2025年3月21日金曜日

少年の心

 

「少年の心を失わないのは素敵!」、「いい歳してバカなのか?」。これは同義語みたいな話である。遠からず還暦を迎える私も時に少年時代のような行動に走ってしまうが、そうなると必然的に後悔することも増える。

 



新橋にあるラーメン屋さん「ほりうち」のチャーシューざる麺だ。ハーフサイズで充分なのにヤケクソみたいにチャーシューがテンコ盛りの標準を頼む。幸せなことは確かだが、最近では食後がちょっと苦しい。

 

脳の中は昔の感覚のままだから何を食べるにしてもテンコ盛りだと条件反射で嬉しくなる。牛丼にしても大人になってからは一度たりとも並盛を注文したことがない。そんな判断を今も続けていることは「男の勲章」だと信じている。バカだ。

 

量の問題はともかく、ふと目にしたヘンテコな商品に目が輝いてしまうのも昔の感覚のままだ。コンビニのカップ麺コーナーに見慣れぬジャンク系を見つけると絶対に買わなきゃならない気持ちになる。

 

先日買ってしまったのはその名も「みんな知ってるウマイやつ・名もなきスパゲッティ味焼きそばハンバーグ弁当風」なる謎めいた商品である。エースコックの商品開発会議でよくもまあゴーサインが出たものだと感心しちゃうネーミングだ。

 



要は洋食屋さんなどでハンバーグなどに添えられる付け合わせスパゲッティである。そんなニッチな麺料理を商品化してしまうメーカーの冒険心を称賛したい。

 

付け合わせスパゲッティを愛する人は意外に多い。私も随分前にこのブログでその話を書いた。

https://fugoh-kisya.blogspot.com/2017/08/blog-post_25.html

 

あの素っ気ない感じ、やる気を無くしたヌルい存在感が魅力的だ。まさに名脇役と言えよう。たいていは味が薄っぺらいのが特徴だ。薄~いナポリタン風味だったり、下手するとほとんど味が無い状態だったりする。

 

主役の肉料理のソースと混ざることでようやくそれなりに食べられる状態になることが珍しくない付け合わせスパゲッティだが、このカップ麺はまさにそこに焦点が当たっている。

 



 「ハンバーグの下敷き」という表現通りでデミグラス風味のソースを絡めて完成する。当然ながら具はほぼ無い。実に勇敢な?商品である。

 

肝心の味はなんともビミョーではあるが、そんなものを嬉々として食べている自分を自己弁護する意味で「それなりに美味しかった」と言っておこう。

 

もっと言えば絡めるソースを半分程度しか使わずにいればもっと高評価だったかと思う。ソースを全量使うと味がしっかり強くなる。当然「付け合わせ感」が弱まってしまう。あくまで薄っぺらい味に仕上がるよう調整すべきだった。

 

ついでに言えば、それを冷めるまで待てばよかった。付け合わせスパゲッティといえばヌルいのが定番だ。熱々で食べたら別モノになってしまう。なんなら常温になるまで待てば感動的な味になっていたかもしれない…。

 

まあ、こんなことを真剣に考察するのも「少年の心」である。飽食社会で生まれ育ったゆえの余裕だと解釈することにしよう。

 

話は変わる。

 

家では簡単パスタを自作することが多い。年齢的には和風あっさり味のパスタを作れば作った方が良いのだろうが、ついついクリーム系に気分が向いてしまい、食後にちょっと胸焼け気味になることもある。

 

でもパスタ料理そのものが若い頃に親しんだ食べ物だからたいていはガッツリ系の味に仕上げたくなる。基本はレトルトパスタソースを使うのだが、この時点でクリーム系を買ってしまうことが多い。

 


 

この画像はカニのトマトクリームというパスタソースを元にカニ缶詰を丸ごと一つ加えた作品!である。エンゲル係数的には破綻しているが、カニ缶詰はふるさと納税で手に入れたから実質的には追加料金ナシである。

 

