先週の土曜日、私がメインボーカルを担当するオジサマバンドのライブが無事に終わった。
会場は六本木のライブハウス。今年も100名近くのお客様にお越しいただき大盛況だった。図々しく今後も続けていこうと強く決意した次第。
当日、お越しいただいた皆様、まことにありがとうございました!
今年でライブは4年連続になる。1年目は他のバンドがいくつか出演する中の一つとして参加した。友人達からのお世辞を真に受けてその後も続けることになり、2年目からは我々のバンド単独で奮闘している。
子ども時代からの同級生3名によるアコースティックバンドだが、昨年からはベースとドラムのサポートメンバーが加わって後半の数曲は重厚感仕様?にアレンジしている。
5人合わせて250歳である。だからどうしたって話だが、結構なオトナである。いや、オトナ以上かもしれない。その証拠にライブ翌日の疲労感が過去にないほど重かった。3日経ってもまだ腰が痛い。深刻である。
日頃の不摂生のツケである。たかだか50歳ぐらいでヘトヘトになっているようではダメだ。60歳を超えても永ちゃんとかハマショー師匠はあんなに元気である。
日頃、もっとスクワットしたり、散歩したり、女性のお尻を追っかけたりするべきだろう。大事な場面でもアクロバティックに組んずほぐれつしないと体力がどんどん落ちてしまう。
真剣に頑張ろうと思う。
さて、ライブ自体は例年来て下さっている方々から好意的な感想を随分いただいたので全体には良い感じにまとまったと自負している。
声も調子よく出た。今年は練習の際に例年以上に他のメンバーから歌い方や声の出し方にダメ出しをくらった。いつも泣きながらイジけていたのだが、今更ながらの歌唱指導のおかげで少しは進歩したのかもしれない。
他のメンバーも少しはトチったものの、逆にそれが会場の皆様に和んでもらう効果をもたらし、総合的には良い出来だったと思う。本番の緊張と興奮で狂いがちになるテンポも安定していたし、すべての面で毎年続けている成果が着実に出ていたと思う。
まあ、自画自賛ばかりでは進歩がないから、近いうちに反省会を開いて厳しい意見を言い合わないとなるまい。
今回、私にとって最大の難関がギターデビューだった。以前、このブログで、他のメンバーのソロ歌唱の際にバッキングでちょろっと演奏するだけだと書いたのだが、ホントはちょっと違った。
実際にはバッキングの他にサプライズ?的に私の弾き語りコーナーも用意してあった。
自分の知り合いには事前に言いまくっていたのでちっともサプライズ的な空気にはならなかったが、そのほうが結果的に気が楽だった。
「人様の前でギターを弾きながら歌う」
私にとっては歴史的大事件である。人生の一大事といっても大げさではない。
どれほどビビって、どれほど心細くて、どれほど逃げ出したくなったか。そんな繊細な私の心の動きを他のメンバーはおそらく知らない。
他のメンバーは思春期の頃からギターをいじっている。人前で演奏した経験だってある。私は「50の手習い」である。心臓ドッカンドッカンである。身体中のいろんな「部位」が縮こまるほどだった。
でも、自分のキャラ的にあまりビビりまくるわけにもいかない。必死に強がって過ごしていた。
だいたい、自分の弾き語りの曲以外に通常通りにボーカルに専念する歌がいっぱいある。そっちが私の大事な役割である。
開場・開演前のリハーサルでも、本心では「オレの弾き語りデビュー曲だけを100回やらせろ」と言いたかったのだが、そんなことはオクビにも出さずに全体のリハーサルに励んだ。
で、開演である。
前座と称して他のメンバーはステージに出て行ってしまった。楽屋には私ひとりである。
落ち着かないから芋焼酎・黒霧島をカッカっと飲む。ユンケルも飲む。喉スプレーもシュバシュバする、胃薬も飲む。怪しい薬物に手を出すミュージシャンの気分が少し理解できた。
本番が始まりステージに行く。1曲目、2曲目、なんとか順調に歌えた。それぞれの曲で歌詞を間違えたのだが、誰にも気付かれないようにサラっと流すことが出来た。このあたりが年の功である。オジサマでよかったと思う。
3曲、4曲と順調に進む。例年通り3曲目あたりから開き直りモードに入る。緊張感は消えないのだが、徐々に楽しくなってくる。
そしていよいよ私の弾き語りである。船越に似ていると言われるので船越コラージュにしてみた。
結論を言うとトチらなかった。それが事実である。人生初なのに一応スムーズに出来た。およそ200個の目玉に見つめられていたのに何とかなった。出来映えは別としてトチらなかったのは奇跡である。
とても喜ばしいことだが、そんな簡単に満足してはいけない。高い目標を持って精進しようと思う。
それにしても、中年になってから足を踏み入れたオヤジバンドの世界が確実に自分の人生に彩りを与えてくれていることが感慨深い。
「断らなさそうだ」という理由だけでボーカルに誘われ、いつの間にか深みのある趣味に発展して、おまけにギターまで始めてジャカジャカやるようになった。
自分の中では革命みたいな変化だと思う。そんな場を作ってくれたバンドメンバーには心から感謝である。
私が「弾き語りデビュー」した曲の歌詞を紹介したい。敬愛する浜田省吾師匠の「Walking in the rain」という曲だ。
I'm just walkin' in the rain
口笛吹きながら 襟を立て ずぶ濡れで
I'm just walkin' in the rain
I'm just walkin' in the rain
立ち止まり 何故かと尋ねても分らない
I'm just walkin' in the rain
どこか陽の当たる場所を
探したけれど 今も見つからない
So I'm walkin' in the rain
I'm just walkin' in the rain
何もかも 遠ざかる
I'm just walkin' in the rain
時々 誰かの温もり 慰められて泣きたくなるけれど
But I'm walkin' in the rain
I'm just walkin' in the rain
ひとりきりさ いつだって
I'm just walkin' in the rain
ひとりきりさ いつだって
I'm just walkin' in the rain
なかなか切ない歌詞である。シングル生活をしている私にはグッとくる内容だ。
やたらと「ひとりきり」を強調している歌詞だが、今回のステージでは真ん中にいる私を左右からサポートするバンドメンバーが卓越したギター演奏で要所要所をサポートしてくれた。
ちっとも「ひとりきり」ではなかった。有難かった。
「ひとりきり」などと気取っている暇はない。来年の春頃にバンド練習を再開したら、今年以上に歌もギターもスパルタ特訓が待っているはずだ。
ちょっとビビっている。
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