2013年5月22日水曜日

高級スーパーの魔力


スーパーマーケット。子供の頃から割と好きだった。親の買い物にちょこちょこついて行き、おやつにバッテラの押し寿司を買ってもらうことが大好きだったこともある。

まだコンビニが普及していない時代だったから、必要な買い物はスーパーで揃えるのが日常だった。

最近は、100円コンビニとか、たたき売りに命をかけるようなスーパーが増えた。ごくごく平凡なスーパーも品揃えに工夫を凝らし、一方では高級路線にシフトしたスーパーも人気だ。棲み分けがしっかりできている感じだ。

高級路線のスーパーはアレコレと見ているだけで楽しい。ついつい余計なものまで買ってしまうが、妙にウキウキする。

スーパーが高級路線かどうかは、レトルトカレーの品揃えで一目瞭然だ。今では100円で買えるレトルトカレーだが、価格帯は実に幅広い。高級スーパーに行くと500円クラスはザラで、1食分1000円なんて強気な商品もある。

カレー専門店まで出かけていったほうがウマいはずだが、そこは高級スーパーの魔力だ。わざわざ置いてあるんだからきっとウマいはずだと思い込んでしまう。

で、高級レトルトカレーだが、100円で売っているカレーよりも3倍か4倍は美味しいと思う。10倍ウマいとは思えない。すなわち高すぎるという結論だ。

ちなみに私がイメージしている高級スーパーは「クイーンズ伊勢丹」「成城石井」あたりの路線だ。それ以外には都内某所にちんまり店を構える「エスカマーレ」も捨てがたい。

高級スーパーの楽しみは鮮魚、精肉が結構侮れない点にもある。もちろん、お手頃な価格帯の商品もあるが、本マグロの赤身が5切れぐらいで1000円とかだと、ついつい惹かれてしまう。

居酒屋で頼んだ方が確実に安いような刺身数点を買い込み、家で寿司飯を作れば、かなり豪勢な寿司パーティーが楽しめる。

高級スーパーだと寿司酢も高級品が売っている。そんなものも買い込んで、せっせと寿司飯作りに励むと妙にワクワクする。わざわざ買ってある白木の桶に熱々の炊きたて飯を投入、寿司酢を合わせて職人気分でシャリ切りである。

買ってきた刺身は自慢の備前の大皿に慎重に盛りつける。あとはウホウホ食べるだけである。

握りは無理だが、それは大した問題ではない。海苔さえあれば巻き寿司になるし、何よりも刺身とともに大好きな酢飯をアホみたいに頬ばれる。至福の時間だ。

他にも毛ガニ食いが好きな私にとって、高級スーパーは頼もしい味方だ。この季節、しょっちゅう毛ガニに遭遇する。1杯2~3千円ぐらいで楽しめるのだから北海道居酒屋で食べるよりも気楽だ。

5千円クラスの毛ガニも見かけるが、不思議なもので高ければ高いほど「絶対にウマいはずだ」と確信して買ってしまう。外食に比べれば安いものだと無理矢理な屁理屈で自分を納得させる。このあたりは富豪?ぽい行動パターンだ。

でも、高級スーパーで毛ガニだのウニだの本マグロだのを買い込むとかなりの散財になる。正直、寿司屋に行けば良かったと後悔することも多い。そんなことでウジウジしているから本物の富豪にはなれないのだろう。

日々、簡単で効率的でウマいものが食べたいと思っている私にとって、高級スーパーに常備してある生パスタも有り難い存在だ。茹で時間3分ぐらいだから手軽だし、食感も良い。出来合いのパスタソースも最近は結構マトモな商品が多いから、実に簡単に真っ当なパスタが完成する。

出来合のパスタソースに好みで香辛料を足したり、上等なオリーブオイルやスパイスを振ったりすればかなり本格的な味になる。

レトルトカレーとは異なり、レトルトパスタソースは200~300円クラスで高級?路線だ。もう少し高くてもいいから、もっとバラエティに富んだ商品が登場しないか常々期待している。

調味料の品揃えも高級スーパーの面白いポイントだ。醤油やポン酢とか各種のつゆだってアホみたいに高い商品がゴロゴロ置いてある。

先日もそうめんつゆの妙に高いヤツに手を出したが確かにウマかった。ポン酢の高いヤツは、やたらとゆずの香りがキツかった。こういう実験を繰り返すのは結構楽しい。


先日購入した「高級ウスターソース」である。日頃、ソースマンとして生きている私なのに自宅にあるのはごくごく平凡なブルドックソースである。

かつて、洒落たラベルの洒落た値段のウスターソースを買ったところ、ちっともウマくなかったので、今までは平凡なソースで満足していた。

ところが、この日見つけた高級ソースは、天下のブルドック様の上級バージョンである。迷わず買った。熱々のクリームコロッケで試してみた。

「たかがソース、されどソース!」と叫んでしまった。ウマい。ちゃんと値段の違いを実感できる。後味がスッキリ、実にハンサムな?味がした。

「知ってしまった不幸」である。知ってしまった以上、今後は平凡なソースマンとしては生きていけない。既に各種の高級ソース研究に励む決意バリバリである。

高級スーパーには「知らなきゃよかった」と思える商品や世界がいろいろある。

幸か不幸か、実に悩ましい問題である。


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