2016年5月18日水曜日

なぜ半袖を着ないのか


そろそろ暑い季節が到来しそうだ。ネクタイともしばしお別れの季節である。

お役所が音頭を取ってクールビズを言いだしてから10年。夏場のノーネクタイがすっかり定番になった。

社会人に成り立ての頃、夏場のネクタイに慣れなくてホトホト困ったことを覚えている。大人達はよくもまあ拷問みたいな格好で夏場を過ごしているもんだとゲンナリした。

ここ10年か15年ぐらいで夏の暑さの質が変わった。昔は今ほど殺人的ではなかった。熱中症という言葉も聞かなかったし、学校にエアコンが設置されていることもなかった。

もともと日本の夏にスーツにネクタイというスタイルは合わないから、ノーネクタイの一般化は有難いことだ。


その昔、省エネルックという謎めいた格好を流行らせようというヘンテコな陰謀があったが、誰も相手にしなかったのには笑えた。そりゃあ無理がある。今は亡き大平さんも変なカッコさせられて気の毒だった。画像はネットから拝借しました。スイマセン。

さて、スーツにノーネクタイとなると、それ用のワイシャツを用意することになる。一般的には通常より襟を高くしたものを着ることが多い。

俗にドゥエボットーニと呼ばれるスタイルだ。直訳すれば「二つボタン」である。要はシャツの一番上のボタンをしめる箇所がボタン2個分の高さになっているという意味合いだ。

高い襟がとっちらからないようにボタンダウンやスナップダウンが定番。私も妙に襟の高いシャツを毎年のように馴染みのテーラーさんに注文している。

ノーネクタイ用だから夏用のシャツである。にもかかわらず「スーツの下のシャツは長袖」という呪縛?のせいで半袖は一枚も持っていない。

オーダーシャツだから、半袖だろうと七分袖だろうと私の好きなように注文すればいいのに常に長袖である。



私が決断さえすればノースリーブだって作れるのに毎年毎年、あと一歩の勇気が出ずにノースリーブビジネスシャツは実現していない。

「スーツの下に着るシャツは長袖じゃなきゃダメ」というのは世界的なルールである。理由など知らない。おそらくスーツの袖からシャツの袖が少し見えるスタイルを維持するためだろう。

まあ、わからなくはないが、気が狂ったような日本の夏の暑さの前では、そんな常識にとらわれているのはツラい。

実際、私も長袖のシャツの袖を3回まくって肘の辺りでまとめていることが多い。面倒だからそのままスーツの上着を羽織ることもある。当然「袖問題」は“ルール違反状態”である。

袖問題にキチンと対処できないならシャツだって思い切って半袖にすればいいのに「スーツの下に着るシャツは長袖」という呪い?のせいで、バカの一つ覚えのように長袖しか着ない。

結局は袖をまくっちゃうわけだからトンチンカンな話である。

思えば、高校生の頃も夏になっても半袖ワイシャツを着ないで長袖シャツの腕まくりスタイルで過ごすことが多かった。

理由などない。二の腕に彫り込んだ龍の入れ墨(ウソです)を隠そうとしたわけでもない。何となくその方がカッチョいいと思い込んでいたからだ。

今でこそ長袖シャツを着るのは、あくまでスーツのせいだが、ひょっとすると10代の頃のような「カッコつけ精神」を引きずっているのかもしれない。

袖を3回折り返したら肘の付近にはシャツ3枚分の生地があるわけだ。シャツを3枚も重ね着していたら暑いのも当然である。

痩せてもいないのに痩せ我慢である。

今年こそテーラーさんに薄い生地の半袖シャツをオーダーしようか。はたまた禁断のノースリーブを注文しようか。

本音ではそうしたいのだが、長年のこだわりを捨てるのが何となく怖い。それをきっかけにまるでダムが崩壊するかのように自分の身だしなみに対する気持ちが一気にグータラ方向に向かいそうである。

それにしても、たかだかシャツの袖の長さでアレコレ思い悩んでいるんだから、私の平和ボケも相当なものである。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私の場合、半袖シャツでジャケットを着ると、汗で上着が腕に張り付くのが嫌で、ジャケットを着るときは、長袖にしています。また、ワイシャツでしたら、汗をかいても、直ぐに洗濯できますが、ジャケットの場合、そうは行きません。これらが、私が長袖を着る理由です。

富豪記者 さんのコメント...

コメント有り難うございます!

もともと西洋の概念ではワイシャツ自体が下着ですから、
ご指摘の理由が正しいのだと思います!

私の場合、腕に汗をかかないので、ついついまくったままで上着を羽織っちゃいます。