レトルトのソースだけでは必死に鼻の機能を総動員しないとカニの雰囲気は感じられないが、カニ缶詰を丸ごと追加すればそんな問題は一気に解決して贅沢な気分にも浸れる。悪くない缶詰消化法だと思う。

 



お次はベーコンとツナのクリームパスタだ。こちらはレトルトは使わず一から味付けした。麺つゆやコンソメ、刻みガーリック、牛乳を適当に使って仕上げた。我ながらなかなかの味に仕上がった。

 

このぐらいマトモなパスタを自作できるのにナゼ「付け合わせスパゲッティ」のカップ麺を満面の笑顔で食べてしまうのか…。そんなことを大真面目に考えてしまう日々である。

 

 

 

 

 

2025年3月19日水曜日

プリンプリン


来日したドジャースやカブスの選手たちがこぞって絶賛していたのが日本のコンビニだ。あの怪しい?タマゴサンドが外国人に大人気になっていることは以前から知っていたが、他にもスイーツなどもかなりの人気があるようだ。

 

日常的に使っているコンビニだから我々日本人としてはいちいち感心したり感動したりすることはないが、世界的に見れば特異な存在だろう。なんでも売っているだけでなくチケットの発券や荷物の発送、はたまたクリーニングの中継基地のやくわりもこなす。

 

なんでも屋である。それに加えてプライベートブランドの食べ物も激しい競争のせいで日進月歩でウマいものが増えた。コンビニ飯はマズいという昔の常識も様変わりした。確かにおにぎり一つとっても昔とは別モノである。

 


 

私の場合、タバコを買いに行くつもりでコンビニに入ってもついつい余計なスイーツを買って散財してしまう。スイーツじゃなくてもカットフルーツなんかも手軽なサイズだから手を出してしまう。ナゼかいつも45千円が飛んでいく。

 

外ではカッコつけて甘いものをあまり食べない私だが、家だと別人のようにスイーツオヤジと化す。その根源がコンビニである。昨年来ハマっているのが「ジャージー牛乳プリン」だ。知る人ぞ知る名品なのに遅ればせながら昨年の後半に初めて食べて卒倒した。

 



いまでは我が家の冷蔵庫に35個は常備している。そのぐらい無いと不安で夜も眠れない。プリンとは言うものの実態は純然たるミルキースイーツである。中途半端なカラメル部分も無い。ミルクプリン一色だ。牛乳が苦手な人は別にして、はたしてこれをマズいと言う人がこの世にいるのだろうかと思う。

 

もともと私はプリンっぽい食感のスイーツが好きなのだが、やっつけ仕事みたいに味の悪いカラメルが底に潜んでいるヤツが苦手だ。優しいプリンの風味が一気に壊される気がする。言ってみればプリン部分とカラメル部分がケンカしちゃっているような商品が多すぎる。

 

カラメルが別途添付されているヤツとかミルクプリンみたいにハナからカラメルが無いヤツは安心して楽しめる。ババロアやパンナコッタと名乗っているカップスイーツもソースが別添だったりすると迷わず買う。

 

きっと味覚がお子ちゃまなんだと思う。

 



先日は有楽町マルイに入っているマックスピスタチオなる店でピスタチオプリンを購入した。コンビニ以外でもこういう商品を目にすればすぐに買ってしまう。決め手はやはりヘンテコなカラメル部分が無いことでもある。

 

でも一個800円である。ちょっとバカみたいな値段だ。値段も見ずに「これください」と条件反射のように言ってしまった私の負けである。そりゃあやたらと美味しかったが値段のことが頭にこびりついていたからウマいとしか言えなかったような気もする。

 

まあ、ちょっとした名店のスイーツは昭和のオジサマ的感覚ではビックリするほど高いのが今の時代だ。そう考えるとやはりコンビニの品揃えは称賛に値する。

 



最近ハマっているのが「美食家のプリン」という新商品だ。大げさではなく60年近く生きてきた中でトップクラスにウマいプリンだ。オーソドックスにカラメルが底に潜んでいるプリンなのだが、苦手なはずのそれすらも気にならない。

