15年ほど前に独身に戻った際、何はともあれ「ウマいコメ」の追求に励んだ。それまでは小さい子供もいる状況だったからご飯を炊く際もすべて私好みにしてもらえるわけではなかった。
専業主婦だった元嫁様に料理を任せている以上、私がアレコレ細かいことを言いにくいのもあった。独身になったら自分でやらなきゃならない代わりに100%自分の好みに出来るようになった。結果、コメ選びから炊き加減までB型気質を発揮して大真面目に向き合ってみた。
炊飯器のこともちょこっと勉強した。大雑把にいえば「圧力系」「非圧力系」に分かれるらしいのだが、もっちりした感じより粒立った感じの炊き上がりが好みなら非圧力系が適していると知り、そっち系の商品を探した。
とにかくコメを硬めに炊きたい私としてはコメの品種も真剣に調べた。たいていの日本人が好む「もっちり」「粘り」という表現が強調されている米は基本的にパスした。なんなら「サラサラ」「ゴワゴワ」ぐらいに炊き上がって欲しい。
で、硬く炊いたほうがウマいと評判の「つや姫」に辿り着き、その後は「つや姫」の派生ブランド米である「雪若丸」に落ち着いて今に至る。
そうした涙ぐましい?努力の果てに「非圧力系の炊飯器で雪若丸無洗米を水加減をかなり少な目で早炊きする」という自分流の完全無欠なパターンを確立した。
炊き立てを冷凍することもあるのだが、上手に解凍すればウマさは9割がた維持される。そこらへんのコメ自慢の料理屋よりもウマいコメを常に食べている自負はある。あくまで私の感覚だがそう断言できちゃうこと自体が幸せだ。
白米ももちろんウマいが、炒めご飯や炊き込みご飯もウマい。普通に白米として食べる時は、2合の場合、水加減を1.7合目あたりに合わせて炊く。炒めご飯用に炊く際は1.6合目ぐらいの水加減でコメの芯が残らないギリギリぐらいの硬さに炊くようにしている。
チキンライスである。前にも書いたが最近知った「パパヤソース」という京都の会社のチキンライスの素にハマったので近頃はこれ一辺倒である。
ちょっと良い鶏肉を多めに入れて、マッシュルームやタマネギみじん切りを加えて炒める。タマネギは安直に冷凍モノで済ませる。鶏肉を塩コショウと白ワインで炒めてから硬く炊いたコメとドッキングさせる。毎日でも食べたいウマさだ。
挽肉炒めメシも失敗しない一品だ。塩コショウにコンソメ、ウスターソースをベースにすることが私流の基本だが、上の画像は焼肉のタレをベースに炒めメシに仕上げた。間違いのない味だった。
炊き込みご飯もわりとよく作るのだが、炒めメシよりも簡単とはいえ、意外に炊き加減が難しい。具材から出る水分量がよめないことや早炊きモードだと高熱過ぎて具材に火が通り過ぎる問題もあるようだ。なかなか奥が深い。
ピラフ好きな私が最近知った商品が焼肉のタレで有名なモランボン製のエビピラフの素である。まさに安直の極みだ。エビを入れて炊飯器で炊くだけ。豪華にしたければ具材を追加すればいろんなパターンを楽しめる。味も極めてオーソドックスなピラフ味だ。
パスタソースを応用してピラフを炊くこともある。そこら辺のスーパーで売っている「あさりコンソメ」などのパスタソースをベースにエビやらアサリ缶詰などを追加投入して炊くだけで済む。
炊き上がったあとにバターを追加してしばし蒸らしてから混ぜ合わせれば官能的な香りと味わいにムホムホできる。水加減さえ失敗しなければ誰でも本格的なピラフが作れる。
こういう簡便調理はインスタのリール動画を見ていると飽きるほど紹介されている。便利な時代になったものだ。15年前の離婚直後の頃が今のようなインスタ最盛期だったらきっと私はズボラ調理に励んで引きこもりのような暮らしをしていたと思う。
料理ベタ、料理嫌いの人にとっては、ごくごく短い動画でズボラ調理が学べる今の時代は幸運だと思う。「自炊」と聞くと細々とした下準備やいくつもの面倒な作業を乗り越えなければならないと思い込んでいた昭和人である私にとっても有難い限りだ。
ちなみに自分好みのコメざんまいを満喫できるのは非常に幸せなことだが、その一方で外食の際に時々遭遇するマズいコメへの嫌悪感はヒートアップする一方だ。
どう考えても水加減を間違えたとしか思えないビチャビチャした食感のコメを出す店やヘンテコな匂いがするようなダメ米を出す店は何とかならないものだろうか。
コメは日本の宝である。誠意をもって愛情たっぷりに炊いてほしい。コメづくりに真摯に取り組む農家さんへの敬意と感謝を込める意味でも真面目に炊いてほしいと切に願う。
おかしな結論になってしまった…。





