先日、久しぶりに六本木に行く機会があった。すっかり縁遠くなった街だが、20代から30代前半にかけては頻繁に通った思い出の場所である。
この日はわがオヤジバンドの強力なサポートメンバーが所属するスカ専門のバンドライブを覗きに行った。客層は若者中心で私などは来場者の平均年齢を上げてしまうぐらいだったが、それはそれで最前列に陣取って声援を送ったりして楽しく過ごした。
人様のバンド活動を見に行くのは久しぶりだ。今年も11月にライブを控える身としては勉強になることも多い。やはりこういう場にはマメに出かけたほうが良いと痛感した。
さて、六本木である。ライブ見学を終えたあと我がバンドのメンバー3人で飲み屋を探す。昔より飲食店の数が減っているように感じたのは気のせいだろうか。天下の六本木である。そんな急激に衰退するはずはないが、どうにもサビれた感じを受けた。
土曜の夜だったので平日よりは静かだったのだろう。それ以外にも近年ニョキニョキ出来た大きなビルの中に飲食店が吸収されたのかもしれない。
で、適当に見つけた沖縄料理屋でダラダラ飲む。夕飯は済ませていたので黒糖ピーナッツで泡盛のソーダ割をぐびぐび。音楽談義はほとんどせず中年の悲哀を語り尽くす。
飲み終わったものの、せっかくの久しぶりの六本木である。もう一軒行こうと街をさまよう。私が頻繁に出歩いていた頃にあった店は跡形もない。街の形だって変わっている。
行き当たりばったりにシャレたバーに入ろうかと思ったがオッサン同士の飲みの場としてはビミョーにズレている。さんざん歩いたけど入りたい店が見つからず完全にオノボリさん状態に陥る。
一緒にいた友人はたまたま私とご近所さんだったので地元に戻って飲み直そうかとか、どこの街にもあるチェーン店の居酒屋に入ろうかなどと弱気な気持ちになる。何とかそんな“攻めない気持ち”にフタをして散策を続けた。
とはいえ、足も疲れてきたので六本木らしからぬ小汚い(失礼)居酒屋に入店。結局、野郎同士だとモツ焼きとホッピーみたいな昔ながらの居酒屋が落ち着く。タバコも吸えてつまみ類も真っ当だった。異国?の地で安息の場所を見つけてバカ話に精を出す。
六本木らしさのカケラもない場所で、相も変らぬワイ談に精を出して楽しく飲んでいたのだが、ひょんなことで「六本木らしさ」に遭遇してちょっと感動した。
それがこの画像の料理だ。その名も「セクシーチャーハン」である。安いメニューの中にこれだけが「1800円」と異次元の価格設定だ。腹が減ってはいないのに注文してみた。
オッパイとチンチ〇である。おまけに刻み海苔によって縮れた毛まで再現されていた。素晴らしい一品だ。下品かつ悪趣味である。オヤジ飲みの場にこういう一品が出てきてくれると気分も高揚する。
銀座や日本橋あたりの居酒屋ならこういう一品は出てこないだろう。これこそ六本木のセンスである。夜の街を店を探してさまよい続けた我々への神様からの祝福みたいなものである。
肝心の味も良かった。チャーハン自体はあっさりしていたが、乳輪部分に盛られたマヨネーズと乳首のつもりの明太子を混ぜると実に斬新な味に変化して単なる“ネタ”とはいえない美味しい一品だった。
このチャーハンのおかげで「六本木で楽しい夜を過ごせたぜ」と意味深な笑みを浮かべることが出来た。たかが居酒屋、されど居酒屋である。