「どんなコが好みなの?」「どんな人がタイプですか?」。老若男女問わず、誰もが何度も聞かれたことがあると思う。
誰だってブサイクより美形が好きだし、恐い人より優しい人が好きである。カタブツよりエッチな人のほうがステキである(これは違うか)。
好みやタイプなど、考えてみれば不毛な質問である。にもかかわらず、たいていの人は聞かれればアレコレ答える。
私も若い頃は具体的にアーだのコーだのと答えていたが、今では「好みなんてありません」と大真面目に答える。
誰でもいいと言いたいわけではない。あくまで自分が恋に落ちる人が好みだ。それが現実だろう。髪が長かろうが短かろうが、巨乳だろうが微乳だろうが、そんなことを気にする余裕?などない。
内面に関してもちょっと付き合ったところで分かるものではない。それこそ ♪性格なんてものは僕の頭の中で勝手に作り上げりゃあいい♪(斉藤和義「君の顔が好きだ」より)である。
中高年オヤジの間で奇跡の47歳と呼ばれているのが「森高千里」である。人妻である。主婦である。
人妻であり主婦だから、世のオッサン連中は「ウチの嫁とは大違いだ」「ウチの嫁にも見習って欲しい」などと語りたがる。
でも、そんなことを言うと世のオバサン連中からは「だったらアンタは江口洋介なのか?」という痛烈な真理を突きつけられる。
まったくその通りである。50歳を過ぎてあんなカッチョいい夫など滅多に存在しない。
「好み」や「タイプ」をとくとくと語るのも似たようなものだろう。「森高・江口理論」に当てはめれば、「エラそうに語っているけどテメーはどうなんだい!」という話になる。
とくに中高年男性は自分のことを棚に上げて理想論を振りかざしやすい。ヒキガエルみたいなオヤジやゲジゲジみたいなオッサンも「好みの女性」をグヘグヘと論じる。
あれはヤメたほうがいいと思う。まあ、私の場合も好みやタイプを語らないのは、エラそうなことをホザいて世の女性達から逆襲を食らうのが恐いからである。
さて、自分を棚にあげてエラそうに語る男達の世界には、女性をめぐるゲスな格言?が存在する。
「一盗二婢三妾四妓五妻」。
「いっとう、にひ、さんしょう、しぎ、ごさい」と読む。何かのオマジナイみたいだが、要はエロティックな関係を想定した場合の「男が燃える順番」である。
ちなみにネット上で見つけたこの言葉の英訳が妙に笑えるのでついでに載せておく。
Most thrilling relationships for a man (another man's wife、a maidservant、a mistress、a prostitute、and finally his own wife)
なかなか分かりやすい。「スリリング・リレーションシップ」という表現にウケてしまった。
”and finally his own wife” も英語的?である。「そして最後が」とわざわざ強調されているみたいで面白い。
要は「人妻や誰かの恋人」「使用人やお手伝いさん」「オメカケさんや愛人」「プロの女性、商売女」「自分の妻」という順番だ。
いやはや、最下位扱いの世の奥サマ達からぶっ飛ばされそうな言葉である。
いや、待てよ。奥サマ達は自分の旦那以外の男からは一番人気である。捨てたもんじゃないわけだ。
この言葉自体、使われている漢字から見て大昔のお大尽さんが言いだした言葉だろう。住み込みの女中やメカケが珍しくなかった時代の戯れ言である。
あくまで明治大正あたりの成金オヤジ的女性観であって、今の時代だとピンとこない部分もある。
だいたい、女中さんを例にとっても、現在では行儀見習いを兼ねて若い女性が住み込みで働くようなことはないから、シチュエーションとして成立しない。
プロの女性も時代とともに変わってきた。普通の女性、一般の女性といってもその実態は実に曖昧。プロか否かの線引きは今や男が思っている以上にテキトーになっているのが現実だ。
人妻にしても積極的に浮気に励む人々も結構いるから昔の人がイメージした貞淑な人妻とはちょっと違う。まあ、大多数の人妻は真面目だろうからそう決めつけちゃうのも良くない。
でも、今の時代、人妻との秘密の関係がバレたら相手の旦那から慰謝料請求をされるリスクもある。
人妻ではなく、誰かの恋人を寝取っちゃうのは確かに「萌え萌え」かもしれないが、それをネタに小賢しいヤツらからツツモタセみたいにユスられるリスクもある。
まあ、それはそれである意味”スリリング”だから、やはり「盗」に関しては今の時代も第一位なんだろうか。
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