2014年5月30日金曜日

ベッド敬語、ベッド方言


すっかり普及したイマドキ言葉が「萌え」である。私自身、いっぱしの中年なのにメールなどでは、ついつい使ってしまう。

元々の言葉の意味は、草や木の芽が出ることを意味しているが、いまではチョットした興奮とかフェチっぽい好意を表わすような場面で使われる。

「グロスでテカった唇に萌え~」とか「パンストの伝線した部分に萌え~」とかそんな感じである。ちょっと例えが変か・・・。

「燃える」が転じて同音の「萌える」になった説とか、心の中が春めいた感じになることを草木の芽が伸びることに例えたという説もあるらしい。

こんな事を書き始めたのは、ネット上で「敬語萌え」なるジャンルが存在することを知ったからだ。

年上の男性に敬語で接してもらうのが大好きな若い女性とか、家族内でも敬語を使う人とか、敬語で話してくれるお嫁さんを長年探している人とか、結構いろいろなパターンがあるらしい。

なんとなく分かる気がする。私も個人的に敬語をしっかり使える人は好きである。

仕事上で長い付き合いのある20歳以上年上の紳士がいる。もう長年親しくしてもらっているが、年下の私にも敬語を欠かさない。なかなか出来るものではない。カッチョ良いと思う。

馬鹿丁寧になる必要は無いが、それなりに敬語を交ぜることで、親しい間柄にも節度を持たせることが出来る。結構大事なマナーであり、センスだと思う。

「わかった~」と「了解しました~」。メールのやりとりでよく目にする言い回しだ。この程度の「ですます言葉」は親しい間柄でも使ったほうが気持ち良い。他人行儀だとは思わない。

ちなみに、それぞれの言葉が別の女性から発信されていたとしたら、後者の女性のほうが魅力的に思える。思い過ごしだろうか。

敬語を好むなどというと、自分が相手より優位に立ちたいとか、力関係を意味しているように思われそうだが、そんな大げさなことではない。

単純に適度な敬語が持つ音感のしなやかさ、真っ当な言葉を耳にする安心感みたいな感覚が心地良いのだと思う。

なんだか話が堅苦しくなってきた。実はそんな大層な話を書こうと思ったのではなく、「敬語萌え」というテーマから、さりげなく「ベッド敬語」に話題を移そうと企んでいただけである。

以前、日本を代表するエロリスト?みうらじゅん大先生が週刊誌上で「ベッド敬語」こそ「エロの神髄」だと説いていた。

「お任せします」、「私をメチャクチャにしてください」、「そこはダメです」といったセクシャルな場面での敬語のパワーには凄いものがあるという主張だ。

結論としては、昨今の若者のセックスレスは「敬語レス」にこそ原因があるという崇高な洞察である。

イマドキ言葉でいうなれば「禿同」、すなわちハゲしく同意である。

敬語萌えが発展すれば、ベッド敬語フェチとしての世界につながっていく。

ベッド敬語の世界も、突き詰めると奥が深い。職業別のジャンル細分化なんてパターンもある。

デパガとかキャビンアテンダントとかバスガイドさんあたりと仲良くしている男性が、そっち系の専門用語を駆使してもらって楽しいひとときを過ごすわけだ。

確かに萌えそうな話である。

イメクラとかの風俗系でも、シチュエーションとして人気が高いのは「先生と生徒」、「社長と秘書」、「万引きを見つけた店長と見つかった主婦」みたいなパターンである。

そうした状況ならば敬語は不可欠である。敬語萌えの変態型発展系とでも言うべき姿だと思う。もしかすると、ベッド敬語に持ち込むために、わざわざそれらのシチュエーション設定に凝るのかもしれない。

さて、ベッド敬語の素晴らしさに勝るとも劣らないほど極上?なのに見過ごされがちなのが「ベッド方言」である。

「方言」の部分は「関西弁」や「博多弁」、はたまた「東京弁」など、好みのエリアの言葉を充当すればいい。

私の場合、生まれも育ちも東京だから、東京以外の地方言葉はすべて新鮮に聞こえる。

色っぽいシチュエーションになった時に「あかへんがな」とか「ウチがしちゃる」とか「そげんとこ、あかん・・・」などと言われた日には卒倒すること確実である。

それとは逆に、地方出身の女性から、べらんめえ調でテンポ良くアレコレ言われると興奮すると告白されたこともある。

人それぞれである。

個人的には学生時代に知り合った京都の女性から、京女の必殺ワザ?である「ほんま、いけずやわ~」を聞かされて気を失って以来、京都とか神戸などの西の言葉に結構そそられることが多い。

今でも、知り合った女性の出身地が西日本方面だと知るたびに、ベッド方言を瞬時に連想してしまう。かなりの変態である。

ベッド敬語とベッド方言。この二つに包まれて生きていければ幸せだと思う。

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