東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2018年6月27日水曜日
大衆酒場 ジャンクへの愛
やさぐれた気分の時に目指すのが大衆酒場である。「モツ煮にホッピー」みたいなパターンである。
やさぐれた気分っていうのが自分でもよく分からないが、1年365日もあればそんな日もある。
「雑な感じ」に身を置きたくなるような気分の時だ。不思議とそういう時は「ちゃんとした感じ」から身を遠ざけたくなる。
キチンとした店のキチンとした感じが重ったるく感じて、ちゃんとした料理のちゃんとした感じを敬遠したくなる。
そんな気分の時って誰にでもあるのではなかろうか。私だけだろうか。だったら困る。
もちろん、大衆酒場がちゃんとしてないわけではない。高級店に比べれば不必要に居ずまいを正す必要がないという意味だ。
足を組んだまま斜めに傾いた姿勢で酒をズズズっとすするのもアリだし、タバコを手にしたまま食べ物を口に運ぶのもアリだ。行儀の悪さを気にしないで済む寛容さがある。
鼻毛を引っこ抜きながらホッピーを飲むなんて芸当は着物姿の仲居さんがいる料理屋では無理だ。でも鼻毛を引っこ抜きながらホッピーを飲みたい夜もある。
遠慮なくゲップをかましながら大あくびするなんて芸当はフォークとナイフを並べている洒落た店では無理だ。でもそんなユルユルした態度で過ごしたい夜もある。
イキな男や本当の紳士ならば、どんな安酒場だろうとキリっと背筋を伸ばして静かに盃を傾けるのが正しい。それは分かっている。そんな男になりたいものだが、凡人にはそれが出来ない。
雑な状態の中に身を置くと、大げさに言えば鎧兜を脱いだような軽快な気分になる。昼間の放電がじんわりと充電される感じ。
こんな飲み物をガーって飲み干す感じにもワクワクする。「カチカチレモンサワー」なる飲み物だ。要は凍らせた大量のレモンをチューハイにぶち込んである。
暑い季節には最高だ。上野の大衆酒場で飲んだ。上野という場所がミソだ。アメ横のそば、御徒町にも近い側にディープな大衆酒場が集まっている。
一種の観光名所的なエリアでもあるので、客層は普通である。ケッタイなおっさんがクダまいているパターンは意外に少ないように思う。
あえて名前は書かないが、もっとディープな下町エリアなら普通の人が少ない。私が大好きなテレビ番組「月曜から夜ふかし」で扱われるようなグダグダな街だったら、独特の空気感に気圧されちゃったりする。
最近やたらと目に付くようになった関西風の串揚げ屋も好きだ。なんてったって「ソースマン」である私にとっては、どんな具材だろうとソースで食べるという分かりやすさが嬉しい。
エビやキスのような魚介類も自分がソースをまとわされるとは予想しなかったはずだ。そう考えると、醬油派とソース派に二分されるアジフライだって、ソースこそが正解だと胸を張りたくなる。
紅ショウガやチーズ、タマゴといった変わり串だろうとソースが女房役になるわけだ。バンザイである。おまけに安い。
富豪を目指している私だから、フトコロに余裕がある時もある。そんな時でも大衆酒場のほうが快適な時もある。値段の問題ではない。
何だかんだと結局はジャンクフードっぽいものに郷愁を感じているのかもしれない。ハムカツやマカロニサラダなんかが出てくると条件反射のように興奮する。
ジャンク魂を揺さぶる究極の存在がペヤングだが、いま話題のギガマックスが気になって仕方がない。食べた人の意見は皆同じ。「味は普通のペヤングですよ」である。
そういう問題ではない。1.3リットルの熱湯を用意するという非常識な感じや、単に普通のペヤングを4つ入れてある安易な感じにジャンク業界の王道っぽさを感じる。
4つ分のペヤングにソースをかけてワシワシと混ぜ合わせる作業がやってみたい。立て続けに大口開けて頬張っても残りの分量を気にしないで済むという贅沢感に浸りたい。
ここ数日、そればかり考えているのだが、50歳をとっくに超えたオジサマとしては、ついブレーキをかけてしまう。そんな自分で残念でならない。
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