MC台本もそろそろ仕上げないとならない。素人なりに楽曲構成や演出を考えているので、ただ歌って演奏するだけならもっとラクチンだと思う。
基本的には3~5人体制であれこれと演奏するのだが、今年は楽曲によっては最大8人編成になる。練習も一堂に会することは難しく、これまで各パートごとにメンバー間で何とか調整してきた。
3曲だけ参加してくれるドラマーは、わがバンド史上最年少である。少年と呼んでいい年齢だが、ドラム歴は8年だとか。中核メンバーである我々母校の後輩でもある。本番の緊張感とどう向き合えるかがポイントだろう。
春から数えて10回以上は練習を重ねた。当初は中核メンバーである同級生3人だけでカラオケボックスで呑気に過ごしていた。その頃に比べると別次元の仕上がりになってきた。
マッサラなところから形を整えていく作業は楽しい。クリエイティブなどと言うとキザったらしいが、アーでもないコーでもないと創意工夫して、一つの曲がうまく収まった時は結構な満足感がある。これが面白くて今まで続けてこられたのかもしれない。
クリエイティブといえば、オリジナル曲である。ヒット曲のコピーですら自分達仕様に仕上げるのに四苦八苦するが、オリジナル曲はまったくの「無」から始めるわけだから仕上がった時の満足感は大きい。
今年は新曲と5年ほど前に作った曲の再演を予定している。素人の知らない歌を聴かされてもお客様としては退屈だ。もっとオリジナルを増やしたい気持ちを抑えて2曲だけに留めた。
5年前にこのブログで自作曲についてアレコレと書いた(http://fugoh-kisya.blogspot.com/2014/10/blog-post_27.html)のだが、今も思うのはプロの作詞家の語彙力の凄さだ。
野球選手が千本ノックを受けて守備が上達するように、趣味の世界とはいえ、ただただ数をこなして歌詞を作り続けるほかには進歩する方法はないのだと思う。
今日は今年のライブで披露するオリジナルの2曲について自作の歌詞を載せてしまう。
まずは5年ほど前に作った、いわば不倫の男女を描いた歌だ。「絡まる糸ならば ほどかずにいればいい」という歌詞が個人的には気に入っている。
スパイダーリリー
まぶしく光る月
妖しく香る波
ガムランの響き風に漂う
甘噛みに肩が染まる
吐息に濡れる夜
つかの間のハイダウェイ
刹那に微笑む共犯者たち
ミスキャストはいらない
苦しげなため息を
唇でふさぎ込み
溢れ出る夜露 指でぬぐい
答えなど求めずに
未来など求めずに
溺れていたい
ロータスの花が開くまで
風にそよぐ稲穂
黄昏が近づく
暗闇を待ちきれず
ほとばしる熱情
この時を刻み込む
恥じらいもむき出しのまま熱く
険しく踊り続ける
裁かれる日が来ると
分かっているけれど
止まらない思い 胸を焦がす
そしてまた絡み合う
溶けるまで絡み合う
狂おしく咲く
スパイダーリリーのように
ああ二つの影 揺れてる
震えるように
寄り添いながら結ばれぬ
行き止まりの旅
裁かれる日が来ると
分かっているけれど
止まらない思い 胸を焦がす
そしてまた絡み合う
溶けるまで絡み合う
狂おしく咲く
スパイダーリリーのように
次は新曲だ。12月のライブに合わせて今年の夏の暑さの中でクリスマスを必死にイメージして作った歌詞だ。
長く付き合ってきた男女を想定したラブソングである。作詞した私も作曲したメンバーも独身である。そんなもんだ。
ちなみに、ラブソングは単なる男女の好いたハレただけでなく、親が子供に向ける愛情に置き換えて聴いてみても成立すると思う。
Christmas for you
イルミネーションの中
はしゃぐキミの笑顔
時が止まればいいと願う
すれ違った日もあった
離れていたことも
今では不思議な過ちかもね
どこかで響くキャロルの音色に
キミは足を止めて
イタズラなまなざしで僕を見つめ
「ロマンチックは苦手でしょ?」
そう言って肩をすぼめた
メリークリスマス フォーユー
今夜だけは 照れずに 言うよ
メリークリスマス いつも
そばにいて
その胸の鼓動を感じさせて
僕のポケットの中
つないだ指の強さ
それがキミの答えなのかな
若かった日の出会い
無器用なままで
いくつもの季節を過ごしてきたね
歩んできた道も折り返して
いま思い出すのは
悔しさやつらいことばかりだけど
キミに会えたこと ただそれだけで
何よりの幸せ
メリークリスマス フォーユー
大好きなんて 言えないけれど
メリークリスマス これが
キミに贈る
精一杯の 愛の言葉
冬の夜空に 浮かぶ白い星
月明かりがキミを照らしている
いつの日までも 絡みつく心は
ほどかずにいるよ
メリークリスマス フォーユー
聖なる夜に いま誓う
メリークリスマス キミの
笑顔だけは 守り続けていくよ