 

カラメル部分の味付けが強すぎずプリン本体と絶妙にバランスが取れている。初めて口にした時は久しぶりに目ん玉が飛び出そうな衝撃を受けた。確か160円ぐらいだった。そんな値段でこんなウマいものが買えるなんてニッポンバンザイと叫ぶしかない。

 

ウチの近所のコンビニでもすぐに品薄になるので見つけるたびに買っている。何回食べても心から美味しいと感じる。

 

ジャージー牛乳プリンとこのプリンが冷蔵庫にたくさん入っている状態のことを幸せと呼ぶのかもしれない。本気でそう思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年3月17日月曜日

甘い酒

 

その昔、砂糖はかなりの貴重品で江戸時代の一時期は医師が処方するものだったそうだ。そんな貴重品を今の時代は際限なく楽しめるのが嬉しい。「時代ガチャ」の点でいえばラッキーそのものだろう。

 

 

料理の美味しさを決めるのはダシが基本だが、同じぐらい大事なのが砂糖だ。たいていのウマいものはタレなどどこかしらに砂糖や水飴みたいな甘味を使っている。私が好きなレトルトカレーの成分表示にもしっかり砂糖は記載されている。

 

有難いことに糖尿の家系ではないから生まれてからずっと糖分をバシバシ摂取してきた。今も私は辛党ではない。もちろん酒も飲むが、ここ数年は甘みの方により強い魅力を感じるようになってきた。

 

先日、銀座のバーで甘いカクテルを飲んだ。普段だとバーでは「マッカランをロックでね」とキザったらしく注文する私だが、この日は気心の知れた相手と一緒だったので食後酒だと言い訳しながら最初から甘いカクテルにした。

 




キウイヨーグルトのなんちゃらカクテルと杏仁風味のなんちゃらカクテルである。画像ではわかりにくいが意外に量があって思った以上にふわふわと酔った。甘いもので酔うって悪くない。

 

大学生ぐらいの頃、サントリーの一大戦略のせいで世の中に「トロピカルドリンク」なる怪しい酒が出回った。ピニャコラーダ、マイタイ、ブルーハワイ、ストベリーダイキリ等々、音感の面白さと甘いからこその口当たりの良さで若者世代に一気に流行した。

 

確か渋谷だったと思うのだが、入口で靴を脱がされ、裸足でフロアに案内されるトロピカルバーと称する店にも何度か通った。フロアは白い砂が敷き詰められていたため客はみんな裸足にさせられたわけだ。

 

バブル到来のハッチャけた空気と相まって若者はみんなトロピカルドリンクを飲みまくった。そしてみんな吐きまくった。当時、繁華街に点在していたゲロの多くがトロピカルドリンクが原因だった。

 

話がそれた。

 

この日、甘いカクテルを続けて飲んでちょっとベトベトした気分だったのでバーテンさんに次のおすすめを聞いてみた。

 



で、アタリだったのがゴッドファーザーだ。アマレットとウイスキーを混ぜただけのシロモノだが、甘ったるいアマレットの分量を加減すればウイスキーがやんわりと甘みを帯びるので私にとってはちょうど良かった。今後の定番にしてみようと思う。

 

さて、トロピカルドリンクブームは全国にゲロを撒き散らして終焉したが、そこから台頭してきたのが今に至る「なんちゃらサワー」の一群である。

 

レモン、グレープフルーツが定番だが、青りんごサワーやらカルピスサワーやら怪しい系?もすっかり根付いている。私も居酒屋などではそういう怪しい系を注文したいのだが、さすがに人様の前では気が引けて緑茶割りあたりで誤魔化している。自意識過剰である。

 

その代わりネットスーパーなどの宅配を使う時はガンガン甘い系の酒も注文する。ジュースというものが根っから好きなんだと思う。ほとんどジュースみたいなサワー類を一気飲みするのは結構楽しい。




