2026年3月30日月曜日

台所の時間

 

「いつも台所にいるわね」。同居する娘にそう言われた。確かに自宅にいる際は台所付近にいる時間が長い。一番の理由は換気扇の下でタバコを吸うからだ。台所の端に置いてある小さい椅子が私の基本ポジションである。

 

タバコ以外にも休みの日は料理の真似事をすることが多い。娘から見れば私が家にいる時はいつも台所に陣取っている印象が強いのだろう。

 

家庭生活からFA宣言して15年ぐらい経つ。さすがに家事全般をそこそこにこなせる。面倒なことは毎週来てくれる家政婦さん任せだが、細かいことはちゃんと自分で解決している。

 

料理の真似事と書いたのには理由がある。男子厨房に入らずなどと気取ったことを言う気はさらさらないが、本格的に料理に励むことにナゼか抵抗があるせいで、あくまで安直な作業にとどめている。

 

まな板と包丁を使わない。これが私のポリシーである。切る必要があるものはすべてハサミで処理する。実際にそれで困ったことは一度もない。

 

素材もすべて安直なものに頼る。何かと必要なタマネギにしてもスライス、みじん切りともに冷凍食材を常備している。肉を炒める時などタマネギを頻繁に使うのだが、丸いタマネギを一からカットしたことは皆無だ。泣くのもイヤだし。

 

味付けも多くが出来合いの食材を使う。炊き込みご飯やドライカレー、パスタソースなどそれぞれの「素」みたいな市販品を使ってあとから好みの調味料を加えて面白がっている。

 

たとえばミートソースの場合、市販のパスタソースに大量の挽肉を追加投入してそこにウスターソースやらケチャップやら冷凍みじん切りタマネギを加えて独自の仕上がりを目指す。

 

最近、我ながら上手く出来たのがリゾット風の一品だ。「チキンフリカッセ用ソース」という「メゾンソワレ」というブランドのレトルトがベースだ。クリームシチューみたいなヤツである。

 



チキンをハサミで適当なサイズにカットして、エリンギ、ぶなしめじも加えてフライパンで加熱するだけだ。味見をしたらちょっと濃い感じだったので冷蔵庫にあった牛乳を適当に加えてみた。

 

ところが牛乳が多かったせいか何となくシャバシャバになってしまったので路線を変更してみた。ご飯をぶち込んで溶けるチーズやらワインを追加投入して混ぜ合わせてみた。

 

これが大当たり。チキンとキノコのチーズリゾットとしては他人様からお金を取れるぐらいウマい一品になった。目分量で適当に仕上げたから再現できそうにないのが残念である。

 

チキンライスもよく作るメニューだ。こちらはご飯と鶏肉、冷凍みじん切りタマネギ、塩コショウ、ケチャップやソース、粉末コンソメ、バターがあれば一から簡単に作れる。とはいえ、世の中にいくつも出回っている混ぜるだけのチキンライスの「素」を使ったほうが味が締まる。今までもいろんな市販品を試してきた。

 



先日、職場にほど近い明治屋スーパー本店を散策していたら見かけたことのないチキンライスの素を見かけた。並んでいるその他の商品とは異なりわざわざその商品が置かれた棚には手書きの説明カードが貼ってあり“感激の味”だとPRされていた。


京都にあるパパヤソースという会社の人気商品らしい。他にもナポリタンソースやカルボナーラソースなどあれこれ販売している会社みたいだ。「懐かしい喫茶店の味」をウリにしているみたいで私としては買わずにはいられない。

 

さっそく購入して鶏肉や生マッシュルームなど必要な食材を用意して作ってみた。何だか妙に美味しい。旨味、甘み、コクなどのバランスが実に良い感じだ。昔ながらの王道チキンライスの味になった。クセになりそうだ。

 



これをベースにソーセージやその他の具材を入れてナポリタンみたいなソースに仕上げてパスタ麺に絡めるのもアリかもしれない。

 

エンゲル係数みたいな概念が欠落している独身オヤジだからこういった「素」みたいなものをコストを考えずに買っている。主婦だったら手を出さないようなものも平気で買ってしまう。

 

手間と労力をお金に換算すれば結構な金額になるはずだ。そこを省略する分、それなりにコストはかかるのは仕方ない。でもそれで好みの味に出会えれば安いものだと思う。

 

世の中にはまだまだ未知の「素」がたくさんある。もはや料理の真似事が趣味になってきた私としては今後出会うであろう逸品探しが結構楽しい。

 

 

 

 

 

 

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