東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2015年2月4日水曜日
味覚の劣化、ラーメン、ウナギ
寒いせいか最近ラーメン屋に行く機会が増えた。さほどラーメンが好きなわけではないが、ハフハフすると身体が温まるので冬場は行きたくなる。
でも、なぜかマズいラーメンにやたらと遭遇する。私の店選びが悪いのだろうが、空腹なのに半分ぐらいで残しちゃうこともある。
ギトギト、ベトベト、口に残る不快感等々。結構混雑した人気店でもそんなのが珍しくない。
味覚は極めて個人的なものだから、私の感想が正しいとは言えないが、それにしても「何じゃこれ?」みたいなラーメンが多すぎる。
世の中の大半のラーメンは今や若者限定の食べ物になってしまったのか、私の味覚が老化しているのか、きっといずれかかだろう。
先日も馴染みの「ゆで太郎」でかき揚げ蕎麦を食べようといそいそ出かけたのだが、すぐそばに大人っぽい?ラーメン屋を見つけて入ってみた。
店先に数々の雑誌で紹介された記事のコピーが自慢げに貼ってある。きっと人気店なんだろう。
食べてみた。残して帰っちゃうほどではなかったが一言でいうと「変な味」。醤油味といいながらドロッとしたくどいスープ、おまけに意味不明なユズの香りも漂う。
メニューの写真にはウマそうなチャーシューが写っていたのに、現物は白い部分ばかりの肉片だ。ラードの固まりを引き延ばしたような感じ。箸で持ち上げるだけで切れちゃう。
ゆで太郎に行かなかったバチが当たったのだろうか。
さてさて、味覚にも老化はあるらしい。ラーメンの失敗続きがそのせいだとは思いたくないが、最近は昔より味覚が劣化している気がする。
年齢とともに味覚センサーの役割を果たす味蕾(みらい)が減るらしい。普通は60歳を過ぎてからそうなるとのこと。私にはまだ早い。
老化以外にも味覚がダメになる理由は亜鉛不足である。インスタント食品ばかり食べていると正しい味を感知する機能が狂ってるくるそうだ。
やはり日頃の食生活をもっと大事に考えないといけない。
そうは言っても好きなものに対しては、しっかり自分なりにウマいマズいは判断しているつもりだ。
寿司を食べに行ってもネタが上等なのにシャリがウマくないとか、冬のカジキはもっと旨味があるはずだとか、ウナギを食べに行っても、自分の味覚を信じて結構コト細かく味のバランスをはかったつもりになっている。
相変わらずウナギラバーなので、暇な休日には近場の鰻屋さんで日本酒片手にまったりするのが好きだ。
今の住まいに引っ越してきて2年以上が経つが、自宅から半径1~2キロ圏内の鰻屋さんは大体覗いてみた。
専門店かつ、そこそこの体裁の店ならダメダメな店は希だ。酒の肴もあってウナギがそれなりにウマければ普段使いには充分である。
以前から自宅からほど近いJR大塚駅近くの某店に酒飲みがてらちょこちょこ出かけていたのだが、3ヶ月ほど前に別な店を見つけてからはそっちばかりになった。
家から歩くには少し遠いのだが、タクシーでワンメーター、タイミング良くバスが来れば10分もしないでたどりつける。
「大塚宮川」がその店。私が訪れる時間のせいなのか混雑しているのを見たことがない。初めて行った時は無人の店を見て逃げ出そうと思ったが、白焼きも鰻重も標準以上にウマい。
誰からも逃げ隠れはしていないが、私にとっての隠れ家みたいなものである。
ウナギ以外のツマミは少ないし、お値段も高めだ。でも、それはそれでガサツな酔客を排除する効果にもなっているから、ゆったりマッタリ一献傾けながらウナギを食べたい時には悪くない。
「宮川」と名がつく店は日本中に無数にある。実は大塚駅周辺には、ここで書いている店とはまったく別の「宮川」まで存在する。実に不思議だ。
同じ店名を名乗っていても暖簾分けが基本だから、当然店ごとに路線も味もそれぞれだ。
同じ名前だとついつい手垢のついたチェーン店みたいな雰囲気を連想して、漠然と敬遠したりしていたが、そんな先入観は正しくない。
最近でも荻窪の宮川も予想以上にウマかったし、銀座の宮川も悪くなかった。
こちらの宮川では、白焼きもバツグンだ。醬油ベースの専用タレを出すこだわった感じが嬉しい。お酒もキッチリ湯煎しているのか、実に正しい燗酒が出てくる。
いつも白身魚の薄造りやトロロあたりをツマミに燗酒をチビチビ楽しむ。ちょうど良いタイミングで白焼が登場すると冷酒に切り替えてグビグビする。
イチロー選手のカレーライスのように「白焼きと冷酒」は私の大事なルーティンである。最強の組み合わせである。生きている喜びを実感する。
抱かれてもいい、と書こうとしたのだが、ヌルヌルしたウナギの姿が頭に浮かんだからそれはパスだ。変態地獄になってしまう。
そして、ほろ酔い加減になったあたりで真打ち・鰻重の登場である。とはいえ、いきなりガッツクことはしない。蒲焼きの半分ぐらいは白米を無視して酒のアテにする。
チョロッとつまむたびに冷めないように蓋を開け閉めするイジイジした感じがまた楽しい。なんだかウナギ道?を書き始めるとキリがない。
今日は味覚の劣化について深く考察しようと思ったのだが、結局いつものウナギ賛歌になってしまった。ウナギの話を書いているだけですぐにまたウナギが食べたくなる。
いずれにせよ、ネットの風評やグルメ本とも無縁な近場のウマい店でホゲホゲしていると妙に嬉しく感じる今日この頃である。
ついでに言えば、私の大殺界は節分を機に終結である!。でも今年は厄年なんだとか。なんだか美人局に引っかかったようなサエない気分である。
ウナギでも食べて鋭気を養おうと思う。
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