正しくない飲み方としては、睡眠薬がちっとも効かなかった時にそれらの甘いサワー類を一気飲みすることもある。さすがにこれをやると効果はバッチリだ。

 

きっとこんなことばかりしているといずれ痴呆症みたいな副作用に悩まされるのだろう。気をつけないと…。







2025年3月14日金曜日

脚モデルさんに感謝


最近は色っぽい話を書いていない。色っぽいことと無縁になったのか、はたまた色っぽいことが過剰にあり過ぎてここに書けなくなったのかは内緒である。たぶん前者だ。

 

私は独身とはいえ還暦も近い年齢だ。「色恋に歳など関係ないぜ」と寅さんが熱弁していたが、寄る年波にはなかなか抗えない。5年前に比べれば確実に劣化・退化は進んでいる。

 

とはいえ、生涯現役を目標にしている以上、いろいろな面で「引退」してしまうわけにはいかない。老骨にムチうちながら戦う場面もある。

 



このブログの閲覧数は色っぽい画像が載っていると増加する。いっそセクシー画像ブログにすれば大人気になるかもしれない。まあ、そんなことをしていたら行き過ぎて逮捕されそうだから、あくまで「ほんのちょっとセクシー」に留めないといけない。

 

新聞や雑誌にカット写真が不可欠なのと同じで、このブログにもなるべく関連する画像を貼るようにしている。女子を連れてウマいものを食べた話なら女子同席の雰囲気ぐらい画像によって表現しないと収まりが悪い。ウナギを食べに行ったら「うなじとウナギ」はお約束である。

 



食事うんぬんだけでなく男女の機微や男の切なさみたいな話を書く時にもそれっぽいカット画像が欲しい。というわけで日頃から女性の知り合いにはそれっぽい画像を撮らせてもらっている。

 

気付けば結構なストックが溜まってしまった。夜景をバックにした画像なども悪くはないのだが、正直ちっとも面白くない。やはり太ももやうなじ、胸元あたりが主役じゃないと退屈だ。

 



脚線美はもともと私の大好物だから女子友達の多くが被写体として活躍?してくれる。不思議なもので裸の女性を前にしたら脚や太ももに視線はいかないはずなのに着衣だと途端に気になるゾーンになる。

 

男にだって太ももはあるし、今どきはムダ毛を処理する男もいる。かといって温泉大浴場で男の太ももや脚線を見たい気持ちにはまったくならない。女性ならではのラインに意味がある。

 





寒い季節にはミニスカとブーツという組み合わせをよく見かける。脚が長く見える視覚効果があるとかないとかで今や定番みたいな感じだ。確かにパッと見はスタイルが良く見えるのは確かだろう。

 

ふくらはぎが隠れてしまうのは残念だが、フィット感があるブーツならその点もある程度カバーしてくれるので悪くない。女性たちはそのあたりも意識して選ぶのだろうか。

 




 

それにしてもこんな画像を一生懸命に撮影している自分がちょっと切ない。一応ジャーナリスト精神を言い訳に頑張っているわけだが、スマホを向けている時の顔はスケベヒヒオヤジ感を丸出しにしているのだろう。反省。

 

でもまあキレイなモノに目がいくのは自然なことだし、その瞬間を保存してこのブログのカット画像に利用させてもらえるわけだから無駄ではない。

 





ご協力いただいた皆様には心から感謝である。思えば15年以上前にこのブログの夜の銀座ネタに添える画像が欲しくて気のいいオネエサンがたに協力してもらったのがきっかけである。

 

その後、知り合う人々皆々様に協力してもらい数々の力作?につながったわけで、これもまた「継続は力なり」を実感している。

 

調子に乗ってここに載せられないカット画像まで撮れてしまうのは御愛嬌だが、それはそれで私が老後に懐かしく見返すための宝物?である。

 

いずれにせよ今だにこんなことで喜んでいられるわけだから単純明快に幸せなことである。

 

 

 

 

 

 

 

2025年3月12日水曜日

下町散歩と体力

 


