2018年3月2日金曜日

ズサンな銀行について


レインボーブリッジが出来てから25年も経つそうだ。ビックリだ。まだ10年ぐらいかと思っていた。時が経つのは早い。

山一証券が潰れたのももう20年前の話だ。大蔵官僚のノーパンしゃぶしゃぶ問題も同じ頃の話だ。アッという間である。

ノーパンしゃぶしゃぶ、行きたい行きたいと思いながらもう20年も経ってしまったわけだ。

ちょっと前の本だが、山一証券の破たんの裏側に迫った「しんがり」を読んだ。WOWOWでドラマ化された作品もアマゾンプライムのおかげで自宅でじっくり見ることができた。


主演の江口洋介が格好良すぎたことが引っかかったが、とても見応えのあるドラマだった。

「社員達は悪くありませんから!」。破たん会見で当時の社長が泣きながら叫んだシーンを覚えている人は多いだろう。

あの頃の社会は金融不安という言葉に覆われていた。実際、長銀や拓銀などが破たんして、国会論戦も金融関連が中心。

立憲民主党の枝野代表や自民党の石原伸晃、渡辺喜美あたりが政策新人類と呼ばれて一気に知名度を上げたことを思いだす。

山一は自主廃業という道を選んだため、直接には税金が投入されることはなかった。ただ、その後の金融再生法などの誕生により、大手銀行には公的資金という名の税金が注入される道筋をつけることになった。

あれから20年、金融不安、金融危機という言葉は聞かれなくなったが、今の銀行はカードローン問題という新たな闇を抱えている。遠からず世間を揺るがす大問題になることは確実だろう。

「サラ金より過激」。銀行カードローンの現状を表す言葉だ。返せる見込みの薄い人にまでジャブジャブと融資が続いている。

2012年に3.6兆円だった貸付残高は、いまや6兆円ほどまで膨らんでいる。貸金業者に課される規制は、「銀行はサラ金ではない」という理由、すなわち銀行法による“保護”のおかげで無関係。

だから、やりたい放題がまかり通っている。一応、自主規制の名目で融資に上限枠を設ける大手銀行もあるが、その上限枠もサラ金よりユルいのが実態だ。

金融庁の検査でも、すべての銀行で顧客状況の把握に課題が指摘されている。もはや異常事態だろう。

年収以上の金を貸す、主婦、アルバイトだろうと簡単に審査は通過、収入確認もいい加減・・・。何が起きるかは誰でも分かる。

多重債務者の大量発生だ。それが意味することは銀行にとって膨大な不良債権が貯まり続けるということ。

昨年9月にようやく金融庁が実態把握に向けた検査に乗り出したが、今まで何をしていたのかという疑問も残る。

すでに銀行の融資残高はサラ金の2倍以上。どこかのタイミングでにっちもさっちもいかなくなるのは誰でも分かる話だ。

いざとなったら公的資金、すなわち税金で救ってもらえる。今の制度ではそれが成り立つわけで、それを念頭にズサンな貸し出しが続いているとしたら納税者への背信行為だろう。

今のままでは無責任経営の尻ぬぐいに税金が使われる可能性は高い。その時、誰がどう責任を取るのか。銀行の当事者責任はもちろんだが、監督する立場である国の責任が徹底追求されて然るべきだと思う。

2 件のコメント:

  1. 何かと最近キナ臭いですね。昨日、もっと具体的なコメをしようかと思ったのですが風説の流布とか、なんちゃら言われそうで止めますた。おや、シンデレラのお迎えが来たようだ。

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  2. ポテ珍3号さま

    キナ臭い話、気になりますねえ。
    いずれにせよ、責任の所在が曖昧になるのは困りものですね。

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