先週、フィルム時代に撮影した水中写真を整理している話を書いたが、いまどきの画像処理ソフトの優秀さには恐れ入る。ちょっとぐらいひん曲がって撮れた画像も簡単に修正できるし、明暗なんかも相当の幅で調整可能だ。
これまでは、カメラを買ったらおまけで付いてくる画像処理ソフトをチョコチョコいじっていた。それで充分なのだが、考えてみれば我が社の制作チームのもとには最先端のプロ用画像処理ソフトがある。デザイナーに使い方も教えてもらえる。
で、試してみなきゃ損とばかりにアレコレいじってみた。膨大に保存してあるフィルム時代のネガのうち、ある程度気に入った写真は簡易なスキャナーみたいな装置でデータ化してある。それらをまとめて補正してみた。
退色していた部分が甦ったりして妙に楽しい。微妙な調整も思ったより効果がある。
最近、私がデスクで難しそうな顔で集中している時は、たいてい画像処理ソフトで遊んでいる時だ。
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昔、敬愛する水中写真家の中村征夫さんが「水中顔面博覧会」なる写真集を出した。かわいい顔、とぼけた顔、奇っ怪な顔。魚にもいろんな表情があることを再認識した。
そんな影響もあって、魚の顔を前から撮影するのが好きになった。だいたいはカメラを警戒して緊張気味の表情だが、普段はもっと顔つきが穏やかだったりするから、そのギャップを見るのも楽しい。
でも「撮ってやるぞオーラ」が強く出てしまうと、その殺気に魚は敏感に反応して逃げてしまう。被写体を見つけても目を合わさずに知らん顔して少しずつ距離を縮め、パっと撮影するのが大事なコツだ。
画質は落ちるが、素人が趣味で楽しんでいる分にはこのぐらいの状態で保存できれば御の字である。
さて、前回の更新時に「半水面写真」の話を書いた。超広角レンズを使って水中と水上を同時に写し込む写真だ。
水面に水着姿の女性がいれば構図が作りやすい。
辺鄙な島になぜか一人で来ていた日本人Tバッカー。宿が一軒しかない小さい島なので言葉を交わすようになり、そのTバックぶりに圧倒されながらも半水面写真のモデルをお願いした。
もっと接近しないと狙い通りの写真は撮れないのだが、親しい間柄でもないし、こちらもウブな若者だったので、遠慮気味にカメラを構えた。
初めて見るTバック水着である。大興奮である。漏れ出る鼻血をものともせず、若さ故に前屈気味の姿勢?でバシバシ撮影した。36枚しか撮れないのが実に歯がゆかった。
翌日も再度の撮影をお願いした。ちょっと図々しくなって「半水面」という意図もどっかに飛んでいき、ただただ「尻画像」を撮っていた。
時は流れて、中年どっぷりになった今、ふと「Tバック好きのMっぽい自分」に気付くたび、あの日の体験を思い出す。
長年、南国を旅してきたのだから、もう少しロマンチックな思い出があっても良さそうだが、映画のようなランデブーなど間違っても存在しない。
残念ながらそれが真実である。
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