下町の風情を愛でながら散歩するのが好きだ。文京区に住んでいるときは「谷根千」エリアをウロウロするのが好きだった。今は住まいに近い人形町やちょっと足を伸ばした門前仲町あたりがお気に入りのエリアだ。

 

先日、いつもと違う景色が見たくなり錦糸町界隈をせっせと散歩した。「月曜から夜ふかし」で街頭インタビューが行われるようなディープソーンもあるいわば東京らしい場所である。最近は昔のイメ―ジと違って錦糸町界隈もすっかり近代化されてヨソの繁華街と似たような佇まいになりつつある。

 



それでもちょっとした路地で見られる昭和的な景色を目にすると何だか嬉しくなる。この日は押上方面にも足をのばしてウロウロしたのだが、ちょっと渋い銭湯を見つけた。寄ろうかと思ったもののかなり混雑していたのでパス。

 

Googleマップを見ながら散歩していたのだが、近くに別な銭湯があることが表示されたので、そっちに向かってみた。散歩の途中で銭湯に入るなんて休日の正しいオヤジの過ごし方である。多少の混雑もものともせず入ってみた。

 



幸か不幸か、下町風情というよりモダンな感じだった。でも「見知らぬ街を歩きながら小休止にひとっ風呂」という自分の行動センス?のおかげでかなり良い気分になった。

 

その後、スカイツリーのエリアまで歩き、浅草がほんの目と鼻の距離だと気づく。ついでに大河ドラマ「べらぼう」の記念展示企画が浅草の区民館で開催されていることを思い出す。

 

調べたら夕方5時で終わっちゃうらしいのでタクシーで浅草までひとっ飛び。区民館で蔦屋重三郎関連の展示をしげしげと見て回った。ドラマで実際に使った小道具などの展示に感心する。アップでテレビに映るわけではない小物もかなり精巧に作られていた。さすがNHKである。

 






その後、浅草をぶらつく。東洋館に行ってマイナーな漫才師のシュールな芸でも見ようかと思ったのだが、この日は運悪く特別企画で「寅さんを語る会」なるトークイベントが行われていたため断念。

 

賑わうホッピー通りなどを黙々と散策しながら空腹を覚えたので何を食べようか脳みそをフル稼働させる。まず頭に浮かんだのが「釜飯」である。いつも浅草に来ると洋食屋さんに行きたくなるのだが、この日は刺し身で一杯やりながら釜飯を待つのもオツだと考えた。

 

有名店「釜めし春」の店先を覗くと開店直後だったみたいでガラガラだった。それなら慌てて入るまでもないと他の候補はないものかとウジウジ考えながら散歩を続行。優柔不断の極みである。

 

そうこうするうちに空腹感が強まる。一気にパンチの効いたモノが恋しくなってきた。せっかく渋く?釜飯でキメようと思っていたのにまたぞろ頭の中は洋食屋さんのメニューがガンガン浮かんでくる。

 

で、近くにあるビーフシチューの名店「ぱいち」に向かったのだが定休日だったので途方に暮れる。しかし、既に釜飯に戻る気分ではなかったので、安定の店「ヨシカミ」に向かう。

 

カウンター席には空きがあったのですんなり着席。ビールで一息入れながら、タンシチューとチキンライス。追加でメンチカツも一つもらう。

 



洋食屋さんで欠かせないベシャメル系を頼み忘れたことに気づく。とはいえ、一人メシだから今の私はこれ以上は食べ切れない。5年若ければもう一品いけたはずだ。残念で仕方がない。

 

カウンター席で料理人がテキパキと作業する姿を眺めるのもこの店の楽しみである。ナポリタンの作り方、オムライスの作り方、いずれも私から見れば神業かと思える。プロの機敏な動きは見ているだけで楽しくなる。

 



結構な満腹をかかえて帰路につく。腹ごなしに歩いて帰ろうと無謀な計画をたてる。田原町を過ぎ蔵前を過ぎ鳥越を過ぎ、浅草橋のあたりで無理な計画だったことに気づく。

 

