日本橋エリアの暮らすようになって身近な存在になったのが東京駅だ。レンタルチャリでうろうろ走っている時もつい丸の内側の美しい駅舎を通るコースに行ってしまう。
国の重要文化財に指定されているのも当然の佇まいだ。その昔、オランダを旅した際にアムステルダム駅が東京駅にそっくりだったのでそちらが元祖なのかと思ったが、資料的にはアムステルダム駅を参考にした記録は無いらしい。今になって画像と比べると似て非なるモノにも思える。
明治時代にこんな素敵な建物を作った当時の日本人の意気込みに感心する。プチ歴史好きな私としては当時の世相や庶民感情、技術力などを勝手に想像して関係した人々の気持ちに思いを馳せるのが楽しい。
丸ビルあたりから見る夜景も素晴らしい。これぞ東京という言葉しか浮かばない。飽きもせず見ていられる。実際に下の画像は用もないのに丸ビルに入ってテラスから撮影した。根っからの東京人である私もこの眺めを前にするとオノボリさんみたいに気分がアガる。
東京駅には近現代のいろんな歴史が垣間見える。丸の内南口の切符売り場横には原敬首相が暗殺された現場を示すレリーフが掲示されている。歴史を大きく変えたともいわれる事件の現場だ。とはいえ、99%の人はレリーフを気にすることもなく通り過ぎていく。そんな無常観を眺めているのもいとをかしって感じだ。
話は変わるが、東京駅に限らずレリーフや記念碑、歴史の由緒書き看板を見るとしっかり読み込みたくなるのが私の習性だ。ちっとも知らない事柄や業績だろうとナゼか必死に読んでしまう。その時代を想像して空想にふけるのが楽しい。
有楽町駅の交通会館寄りの広場には「南町奉行所跡」という碑がポツンと建っている。毎日のようにテレビ各局の街頭インタビューが行われている場所だ。とくに由緒書きがあるわけでなく素っ気ない感じがシュールだ。
江戸の奉行所といえば「遠山の金さん」である。あれは創作ストーリーだが、モデルになった遠山金四郎というお奉行さんは実在していた。まさにこの場所で「お裁き」が行われたのかと思うと空想気分も盛り上がる。
お次は職場近くで見つけたレリーフだ。京橋にある私の職場の周りは再開発が盛んだが、新しく出来たビルにヒッソリと歴史に関するレリーフが設置されることも多い。これは東海道五十三次で知られる歌川広重の住居跡。
自分が日々過ごしている場所のすぐそばだ。200年前にはここで一連の絵が描かれていたのかと思うと妙に不思議な気分になる。今はビルだらけの場所の200年前の景色を好き勝手に想像してみるのも楽しい。
お次は「西郷どん」である。こちらは人形町に近いエリアを散歩していた時に発見した。鹿児島のイメージしかない西郷さんだが、考えてみれば一時期は明治新政府でゴリゴリ辣腕をふるっていたわけだから東京に住まいがあったのも当然だ。
この周辺を上野の銅像のような姿で犬を連れて散歩していたのかと想像してみると何となく楽しい。近隣に住む江戸っ子たちが薩摩からやってきた革命の親分を見てどんな陰口を叩いていたのだろう。そんな空想にふけると歴史的な由緒書き看板の有難さを痛感する。
キリがない話だが、東京の都心部だけでなく全国主要都市の中心地にはそれこそ数えきれないほどのレリーフや記念碑、由緒書き看板が存在する。そればかりを目的に散策したら飽きずに過ごせそうだと思う。
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