今日は思わせぶりなタイトルだが、特別改まった話を書こうというわけではない。女性は強い、男性は弱い。この普遍的な話をなんとなくブツクサと書きたくなった。
昭和の名曲だとか演歌の世界を見渡してみると、忍ぶ女性、イジらしい女性、薄幸な女性、けなげな女性が無尽蔵に登場する。
♪あなた死んでもいいですか
胸がしんしん泣いてます
窓にうつして寝化粧を
しても心は晴れません
「北の宿から」 都はるみ
♪心が忘れた あのひとも
膝が重さを覚えてる
長い月日の膝まくら
煙草プカリとふかしてた
にくい 恋しい にくい 恋しい
めぐりめぐって今は恋しい
「雨の慕情」 八代亜紀
♪口を開けば別れると
刺さったまんまの割れ硝子
ふたりでいたって寒いけど
嘘でも抱かれりゃあたたかい
~~~
恨んでも恨んでも からだうらはら
あなた・・・山が燃える
「天城越え」 石川さゆり
数え上げたらきりがない。こんな感じの歌を聞けば男なら誰もがキュンとする。日本女性の素晴らしさが凝縮されているといっても過言ではない。
そうはいっても、残念ながらこれらは全部男の妄想であり願望だろう。その証拠に、しみじみシッポリ系の演歌の歌詞は、ほぼ例外なく男が作詞している。
男が勝手に描き出す「こうあって欲しい女性」を妄想している歌である。実に悔しい!
実際の女性はもっと現実的だ。叶わぬ恋に身をやつして、京都大原三千院あたりを歩いているヤツは間違いなくいない。
好いた男に会えないならば、割り切ってヨガスクールに通ったり、グランドハイアットでベチャクチャとランチを食っていたりする。
着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編むこともない。ザックリした市販品のセーターのラベルをハサミでカットして、「これ、私が編んだんです~」とか平気でウソをついたりする。
バレンタインのチョコだって同じだ。手作りとか言いながら市販品をそれっぽい容器に入れ替える悪魔の所業をこれまで何千例も見てきた。
だいたい、平均寿命が10歳近く男よりも長いし、自分の身体から人間を産み落とすという必殺技を持つ生き物が、しっぽりしっとりと叶わぬ恋などにかまけているはずがない。頭の中は強くたくましく生きていくことで占められている。
あんまり力説していると私の身に何があったのかと勘ぐられそうだが、別に何も起きてはいない。強いていえば、ネット動画でカマキリの交尾シーンを見てしまったから、日頃の憂いが強まっただけだ。
それにしてもナゼだろう。必死に振り向いてもらおうとエンヤコーラと努力を続け、オレが守ってやるぜ~とか言いながら、心の中でアッカンベーをされる。深遠なる男の辛い世界が古今東西繰り返されている。
うーん、こんなことを一生懸命書いて一体何を主張したいのだろうか。自分でも分らなくなってきた。
何だかんだいって、時々こんな風に自分に言い聞かせないと、ニタニタデレデレとだらしなく女性を追いかけるばかりだから、本能的にブレーキをかけているのだろうか。
だいぶ前に読んだ筒井康隆の短編が面白かった。内閣から何からすべてを女性が牛耳る社会を描いた作品だったのだが、嫉妬や妬みばかりで政策や外交が短絡的に決められ、ぐっちゃぐちゃになっちゃうというストーリー。
男は結局、そうやって「女なんかじゃダメだぜ」と言いたい。いわば「男のほうがエラいんだからな」と思い込みたいのだろう。
そのくせ、気に入った女性が現われればせっせと貢いだり、甘い言葉をささやいたりして振り向いてもらおうと躍起になる。
バカ丸出しである。
女性は女性で、男のそういうバカを熟知した上で、自分達の覇権をしっかりと強固にしていく。おそるべしである。
無理して張り合ったりせずに、素直に軍門に下ったほうが賢明なのかもしれない。
男の哀れさ、切なさが身に染みる秋の頃である。鈴虫の音色がなぜか哀しく聞こえる。
5 件のコメント:
はじめまして。
ブログを拝見し旅行、食などの文章に一喜一憂しております。
女性側の立場から。。実際のところはどうでしょうか?
昭和演歌のタイプのようなひともいるんですよ!
ただ、時代がソウサセテイルのでは。
匿名様
コメントありがとうございます!
女性目線でそのようなご指摘をいただくとありがたいです!
昭和演歌のような女性ばかりが溢れる世の中になって欲しいのですが、時代のせいにしましょう。。。
なかなか厳しいです。
あなた様のブログを楽しみにしています。
出来ましたら他のツールでやり取り出来ればと思うのですが可能でしょうか?
どちらかでお目にかかれますでしょうか?
胡桃
胡桃さま
コメントありがとうございます。
このサイトは、パソコン専用でやっているものですが、携帯から見ることも可能みたいです。
facebookもやっていますが、内容が内容なので今のところ友人限定にしています。スイマセンです。。。
わかりました。
いろいろなご経験をされていらっしゃるので
ご意見など伺ってみたいと思い、お聞きしたまでです。
ありがとうございました。
胡桃
コメントを投稿