2016年5月30日月曜日
タラコの話 めんツナかんかん
イクラやキャビア、カラスミなど魚卵界?にはスターが多い。キャビアなどは世界中で「黒いダイヤ」と呼ばれて珍重される。
魚卵をご飯に載っけて食べるのが好きなドメスティックな私としてはキャビアにあまり興味がない。だったらタラコのほうが嬉しい。
ということで、今日はタラコの話。
一部では「赤いダイヤ」と呼ばれているタラコだが、イクラやカラスミ、数の子に比べると何となく不当に低く評価されている気がする。
本来なら「ニッポン魚卵界のエース」にふさわしい存在なのだが、昭和の頃から手軽な値段でどこでも売っていたせいか、有り難みが薄れてしまったのだろう。
王選手の陰に隠れた張本サンみたいなものか。堀内に対する高橋一三みたいなものだろうか。全然違うか。
さて、タラコである。生タラコといっても生のまま塩漬けされるのが一般的だ。専用のタレに漬け込まれるものもあれば、わさび漬けのようなパターンもある。
上モノの生タラコを酢に浸して食べるのもオツである。私自身、子どもの頃には「酢タラコ」でドンブリ飯をかっこんでいた。
軽く炙ったタラコもウマいが、安い弁当に入っているような火を入れ過ぎちゃったヤツはダメだ。
もしかすると焼き過ぎてマズい「ウェルダン・タラコ」のせいでタラコの地位が低くなったのかもしれない。
確かにボソボソ、ゴリゴリ、ゴワゴワしたダメダメな焼きタラコも世の中に存在する。ああいう感じのものばかり食べていたらタラコが嫌いになってしまいそうだ。
上質な生タラコに頑張ってもらって魚卵界での地位を向上させてもらいたいものだ。
タラコにとって不運だったのが辛子明太子の台頭である。もともと「タラコ」と「明太子」は同じものである。普通のタラコを地域によっては明太子と呼んでいたわけだ。
ところが、グイグイ人気が出てきた辛子明太子は、いつのまにか「辛子」が省略されて単に明太子と呼ばれるようになった。
今ではピリ辛のタラコを総称する呼び方として定着。すなわち普通のタラコの名称が乗っ取られてしまったようなものである。
ウンチクを書いたことだし、ここから先は私も辛子明太子を単に明太子と書くことにする。
東京出身のせいもあって、タラコと明太子は私にとって似て非なるモノだ。いや、似ているとも思わない。別モノ。どちらも好きだが、タラコは単体で食べたいのに対して明太子は他のモノと和えて食べたくなる。
上モノと言われる生タラコは、一粒一粒に存在感があるのに官能的なネットリ感も楽しめる。そのままストレートにウットリしたくなる。
かたや、明太子はキュウリの千切りや白髪ネギあたりと和えるなど、他の素材とミックスした方が辛味が中和されていい感じだ。そのままだと強すぎる。
この画像は高田馬場・鮨源で注文する明太子とたくあんの巻きもの。たくあんの微妙な甘味が明太子とコラボ?してなかなか美味しい。食感もメリハリが出る。
それにしても、タラコを用意しているお寿司屋さんが少ないことが私にとっては謎である。明太子はあってもタラコがないパターンがほとんど。東京の特徴なのだろうか。
タラコの旬は冬だからか。いや、生といっても塩漬けだし、イマドキの冷凍技術のおかげで一年中ウマいタラコは味わえる。
イクラが一年中出回っていることを思えば、ウマいタラコだってもっとスター!扱いされるべきだと思う。
ちょっと話が変わる。
先日、「めんツナかんかん」なる缶詰の存在を教わった。「明太子とツナの缶詰」という意味である。
明太子業界大手の「ふくや」が販売している商品である。ツナに明太子が和えてあるイメージだが、実際には明太子を作る際の調味液でツナを味付けした一品だ。
最近の缶詰はウマい商品が多いが、これもかなりのヒット商品らしい。想像していたより美味しかった。思ったよりアッサリしているのが嬉しい。そのままで酒のツマミになるし、ご飯に載っけて食べてもウマい。
マヨネーズをトッピングしてもイケそうだし、明太子そのものをちょろっと混ぜても良さそうだ。冷やし中華に載っけてもいいかもしれない。
ツナ缶の応用編といえば、シーチキンで有名な「イナバ」の人気商品「ツナとタイカレー」が有名だ。あれも初めて食べた時には美味しくてビックリしたが、「めんツナかんかん」もなかなかウマい。オススメだ。
今日は、タラコの地位の低さを嘆くつもりだったが、最後は缶詰の話になってしまった。
たらこクチビルの女性とキスがしたいというオチを考えていたのに残念である。
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