida Palace」。立地の良さと広めの部屋が比較的安く手配できたので選んだ。その昔の高級ホテルという感じで、ややくたびれた印象だったが、それなりに快適に過ごせた。
地下鉄の駅は目の前にあるし、主要エリアには歩いて行けるし、老舗だからタクシーの運ちゃんにも場所がすぐ通じるのが便利だった。
この画像は部屋から見た夕方の風景。このホテルでも毎朝毎朝、クロワッサンの横っ腹をかっさばき、スクランブルエッグやらチーズやら生ハムをぶち込んで特製サンドにして食べまくっていた。
さてさて、食べ物の話だ。旅先でのドカ食いのために、旅行前に7キロほど体重を落とした。おかげで胃袋が小さくなったみたいで難儀したが、頑張ってあれこれ味わってきた。
イカ墨のパエリアである。画像で見ると得体の知れない無気味な食べ物のようだが、これが大当たり。シーフードの旨みが閉じ込められていて毎日でも食べたいぐらいウマかった。
こちらはショートパスタのパエリアであるフィデウア。初体験の食べ物だったが、海側にある「7PORTES」という老舗レストランで味わった一品は大当たりだった。
焦げ目のついた部分、アルデンテの部分、少しふやけた部分それぞれが渾然一体となった食感が楽しい。これまたシーフードの味がしっかりパスタに染みこんでいて「旨み」を愛する日本人好みの味だった。
でんでん虫である。カタルーニャ郷土料理の老舗に行った際に、看板料理だということで仕方なく頼んだ一品。一種の煮込み料理である。
味はごく普通。ガーリック風味をたっぷり効かせた一般的なエスカルゴのほうが食べやすいと思ったが、空腹だったので残さず食べた。
海外旅行に行っても持参したカップ麺ばかり食べる“ドメスティック男(ドメ男)”状態になることが珍しくない私だが、今回は現地メシをムシャムシャ食べ続けられたからバンザイである。
一番印象的だったのが、アンチョビのオリーブオイル漬けをトマトペーストが塗ってあるパンに載せて食べる一品。これも「7PORTES」という店で食べた。
スパークリングワイン(カヴァ)に合いそうなツマミとして頼んだのだが、目ん玉が飛び出そうになるほどウマかった。今でも恋しい。
この時飲んでいたのは、日本でもそこらへんのスーパー・マルエツでも売っているカヴァの「フレシネ」。これが最上級のシャンパンにも負けないほどウマいと感じられたほど相性バッチリで、グビグビ飲んでしまった。
大ぶりのアンチョビの塩加減と上等なオリーブオイルの風味に複雑なパンの味わいが混ざり合って「バルセロナ万歳!!」みたいな感じだった。
「バルセロナで飲む」という当初の目的を幸せな気分で達成した瞬間だった。
旅行記を書いているだけでまた行きたくなってきた。地域ごとの特色・個性が強いのがスペインの魅力らしい。違うエリアにも行ってみたいし、もっと色々なものも食べてみたい。
どうやらスペイン中毒になったみたいだ。
マイルはまだまだいっぱい余っているので、来年も行くような気がする。
2013年11月15日金曜日
グラナダ 魅惑のアルハンブラ
若造の頃、グレナデンソーダなる飲み物をよく飲んだ。ザクロのシロップがベースになっているとか。
スペイン・グラナダの地名も元々はザクロに由来しているそうだ。街中の看板や表札にザクロの絵が描かれている。
グレナデンソーダと関係があるのかは知らないが、ザクロはイスラム文化と関係が深いらしい。最後のイスラム王朝のあったグラナダでしっぽり味わいたいと考えていた。
いざグラナダに滞在してみたら、街歩きに疲れ果てて、日々レッドブルばかり飲みまくってグレナデンソーダのことはすっかり忘れてしまった。
そのぐらいグラナダの街歩きは楽しかった。スペインでもアンダルシア地方は一種独特な雰囲気で人気を集めている。イスラム支配時代の史跡が数多く残り、街を散策すると水タバコを置くアラブ風のカフェがあったり、どことなくエキゾチックな空気が漂う。
「世界遺産の中の世界遺産」とも言われるアルハンブラ宮殿が有名だが、その向かいの丘陵に位置するアルバイシン地区も集落全体が世界遺産に登録されている。
くねくねと迷路のように細い道が連なり、白壁と石畳で作られた旅情タップリの雰囲気が旅人を魅了する。
坂道ばかりで実際に歩くとヘトヘトになるのだが、それでもくねくね道をさまよいたくなる不思議な魅力がある。