タクシーで帰るのもシャクだ。アプリでレンタルチャリが近くにないか探してみる。運悪くチャリは出払っていて電動キックボードしか見つからず仕方なくそっちを借りて日本橋方面に向かう。

 

寒風の中、途中で思い切り逆方向に進んだりといつものように方向音痴ぶりを発揮しながら何とか帰宅した。ウチに着いたら着いたで中途半端に元気さを持て余していたのでキックボクシングジムに行こうとひらめく。

 

ところがこの日の夜はジムが早仕舞いしていて私の涙ぐましいガンバル計画は断念せざるを得なかった。でもあのままジムでサンドバックを蹴っていたら腰や脚を痛めたかもしれない。風呂に入りながら充分疲れていたことに気づく。

 

年相応にハッスルしないと健康には逆効果かもしれない。体力増強月間ではあるが動き過ぎには気をつけないといけない。昨年チャリで転んで長期間にわたって難儀したのも調子にのったせいである。


そんなシャバダバな現実を突きつけられた気持ちで眠りについた。良い一日だった。

 

以上です!

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年3月10日月曜日

ジーロー飯、ルーロー飯


台湾料理といえば渋谷の「麗郷」が思い浮かぶ。私が高校生の頃から名店の雰囲気を漂わせていたが、他の中華料理店とはどことなく趣が違って神秘的というか、謎めいた雰囲気が漂っていた印象がある。

 

きっと腸詰め系のメニューに若き日の自分がゲテモノっぽい感じを覚えたせいだと思う。怪しい駄菓子や合成肉の子供向けハンバーグを喜々として食べていたくせに見知らぬ台湾料理をブキミに感じていたのだからバカみたいだ。

 



台湾の食べ物といえば小籠包が大人気だが、個人的にはさほど好みではない。今回の旅では1度だけ食べた。5年前の台湾旅行の際にそこそこの名店で冷めきってヌルい小籠包が出てきたせいで何となく敬遠するようになってしまった。

 

台湾名物の中でも近年人気を集めているのがルーロー飯(魯肉飯)である。もともとは屋台などで食べる軽食だが、コメを愛する日本人にとってもウケる一品だ。

 

ここ数年、大型スーパーなどではルーロー飯のレトルトも見かけるようになった。確かにカレーやシチューみたいにレトルト向けだと思う。レトルト好きの私だが、今まで一度も買ったことはない。おそらく脂っぽくてクドいという先入観のせいだ。

 

5年前の旅行で何度も現地のルーロー飯を食べたが2回に1回は脂っぽくてクドいのに当たった。若い頃なら平気だったはずだが今の歳だと厳しい。ウマい店のルーロー飯は毎日でも食べたいぐらい美味しかったが、確率的にはビミョーな印象だった。

 

今回の台湾旅行でも何度も食べた。宿泊した台北のミラマーガーデンホテルでは朝食ブッフェにルーロー飯があったのだが、ちょっと脂っぽい路線だったのでドカ食いは出来なかった。

 

台湾国内の人気チェーン店「鬍鬚張魯肉飯(ひげちょうルーローハン)」のルーロー飯は初老?の私でも美味しく食べられた。おそらく日本の吉野家みたいな位置づけのファストフード店だろう。万人ウケする無難な仕上がりになっていた。




日本に支店はないかと調べてみたのだが、なぜか金沢に1店舗あるだけだった。都心部にあったら行きたかったのに残念だ。でも金沢の店舗ではレトルトを全国発送しているようだから注文してみようと思う。

 

さてさて、ルーロー飯は人気、知名度ともに日本人に定着しているが、ナゼかいまひとつマイナーなのが「ジーロー飯」(雞肉飯)である。個人的にはルーロー飯より日本人ウケがいいと感じる。私も断然ジーロー飯派である。

 



ルーローが豚バラ肉の甘辛煮みたいな感じなのに対してジーローは文字通り細くほぐした鶏肉に軽く甘辛ダレをかけた一品だ。味付けが濃い目の台湾料理の中にあっては異色とも言えるあっさり系の料理だ。

