2025年2月21日金曜日

キックを始めてみた

 

何を血迷ったのかキックボクシングを始めた。思いたって近所のジムに通い始めた。自分史?的には事件といってもいい。

 

いまさら誰かと戦いたいわけではない。試合に出る気もない。痩せるのが目的ではない。痩せたいが…。とにかく体力を増強したいのが目的である。

 

最初は体験コースに申し込んだ。事前のストレッチからウォーミングアップをした段階でヘロヘロになった。我ながら情けない。

 

その後、基本動作の指導を受けた。パンチにキックだけだが、キックボクシング流の動き方の基礎を反復させられた。

 

私は少林寺拳法の心得がある。もっともウン十年前の高校時代のことだ。いわば格闘技未体験歴もウン十年ということになる。

 

でも少林寺拳法の構えや動き方が一応身体に染みついているからキックボクシングとの違いになかなか付いていけない。構え方からして違う。どうにもシックリこない。

 

そんなことより体力が極端に無くなっているから簡単なワンツーパンチにしても10回も繰り返しているうちに足元がふらついてくる。

 

少林寺拳法との違いウンヌンなどと気取ったことを言っている場合ではない。とにかく身体が重いし体幹がフニャフニャなことを実感する。これが還暦間近のぐうたら男の現実である。

 

これを書いている段階でジムにもう3回も通った。ちょっと自分を褒めたくなる。生意気なことを言えばキックのフォームなど大昔に私が体得してきた形と比べるとどうにも理にかなっていないような気もするから、数年前の私だったらイヤになってとっととヤメちゃったはずだ。

 

でも続いている。継続は力なりである。形も理論もヘチマも関係ない。1時間ほど動くと有り得ないぐらいヘロヘロになるという事実だけが頼りである。続けられれば間違いなく体力が向上するのは間違いない。

 

帰り道、汗はいつまでもひかず、家までのわずかな距離も3キロぐらいに感じる。茫然自失みたいな状態で歩いて帰る。そのままヌルい風呂につかって一心地つくと風呂の中で寝落ちする。浴室内死亡事故に結構近い状態で過ごしている感じだ。

 

たかだか1時間の運動でそこまでヘバるわけだから通い始めてよかったと思う。身体って使わないと確実に劣化してサビついていく現実を改めて突き付けられた感じだ。

 

30代の頃、草野球に熱中していたことがある。夏場にピッチャーとして完投してバテバテになることがあった。中学高校時代の部活よりもヒドく疲れることもしばしばだったが、今回始めたキックボクシングは1時間でそれを凌ぐバテバテぶりである。

 



若い頃は身体も柔らかく前後開脚は180度ピタっと地面につけられるほどだった。自分より高身長の友人の頭の上を上段回し蹴りが通過することもできた。そんな私の今のキックは自分の腰の高さぐらいしか上がらない。何ともシャバダバである。

 

そんなヘタれたキックをミットで受けてくれた若いトレーナーさんは「脚、かなり上がりますね」などといたわりの目で私を励ます。

 

「世が世ならキミの顔面に余裕でハイキックを食らわせたんだよ」と心の中でつぶやく自分が切ない。年内には自分の頭ぐらいの高さにハイキックを出せるぐらい柔軟性も向上させたいと秘かに企んでいる。

 

それにしてもよくもまあこんなヘタれた体力で日々フツーの顔をして過ごしていられたものである。それ自体に驚く。

 

毎年恒例のオヤジバンドのライブだって結構な長丁場をフロントマンとしてこなしているわけだが、今更ながら不思議な気持ちになる。きっと緊張感やらアドレナリンやらがギリギリで私をサポートしてくれているだけなんだろう。

 

ここで書いてしまった以上、簡単にジム通いはヤメられない。たかだか週2回のコースではあるが、最低でも年内は辞めないよう頑張るつもりだ。

 

正直、ちょっと自信はないのだが…。

 

 

 

 

 

 

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