この画像は、最近、週に5回はジョージクルーニーに似ていると言われる私(スイマセン)が佇んでいる画像だ。この場所は結構広いほうだ。これよりはるかに狭い道が続く。郵便屋さんとか宅配業者だったらノイローゼになるのは確実だと思う。
さて、グラナダのハイライトといえばアルハンブラ宮殿である。イスラム王朝がキリスト教勢力に駆逐された後もその美しさ故に破壊されずに残されたイスラム文化の最高傑作とも言われる歴史的遺産だ。
★画像クリックで拡大表示されます。
水面を映し鏡に利用したり、日の光を計算した透かし彫りなど、先人の技が随所に散りばめられている。
追放されたイスラム王朝最後の王が、宮殿を振り返って涙に暮れた話も郷愁を誘う。
クラシックギターの名曲である「アルハンブラの思い出」を旅行出発前にやたらと聞き込んでいたので、モノ哀しげな旋律が頭から離れない感じだった。
http://video.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%81%AE%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA
世界中から集まってくる観光客の3割ぐらいの人は、きっと頭の中で同じメロディーが流れていたはずだ。絶対そう思う。
もう半世紀近く生きてきたが、観光名所といわれるところで感動したのは、小学校4年生の時に見た姫路城以来である。そのぐらい感動した。よくわからない例えでスイマセン。
なんといっても部屋のテラスからアルハンブラ宮殿が見える。この土地に来てこれは最高の贅沢だ。中心地の広場まで徒歩2分だし、すぐ裏手の丘陵をのぼっていけば前記した白壁と石畳のアルバイシン地区である。
ホテルの前の石畳の小道は川沿いで清々しい空気に満ちている。夜は夜で宮殿の灯りや周りの建物の灯りに照らされ実にムードたっぷり。西洋人のキスシーンばかり目撃するハメになった。
部屋の作りも面白かった。ベッドルームとバスルームを結ぶ廊下が妙に長く、廊下の途中には洒落たテーブルと椅子がセットされている。廊下からはホテルの中庭が見下ろせる不思議な空間になっていた。
ちなみに前回書いたボローニャのホテルに比べると半額以下で泊まれる。こんな宿に1週間ぐらい滞在したら気の利いた短編小説ぐらい書けるような気がする。
さて、グラナダで印象的だったのがハマムである。アラビア式の公衆浴場とでもいうのだろうか。歩き疲れた身体を癒やすには最高だった。撮影禁止だったので興味のある人は公式サイト(http://granada.hammamalandalus.com/en/)を覗いてください。
アルハンブラ宮殿をモチーフにした幻想的な薄暗い空間に熱いお湯、ぬるいお湯、水風呂とスチームサウナがあって、マッサージコースとか垢すりコースがある。
水着着用の男女混浴で、なんとも神秘的な入浴体験が出来る。グラナダには二泊したのだが、二晩ともハマムでまったりした。露天風呂があれば最高なのだが、そこまで贅沢は言えない。
ブラジリアンカットのビキニを着た白人のオネエサンを眺めながら浮き世を忘れる。とかいいながら、きわどいビキニのオニイサンがサウナで私の横に寝転がってきたからビビったりもした。
グラナダ全体の物価と比べると料金が妙に高かったから、こればかりは観光客値段なんだろう。でも、1万歩以上歩いた日に大浴場に浸かって、足腰をマッサージしてもらえただけで万々歳である。
スペインといえば米ラバーの私としてはパエリアは外せない。バルセロナでもグラナダでも連日パエリアを始めとする米料理を攻め続けた。
ここグラナダでは老舗の人気バル兼レストランの「LEON」という店で食べたパエリアが美味しかった。店によっては塩が強すぎたり、米が柔らかすぎたり不満が残ることもあったが、ここはバランスが取れていた気がする。
まあ、たいてい空腹でかっこむわけだし、旅の高揚感もあって何でもかんでもウマいと感じてしまうのが真相である。
でも今回、結構な日数をスペインで過ごしたが、一度も日本料理屋に行こうとしなかったことを思うと、食べ物が口に合っていたのは確かだろう。
フィリピンあたりに行けば初日から和食屋に出かけ、美食の都といわれるパリですらカップラーメンをホテルですすっていた「ドメスティック野郎」である私としては画期的なことである。
次回はバルセロナのアレコレについて書きます。