 

今回の旅行でも頻繁に食べた。ルーロー飯よりも遭遇率は低いのだが、探せば簡単にウマいジーロー飯にありつける。上に書いた人気チェーン店「鬍鬚張魯肉飯」でも食べられた。素直にウマかった。店によっては小中大とサイズを揃えているので、ルーロー飯とジーロー飯を同時に堪能できるとかなり幸せな気分になる。

 

今回の旅でもいろんな店でアレコレ食べたのだが、結局一番美味しかったのは、5年前にも行った「大来小館」という台湾家庭料理の店のルーロー飯とジーロー飯だった。

 




結局、私はコメをメインにしたジャンクフードが大好きなんだと思う。数ある料理メニューをたくさん注文してそこそこ楽しんでも結局はジーロー飯みたいな「ぶっかけ系」をかっこまないと満足できない。

 

ちなみにこの「大来小館」では凝りすぎない素っ気ない料理が多く、それがまたウマかった。中高年以降の世代にはオススメの店だと思う。下の画像は実に素っ気ないけど妙に美味しかったビーフン炒めだ。

 



なんだかジーロー飯とルーロー飯の話だけになってしまったので、ついでに今回の旅で美味かったモノを備忘録的に載せてみる。

 

中華料理の中でも私が特に好きなのが「焼味」と呼ばれる炙り焼き系の品々だ。香港あたりでチャーシューや鴨や鶏がツヤツヤしながら店頭に吊るされているアレだ。

 



こちらも5年前に入ってウマかった店を再訪した。「新葡苑」という店。「大来小館」もこの店も実はこのブログに書いていたおかげで店の名前を忘れずに済んだ。旅先のレストランの名前など普通は忘れてしまうが、ブログには日記みたいな効用があるから役立った。

 




鴨と密汁チャーシューの盛り合わせが相変わらず安定のウマさだったし、シューマイも絶品だった。紹興酒をグビグビ飲みながら食べたのでその他の画像はあまり撮らなかったのだが、全般的に満足だった。

 

というわけで、いずれまた台湾旅行をしてもこの2軒には必ず行くことになりそうだ。

 

ちなみに台北からの帰国便は気流の関係もあって2時間20分ぐらいの飛行時間だった。近くてビックリである。「羽田空港―松山空港」の便ならどちらも中心部に近いし国内旅行感覚で楽しめる。

 



これは帰りの飛行機に持ち込んだ現地のセブンイレブンで買ったジーロー飯のおにぎりである。機内食をパスして食べる価値があるほどウマかった。


2時間ちょっとのフライトでビジネスクラスを使うのは富豪級だが、食べてるものはちっとも富豪ではない。でも大谷翔平サマもCM撮影の際におにぎりを19個も食べたそうだから私もあやかった気分になった。

https://youtu.be/15Q5pXjLoUI?si=7EnpEaQNT6tzHsdh












 

 

 

 

 

 

 

2025年3月7日金曜日

2025年3月5日水曜日

台湾の温泉と新庄監督


台湾に行ってきた。マイルを使った無料航空券の関係で4泊というゆったり旅になったのでアレコレ変化球?を交えた時間を過ごした。

 

台北郊外に温泉があるので最初はそちらに宿を取った。北投温泉という日本統治時代に一気に開発された温泉地らしい。海外で温泉につかるのもオツだ。

 

北投亞太飯店(アジアパシフィックホテル)というリゾートみたいな名称の宿を取ったのだが、これが結構立派な和風モダン調の宿だった。部屋にはデカい浴槽があって白濁した源泉が堪能できた。

 





部屋風呂だけでなく大浴場も日本式で水着は不要。普通に裸で楽しめた。これまた白濁かつ硫黄臭プンプンの上等な温泉が溢れていた。サウナもあってのんびり過ごすには最高だった。

 

