東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2014年9月17日水曜日
ウマい函館
思い立って函館に行ってきた。画像は物思いにふける啄木さんである。
帯広、釧路方面に行きたかったのだが、3連休だったし、突然の計画だったので飛行機が押えられずに断念。
で、函館である。直前でも飛行機は取れたし、第二希望の宿も取れた。そんなに人気が無いのだろうか。ちょっと心配になる。
函館は勝手知ったる街である。軽く10回以上は訪ねている。土地勘もあるし、どの店の何がウマいとかマズいとかも把握しているつもりだ。
知らない街をぶらぶらする楽しさやワクワク感はまったく感じないのだが、その分、慣れ親しんだ居心地の良さがある。
とくに目的も無い旅だったので、読めずにいた本を数冊持参した。ところが、あっちで読んだのは行きの羽田空港で買った2冊の本のみ。
伝説のヤクザがどううたらこうたら告白したという本と吉行淳之介の娼婦小説集とやらである。意味不明の組み合わせである。
宿はベイエリアのラビスタ。高級ビジネスホテルという趣だが、ウリは最上階の天然温泉である。一応、濁り湯だし、サウナもあるし、露天風呂から一望できる景色も悪くない。
2泊したのだが、夕方早めの時間は割と客が少ない。その時間帯を狙って湯浴みタイム。iPodを隠し持ってサウナオヤジになる。その後のアルコールのために充分に干からびておく必要があるわけだ。
サウナの後の生ビールほどエクスタシーを感じるものはない。酒の肴は北海道の珍味である。ウホウホである。
最初の晩は「うに・むらかみ」に出向く。安い店ではないが、ミョウバンを使わない無添加の上等なウニを常備する店だ。
函館といえども無添加ウニを出す店は少数派だ。上等な本物のウニの美味しさは抜群である。これこそ「知ってしまった悲しみ」である。
知らないでいれば薬漬けの変なウニでも喜んで食べるのに、知ってしまった以上もうダメである。東京でも上等な生ウニ以外は食べなくなり、函館でもヘタな店ではウニを注文しなくなってしまった。正直、ちょっと不便である。
間違いなくウマいウニが食べられる「むらかみ」では、フレッシュな生ウニはもちろん、ウニを使った料理もアレコレあり、それ以外の海産物メニューも豊富だ。
この日、生ウニ以外に「ウニの醬油漬け」「ウニの佃煮」「ウニグラタン」などを注文した。
極上の生ウニなら東京でも食べられるが、佃煮や醬油漬けといった珍味はここならではの肴である。
とはいえ、この日の私のお目当ては活イカである。イカ刺しが好きなわけではない。普段お寿司屋さんでイカを頼むことすらない私だが、函館のマイカは別である。
なんといってもゴロと呼ばれるハラワタを生で食べさせてくれる。これが最高だ。一般的に塩辛を作る時の原料として認識されているが、やはり生が最高である。珍味界のデレク・ジーターだと思う。
こればかりは生きたマイカが必要である。輸送環境が良くなり、東京でも食べられないこともないが、やはりイカ釣り船の漁り火が名物の函館ならではの味だと思う。
今回は滞在中に2回イカのゴロ刺しを堪能した。ウットリしてヘロヘロになってメロメロになった。でも、まだまだ小ぶりだったので、機会があれば年内にもう一度食べに行こうかと画策している。
次の日の夜に出かけたのが、五稜郭にある「魚来亭」。ここも一風変わったウマいものを出してくれるオススメの店だ。
海鮮居酒屋系の安い店が多い函館だが、安さだけを強調するような店はさすがにダメダメである。平気で臭い魚介が出てくる。
お寿司屋さんも結構オススメの店は多いが、ネタが少なかったり、意外に地元の魚が少なかったり、オヨヨ?と言いたくなる店も多い。
魚来亭は、メニューの豊富さはもちろん、味も実に真っ当。ちゃんとした料理人が真摯に作業している印象の店。この画像のような妙に贅沢な焼おにぎりメニューもあって、財布が緩んでいる旅行者には危険?。でも、せっかくの旅先なら真っ当にウマいものを食べるべきだろう。
ちなみに、炭水化物は抜こうと思ったので、高価な焼おにぎりは注文しなかった。決してお金がなかったからではない・・・。
カニが好きだから機会があれば東京でもホジホジしている。いつも毛ガニである。だから今回は生け簀に入っていた小ぶりなズワイを一杯まるごと頼んだ。
一杯まるごとと言っても、さっき紹介した焼おにぎりぐらいの値段である。脚を刺身と炙りにしてもらって、ミソは甲羅焼である。
ついでだからズワイガニの塩辛なるメニューも注文した。エビミソの酒盗もセットでやってきた。いやはや冷酒のピッチがグングン速くなった。
板サンとのムダ話も弾んでしまい、イカの塩辛や山ワサビのツマミなどをサービスでもらう。
イカの塩辛は正しくショッぱくて、酒がグイグイ進む。山ワサビのツマミも口直しにとても良かった。
すりおろさず、小さめにコマ切れにした山ワサビにおかかと白ごまを混ぜて醬油で和えただけである。それを小さい冷や奴の上にドサっと載せて出来上がり。北海道ならではお手軽ツマミだ。
そのほかには、この店の名物であるウニ豊楽(卵とじ)やスジコ、生ニシンのタタキなどをもらって延々と冷酒を楽しんだ。醬油漬けのイクラが大手を振ってエバっている北海道だから、塩漬けのスジコが妙に新鮮だった。
いやあ、それにしても身体に悪そうなモノばかりである。塩分過剰、プリン体過剰、コレステロール過剰である。
そういえば、8月始めに受けた血液検査や胃カメラの結果をドクターに確認するのを忘れていた。検査に行っただけで満足してはいけない。
ちゃんとしよう。
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