3年ぶりにバンドライブを無事に終えることが出来た。この前の日曜、例年使っている南青山のライブハウス「マンダラ」でしっかり2時間半のステージをこなしてきた。
私が歌う箇所をすっ飛ばしたところもあったが、他のメンバーは練習の時以上の力を発揮してくれた。個人的には大満足の結果となった。
これって凄く幸せなことだ。この歳になって大勢の人様の前で声援を受けながら普段はプロが使うステージで音楽仲間や友人とワイワイ楽しめるのは得がたい体験である。
成り行きで何となく始めた音楽活動が10年も続いて今ではそれっぽいライブをこなしている。音楽的な趣味や素養と無縁で生きてきた半生だったから我ながら不思議な気持ちがする。
今回初参加となった同級生新人ドラマーは2曲だけ担当したのだが問題なく決めてくれた。この夏、急きょ参加が決まり初めてスタジオ練習に招いた時にはオヨヨ状態だったのだが、猛練習の成果が本番当日にしっかりと出た。
もう一人、初参加の腕っこきドラマーは抜群のテクニックでライブ中盤から後半の盛り上げに大いに貢献してくれた。40歳の彼はドラム一つで極端に歌が歌いやすくなることを教えてくれる卓越した技能の持ち主。来年も参加してくれるようで有難い。
普段は控えめな同級生のベース担当も今回は積極的に前に出る感じでノリノリの曲に深みを与えてくれた。練習の際も口数少なめながら時折ふと核心に迫る意見を出してくれたから有難かった。
わが姪っ子はキーボード、バイオリン、ウクレレ、カリンバを取っ替え引っ替えしながら便利屋的に大活躍。彼女のソロ歌唱曲の練習では伴奏するメンバーに細かく注文をつけるから何かと大変だったが、トータルでオジサマバンドに花を添えてくれた。
エレキギター担当も美しいメロディーを随所にキッチリ入れてくれてベテランならではの安定した腕前を披露してくれた。哀愁系、賑やか系いずれもイメージ通りの音をキッチリ奏でてくれた。
ステージの前側に陣取る私を含む同級生基礎メンバー3人はそんな面々のおかげでただただ楽しい時間を過ごすことが出来た。その3人の名前がバンド名の元になっているのだが、そんなバンド名のままでは申し訳ない気がしてきた。
実は先週の前半に体調を崩しかけて結構な喉痛が襲ってきてかなりビビっていた。扁桃腺炎になった時のための抗生物質や消炎剤をストックしてあったので速効で飲んでゴマかしていた。
おかげで楽屋で飲んだ酒にしっかり酔ってしまった。これは誤算だった。これまで本番前の楽屋では緊張のせいでいくら飲んでもちっとも酔わなかったから、その感覚でリハーサル後にシードルと焼酎をチャンポンしていた。
気付けば本番10分前。ちょっとクラっとしながら衣装の一部も忘れたままでステージに向かう。あれ以上酔っていたらちょっとMC進行が危なかったかもしれない。というわけで、一曲目をどんな感じで歌ったのかよく覚えていない。
10回近くライブを経験したが、本番前に酔ったのは初めてだ。これってもしかすると「こなれたベテラン」になった証かもしれない。緊張感が高まっていると酔えないはずだから見方を変えれば緊張していなかったことになる。
前日までの体調不良がおさまり、本番当日の集合時間に総勢8名のメンバーが無事に集まったことでリハーサルの段階で「辿り着いた感覚」に陥ってしまった。本番前なのに完結したような気分になって必要以上にリラックスしてしまったのだろう。
コロナ禍という厄介な理由で休止せざるを得なかった活動である。やっとのことでの再始動だったから肝心の本番以前にメンバーが欠けずに集って予定曲をキッチリこなせるようになった時点で満足しちゃったのかも知れない。
おかげで本番は調子よく進行できた。お客様との一体感はこれまでも我がバンドの自慢だったが、今回はより充実した感覚があった。自画自賛だがかなり楽しい時間になったと思う。
コロナのせいでまるで予定が立たなくなり活動を続けるモチベーションが下がった時期もあった。何とか復活させて良かったと痛感する。継続は力なりとは言い得て妙である。
今年はオリジナル曲は披露せず、誰もが知っているような曲のカバーだけで構成した。自前の渋い?歌も捨てがたいが、お客様目線ではビミョー?だろうからこれはこれで正解だったと思う。
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やさしい悪魔(キャンディーズ)
メトロにのって(斉藤和義)
猫(DISH)
ルージュの伝言(松任谷由実)
とんぼ(長渕剛)
さよならエレジー(菅田将暉)
止まらないhaha(矢沢永吉)