事前に北投温泉のことを調べている際は、電車の乗換情報とかがいろいろ出てきて面倒な立地かと思ったのだが、実際に行ってみれば台北中心地からちっとも遠くない。タクシーで30分弱の距離だった。

 

台湾の物価も日本並みになってきたが、タクシーに関してはかなり安い。到着当日に松山空港から北投温泉までが30分程度で4千円ぐらいだっただろうか。チェックアウト後に台北中心部に移動した際もその程度の値段だった。重い荷物を抱えて電車移動するよりタクシー利用が便利だ。

 

温泉街みたいな風情があるわけではないが、駅周辺にはそれなりの繁華街が広がっていた。マックをはじめ牛丼屋など日本のファストフードのお店もいくつも揃う。宿は朝食付きで手配してそれ以外は街をぶらついて現地メシを食べ歩くのがオススメだろう。

 

台北中心部も賑やかで楽しいが、3泊以上滞在するなら北投温泉に1泊することをオススメしたい。私なら2泊しかなくても1泊は温泉宿を選ぶと思う。そのぐらい気に入ってしまった。

 

 温泉をあとにして台北中心部に3泊。とくに目的のある旅ではなかったのだが、ハイライトは「台北ドームでの野球観戦」である。


台湾旅行を決めてから現地の野球関係の情報を見ていたら偶然にも私の滞在中に日本ハムファイターズが台北で親善試合をすることを知った。

 


ネットでチケットを予約。発券は現地のコンビニ限定だとのことでちょっとビビったが、思った以上にスムーズにコトは進み、晴れて台湾国民ご自慢の台北ドームに足を運んだ。

 

出来てまもない球場だけに実に立派だった。郊外にあるのかと思いきや市街地のど真ん中だった。球場外周には数え切れないほどの飲食店等が入っていてその場所すべてがテーマパーク的な様子だった。




この日は気温が26度ぐらいあったのだが、球場内は寒いぐらいクーラーが効いていて快適だった。試合前のセレモニーもレーザー光線バリバリの一大スペクタルショーみたいで気分もアガった。台湾側のチアガールはもはやタレント並みの人気らしい。

 



試合では万波選手のホームランが観られたし、昨年のプレミア12で大活躍した台湾の陳傑憲選手も目撃できた。ファイターズガールによる例のキツネダンスを生で観られたのも結構嬉しかった。


それより何より興奮したのが新庄監督の登場シーンである。試合前、両チームの選手が一人づつ紹介されてカッチョ良くグランドに出てきて整列するなか、大トリで姿を表したのが新庄ビッグボスである。

 

一人だけなぜか外野席方向からオープンカーで登場。試合直前なのにスーツ姿で手を振っていた。もはや謎めいている。エースでも四番打者でもない。監督である。世界広しといえども監督の登場シーンをこんな演出でやってしまうのは彼ぐらいのものだろう。

 




台湾での新庄監督の知名度が高いとは思えないのだが、あの瞬間は間違いなくドーム全体が大いに盛り上がった。野球観戦の雰囲気だとは思えない状態だった。ロックのライブかのような熱さだった。


それこそが新庄監督の凄さだろう。「野球観戦の雰囲気とは思えない」ような空気を作り出しちゃうわけだから、やはり余人を持って代えがたい。眉をひそめる人もいるだろうが、文句を言うより一緒に野球というスポーツのエンタメ性を向上させたほうが建設的だと感じた。

 

日本では武道の影響もあってスポーツの世界にも何かと窮屈な伝統や慣習がつきまとう。柔道や空手道のような「野球道」みたいな感覚だ。それはそれで子どもの教育段階における部活動では意義もある。

 

でも、プロの世界では違ってもいい。こと野球に関しては本場メジャーリーグのような突き抜けた陽気さがあったほうが楽しいと思う。


新庄監督が体現する野球のエンタメ性向上という路線は、結局はファン層の拡大や野球人口の裾野を広げることにもなる。

 

今年のプロ野球はやはりファイターズに注目したいと思う。

 

台湾旅行の話からずいぶんと脱線してしまった…。