東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2017年7月14日金曜日
トレーダーヴィックスと自分史
人に歴史あり。半世紀以上生きていれば私にもそれなりに歴史はある。こんなことを書き始めたのは、とあるレストランに久しぶりに出かけて感慨にふけったからだ。
ホテルニューオータニにあるトレーダーヴィックスである。もう40年以上前からある。ポリネシアン風の独特な風情がウリだ。
http://www.newotani.co.jp/tokyo/restaurant/vics/index.html
イマドキのグルメ評論というか、グルメヒエラルキーみたいな世界とは別次元に位置しているような存在の店だ。そんな感じがアマノジャッキーな私にはすこぶる居心地が良い。
本家アメリカでもそれなりに由緒のある店として位置づけられている。ラムベースの人気カクテル「マイタイ」の元祖をウリにしている。ハワイのホテルもそう言っているので実際のところは分からない。
http://tradervics.com/our-brand/
私が初めてこの店に行ったのは中学生の頃。悪友の父親に招待されてナゼか二人きりで語り合った。
一種独特な雰囲気に圧倒された。お坊ちゃん育ち?だったから、そこそこ高級なフランス料理店やステーキレストランには行ったことはあったが、この店のエキゾチックな感じは未知の世界だった。
第一印象の強烈さはその後も影響するもので、すっかりファンになった私は、生意気にも大学生の頃には時々デートに使うようになっていた。
もちろん、店内奥に位置するレストランは値段が張るので、バーコーナー専門だった。南国リゾートを思わせるカクテルが数十種類も用意されている。イラスト付きのドリンクメニューを眺めているだけで楽しい。
名物のスペアリブを囓りながらここでグビグビ飲むのが若き日の私にとって憩いの時間だった。
世の中にスノッブなカフェバーブームが到来しようと、バブル時代にバブリーな店が登場しようとも、私のスペシャルな場所はこの店だった。流行に無縁の泰然自若な感じが好きだ。
その後、大人になってからはレストランもたびたび使うようになった。シーザーサラダを初めて知ったのもここだった。座席横でボーイさんが作ってくれるこの店の名物の一つだ。
なぜか会社のむさ苦しいオジサンと行ったこともある。大事なデートにもよく使った。誰といつ何回ぐらい行ったのか記憶が曖昧なのがチョット残念ではある。
いずれにしても、常に楽しい気分の時に出かけた店であることは間違いない。20代、30代、40代それぞれの時代ごとに何度も何度も楽しい時間を過ごした。
ちなみに、大学生の頃のとある夏の日、旅先のニューヨークで偶然トレーダーヴィックスを見つけた。かの名門・プラザホテルの中にデンと構えていた。
幼く見られがちな東洋人であり、実際に幼かったから場違いな視線を感じたが、そんなことは気にせず過ごした。勝手が分からないニューヨークでアウェイ感とは違う安心感があった。懐かしい思い出だ。
その数年後、トランプさんがプラザホテルを買収した際に、「自分のイメージには合わない」という理由でトレーダーヴィックスを閉鎖してしまい、ホテル・レストラン業界で非難ごうごうだったらしい。
あのオッサン、当時からゴーマンだったわけだ。
ウンチクが長くなってしまった。
この日、この店に行ったのは娘の誕生祝いが目的。甘甘パパとの二人ディナーである。楽しげな店だし、無数にあるカクテルの多くがノンアルコール仕様で注文できるから好都合である。
娘を連れてこの店を訪れる日が来たことが妙に感慨深かった。中学生だった私を初めて連れてきてくれた悪友の父親もその悪友自身も既に亡い。光陰矢の如しである。
この日は、スペアリブやシーザーサラダ、ラムローストや妙に高い焼きそばをワシワシ食べながら、父娘水入らずでいろいろな話が出来た。
父親の学生時代の話をやたらと聞きたがる娘に若気の至りみたいな話を正直に披露する。
今の娘とちょうど同じ年の7月にドンチャカ宴会が見つかって停学処分を食らった話などで盛り上がる。
そのバカ騒ぎ宴会は、わが男子校チームと某女子校チームの団体戦だったのだが、何の因果か、女子チームは、いま娘が通っている学校の面々だった。
つくづくアホな父親を反面教師にして欲しいと思う。
さてさて、私が大好きなこの店の「ポリネシアンパブの元祖みたいな雰囲気」は、娘の目にはどう映ったのだろう。
イマドキの女子高生がイメージする「お洒落なレストラン」とは違うだろうが、将来、思い出の一コマに残ってくれたら有難い。
娘の人生はまだまだ入口から少し入ったぐらいである。どんな道を歩むかは分からないが、節目節目に楽しく過ごせて記憶に残るような場所を見つけて欲しいものだ。
お久しぶりです!
返信削除良い話ですね。私もたまにニューオータニ行きます。
今度是非ご一緒させて下さい。
良いシガーお持ちします!
シガー大好き様
返信削除ありがとうございます!
ニューオータニはどこか落ち着く昭和感があって良いですよね。
トレーダーヴィックスのバーも確か葉巻OKだったはずです。